第17話 ガルナの塔(ドラゴンクエスト3より) 第二部開始
第二部では主にゲーム内の建造物を描写していく予定です。
無理なく進めます。
しばらくはドラゴンクエスト3より『ガルナの塔』です。
まあぶっちゃけ2Dポリゴンのビジュアルなので、現実の塔の画像からそれっぽく貼り付けられりゃいいくらいに思っています。
では、はじまりはじまり。
* * *
東、北、西を険しく尖った高さの山々に囲まれた山岳地帯。
一部だけを真っ平らに削ったような平野の中央部に、その塔は建っていた。
唯一、この塔まで開けている南方面から、近づいていく。
入り口が見えた。扉はなく、横に3メートル。縦に4メートルほどの巨大な空間に、意識の大部分を持っていかれる。
得体の知れない不気味さを放っていた。
建造されたのは、はるか昔だと伝え聞いたのに、真新しさすら覚えるのだ。
罰当たりかと思いつつも、興味を押さえこむことは出来ず、入り口から右方向にすこし逸れて側面に回る。
鋼鉄の剣でおもいっきり表面を斬ってしまおうとしても、傷ひとつつかない。逆に剣が刃こぼれするどころか折れてしまった。灰色の四角い石が規則正しく並べられ、また重ねられていた。予備の剣を持っていなければ危うく引き返さなければならなくなるところだった。
地上六階建てと聞いたが、どれだけ高いのだろう。
そう思って塔の外周からすこし離れて見上げてみる。
天を貫いているようだ。
古代に建造されたとされる塔に、ただただ圧倒される。
自分の小ささを思い知った。世界から見た自分の小ささ。歴史から見た自分の小ささ。なにもかも己が小さく感じた。
いつまでぼんやりと眺めていたかはわからなかった。
ただ、自分の周囲が急に暗くなったので、驚いて視線を前方に戻して、体勢を整えた。巨大な魔物がすぐ傍まで迫っていたかと警戒したからだ。しかし迫っていたのは魔物ではなかった。
影か。
巨大な塔の影に、いつの間にか飲みこまれていた。
ある意味では魔物よりも恐ろしかった。塔が巨人に思えた。動かないにしても、いまにも巨人に踏み潰されてしまうのではないか、とおびえてしまった。
まだ引き返すことはできる。
しかし好奇心は抑えきれず、武器と防具の装着を確認して、入り口から塔のなかへと入っていったのだった。
検索単語
※峻険
※くりぬかれた(くりぬく)
※幾重
※壁面
※呆ける
※装着
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます