俺の学年が勇者として召喚されたが、俺は早速腹黒王族にマークされたようです

イミティ

第1章 勇者召喚

第1話 勇者召喚

 この作品には以下の要素が含まれています。


 ・作者の書きたいことだけ書くスタイル

 ・テンプレとテンプレブレイク

 ・多すぎる誤字

 ・メインヒロインが未だ不明

 ・主人公に対する周りの態度(女子の好感度とか)がチョロイン並に違和感ありあり(まだ語っていないが理由あり)

 ・気になるところを(優しめに)感想で聞いてくれれば、後付け理由でお答え致しますという姿勢

 

 最初の方(第1章最後あたりまで)は中々下手な文章なのでご了承ください

 なお、その後が上手くなっているとは言っていない

 第3章からが本番だと思います。それまでは私の文の練習と、ストーリーの前段階みたいな。

 7/27 リメイク版を出しました。もし読みたい方居ましたら、私のマイページから、『見出された運命の先に』という作品を選択してくださいな。

 ただこちらとはストーリーが大きく異なっているのに加え、まだ話数が少ないので、どちらをお読みするかはお任せ致します。


 文章の質はリメイクの方が上ですが、その分リメイクを読んだ後だとこちらが稚拙に感じてしまうかもしれないので注意。

 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 いつものように朝起きて、いつものようにご飯を食べて、いつものように学校に行き、いつものように授業を受ける。

 そんないつも通りの何の変哲もない今日だが、そんな日でも異変というものは起こる。


 それは、俺がいつものように帰りの準備をしている時のことだ。


 「ん?」

 

 持ち物を入れるため鞄に目を向け、ふと違和感を感じたので視線を戻すと、そこは既に教室ではなかった。


 「………は?」


 目を擦って、頭を振ってみて、頬を抓ってみても、見慣れた景色には一向に戻らなかった。


 そこはとても広い場所。体育館が3個くらい入りそうな広さの、聖堂のような、大理石で出来たみたいな場所。

 聖堂なんてものを実際に見たことはないのでイメージでしか無かったが、小説とか読んでる時に頭に浮かんでくるのは、まさにこんな感じだろう。


 そして、ここに居るのは俺だけではない。

 あたりを見渡せば、俺の学校の全校生徒が、この場には揃っていた。

 ……いや、全然全校生徒の人数じゃないな。俺の学年、2年の生徒だ。数も数えられんのか俺は。


 代わりに、先生は居ない。まるで生徒だけを切り取ってきたかのように。


 全員が今いるこの聖堂のような場所の、中央あたりにいる。俺の学年は120人近く居るはずだが、それを含めてみても、スペースは全然余っている。


 皆が俺と同時にこの場に来たなら、まだ1分も経っていないはずで、大半の者は呆然と、何が起きたか理解できないでいる。俺も鞄から目をあげたら知らん場所なんて、小説でこういう展開を読んでいなかったらあんな風になっていただろう。


 いや、実際一瞬はあんな風になっていたのだが、それはともかく。


 それ以外の者は……多分オタクなんだろう。鼻息を荒くしてこれからの展開に期待しているってとこか?


 ───ただ、そんな楽観視は出来ないと思うが。


 俺は、みんなの外側に目を向ける。俺たちを囲むように鎧に身を包んだ者や、キラキラと宝石の装飾品を付けた衣装に身を包んでいる者がいる。

 そして特別宝石が多く付けられた服を着た、悪そうな顔をしたオッサンと、対照的に綺麗な少女。この中で一番偉そうな雰囲気だ。この2人からは一際強い、存在感みたいな、目を惹かれる様なものを感じる。なんというか、王様と王女的な感じ?


 ようは、囲まれてて明らかにヤバそうってこと。


 そこまで冷静に状況を確認した俺は、自身のある予測を裏付けるべく、目を下に向ける。俺の予想通りなら……あった、魔法陣。

 俺の足下、正確には鎧を来た人たちが囲んでいる床には特大サイズの魔法陣が書かれていた。一体何を使って書いたのかまでは分からないが、少なくとも油性マジックとか墨とか、そういうものではなさそうだ。


 ということで、現状の要素で考えられる可能性を俺は整理してみた。

 

 一つ目は、これがテレビ番組のドッキリで、みんなが何やかんやと言う反応を示した後、「ドッキリでした!」という可能性。変な行動を起こしたら、後でそいつは笑いを取ることとなるだろう。

 もしテレビのドッキリを疑うようなことがあるのなら、余程の目立ちたがり屋でない限り、周囲と同じようなこと、もしくは目立たないようにするのをオススメする。俺もそうする。


 二つ目は、どこかのオカルト宗教に何らかの方法で全員揃って拉致された可能性。

 キリスト教などのメジャー宗教でなければ、きっと怪しい団体だろう。生贄として連れてこられたのか、それとも……。


 そして三つ目、学校にいた者で、俺の学年の生徒が異世界、もしくは似たような感じで、どこかに召喚〃〃された可能性。


 ……こう言ってはなんだが、俺は正直言って、三つ目が一番可能性が高いと思っている。


 まず、一つ目と二つ目はそもそも不可能に近い。なぜなら俺たちを一瞬で移動させる方法が無いからだ。

 もしかしたらテレポーターなんてものが密かに開発されていたのかもしれないが、それならそれで大問題だしな。

 現実世界にファンタジーを持ち込むんじゃありません! と言いたい。


 意識を失っていたわけでもなく、鞄に目を向けていた一瞬の間に移動をさせるには、少なくとも現代の技術じゃ無理だろう。


 それを考えると、消去法により、一番非現実的な三つ目の可能性が高くなってくるのだ。

 俺の願望ではなく、これは論理的な思考だ。うん。ホントに。


 と、考え込んでいると、王女らしき少女に動きがあった。


 「皆様、落ち着いてください」


 その声は凛と響く声で、そこまで大きい声ではないのに、この広さの中全員にしっかりと届いた。

 澄み切っている、と言えばいいのか。


 「私はこのルサイア神聖国の王女である、クリス・フォン・ルサイアです」


 ……ホントに王女だったよ。

 ということはだ。必然的に後ろのオッサンは王様ということになる。というか神聖国……テンプレというか、何となくヤバそうな響きだ。取り敢えず警戒しよう。

 宗教は危険。偏見だけど、テレビや小説なんかを読んでると、ねぇ。


 「皆様は、勇者として私達が召喚いたしました」


 『勇者ゆうしゃ』。その単語に何人かはぴくりと反応する。ただ、反応したうちの1/5は喜びの顔を、残りは難しそうな顔だ。

 それもそのはず。オタクなら一度は読んだことがある勇者召喚ものの小説……しかしその7割方は召喚した側が実は───というか読んでると何となくわかるが、悪だったという展開だ。

 それを知ってれば誰だって警戒もする。あの王様の顔を見ればなおさらな。

 

 無論俺もそんな懸念を抱いており、勇者として召喚されたからと言って素直には喜べない。

 寧ろ『赤ちゃんとして1からやり直させて欲しかった!』という何処か見当違いな意見すら持っている。


 本当は、元の世界に帰せというのが正解なんだろう。でも今は好奇心が勝っている。


 ───しかし、不思議だ。今の状況で、誰も『何でだよ!?』とか『帰せよ!!』とかは叫ばなかった。

 オタクはともかくとして、気の弱そうな女子は泣いたり、逆に気の強い不良みたいな奴は怒鳴りそうなんだがな。

 そんな気配は全くなく、誰も彼もが静かでいた。

 皆自然と、不自然な程存在感を放つ王女様に、目も耳も釘付けだったのだ。


 そしてそこからは、王女様が具体的な召喚した理由を説明しだした。

 話は後で友人に聞けばいいので、俺はその間に異世界のテンプレの鑑定を使う。

 やり方は分からない、分からないが、一応できると仮定して、試す価値はある。


 「鑑定」


 俺が小声で呟くと、脳内に鮮明に浮かんでくる、ステータスらしき文字群。

 一発ビンゴとは幸先がいいが、そのあまりにもおかしい現象に、俺は一瞬声が出そうになった。


 

─────────────────────


 クリス・フォン・ルサイア 16 女

 レベル3

 

【生命力】300

 【魔力】560

 【筋力】100

 【体力】80

 【知力】230

 【敏捷】90

 【器用】130

  【運】50


 スキル


 魔法

 [魔力操作Lv4][魔力感知Lv4]

 [火魔法Lv3][水魔法Lv4][風魔法Lv3]

 [土魔法Lv3][光魔法Lv5][無魔法Lv3]

 

 その他

 [魅了Lv4][交渉Lv3][仮面Lv5]

 


 ユニークスキル

 [王女のカリスマLv-]

 


─────────────────────


 こんなものが脳内に突然浮かんでくるのだ。驚かない方がおかしいだろう。


 とはいえ、ステータスは多分言葉のとおりの意味だ。生命力と魔力はゲームで言うHPとMP、それ以外もゲーム的に考えるとすぐに分かる。


 何気に、魔法があるのが羨ましい。

 

 そしてスキルにある[魅了]……やばい香りがする。

 もしかしたら今も魅了をかけながらやっているのかもしれないというか、この蠱惑的な雰囲気自体がもう魅了が発動している証拠なのかもしれない。


 相手が魅了を持っていると知っていたら効かないという可能性を信じて、次に王様を見てみる。



───────────────────


 ガルフレド・フォン・ルサイア 48 男

 レベル48

 

【生命力】9950

 【魔力】3420

 【筋力】1850

 【体力】1530

 【知力】1360

 【敏捷】1220

 【器用】1480

  【運】35


 スキル

 

 武器術

 [剣術Lv4]

 

 戦闘補助

 [護身術Lv3][威圧Lv3]


 その他

 [内政Lv5][仮面Lv4][悪知恵Lv6]

 [契約Lv-]

 

 


 ユニークスキル

 [王のカリスマLv-]

 

 


───────────────────



 (いや強っ!?)

 

 少なくとも、王女よりは圧倒的に強い。レベル差のせいだろうが、王様ってそんなに強いの? 45も差があるんだが。

 スキルに[剣術]や[悪知恵]があるのを見ると、やはり油断はできないな。スキルレベルがどれくらいまであるのかは分からないが、10をマックスだとすると危ないかもしれない。

 無論、スキルの恩恵が強力だという前提だ。


 ただ、王様はレベルと年齢が一致している。もしかしたら、[王のカリスマ]というスキルに秘密があるのかもしれない。


 その後周りの貴族と騎士を確認した結果、貴族は5~10程度、騎士は20~30程度だった。まさかの王様が一番強いとは……。


 「それでは皆様の部屋に案内します」


 と、どうやら話し終わったらしい。王様は一言も喋らなかったな。どっちかっていうと、こちらを見定めていた感じか。


 「おい樹。ちょっと呆然としてて内容が頭に入ってこなかったから教えてくれ」


 とりあえず話を聞いてなかった俺は、隣にいる友人、如月樹きさらぎいつきにそう聞く。

 大丈夫、こいつなら覚えているはずだ。普段はともかく意外と真面目なこいつのことだ。今回も話を聞きながら色々と考えているに違いない。


 「あ、悪い。俺もよく聞いてなかった」

 「お前もかよッ!!」


 そんな俺の期待を裏切った樹に、俺はつい小声で怒鳴ってしまった。危ない、ここで大声を出していたら、相手に俺を印象づけていたかもしれない。


 白か黒かわからない以上、目立つ真似は避けたい。異世界召喚の基本だと思う。




 ◆◇◆




 結局他のクラスメイトに───樹も一緒に───話を聞き、自身の部屋についた。と言っても、並んでた順に奥の部屋から詰められただけだが。


 部屋の中は、まあ普通のホテルみたいな部屋だな。いや、普通と言ってもホテルっぽいので少し興奮するが。


 「でもこの部屋にひとりってのは落ち着かないな……」


 洋風の部屋で、ベッドが一つ、テーブルと椅子が一つずつ、多分トイレが一つとある。1人で旅行などほとんどしない俺にとっては少し広く、落ち着かない空間だった。


 忙しなく動く視線を無理やり止め、取り敢えず俺は落ち着くために椅子に腰をかける。ホテルのベッドは新品感があって逆に落ち着かないので、そういう時は椅子にゆったりと座った方が考え事には丁度いい。


 それで、さっきクラスメイトに聞いたところ、王女様は以下の様なことを話したらしい。


 ・少し前に魔王が復活したため、俺らを召喚魔法(?)で召喚した。

 ・勇者を召喚したのは過去にも何度かあるため、勇者に関する援助は問題なく行える。

 ・勇者は皆例外なくユニークスキルと能力というものを持っていて、潜在能力が常人の数倍ある。

 ・スキルとは不思議な力のことで、ユニークスキルは個人、またはある特定の家系、集団のみの固有スキルのことであり、勇者はスキルを比較的覚えやすい。

 ・暫くはこの城で魔王に対するための戦力としての訓練をしてもらい、その間は城に住むこと。

 ・魔王を倒せば元の世界に帰れること。

 

 話してくれたのは確かオタク気質なやつだったので、内容自体は間違ってはいないだろう。


 俺から言わせてみれば疑問点が多々あるが、一番の疑問は、魔王を倒せば元の世界に帰れる、という話。

 何故魔王を倒すと帰れるのか? その根拠は? そもそも召喚ができたのだから帰還も出来るのでは? と、いくつか出てくる。


 しかし、今の情報では手探りもいいところで、判断材料としては足りなく考察もできないので、一旦保留にする。


 「となると、後は自分の鑑定だな」


 王女様の話の考察が終われば、残るは鑑定。

 俺はこれからの人生が決まると言っても過言ではない、自身のステータスの開示をした。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 はい、ここは後書き的スペースに。


 既になろうやアルファポリスとかで、(7/30時点で)230話近く投稿しているので、追いつくまでは結構ハイスピードで投稿していきます。

 面白い、今すぐ続きが読みたい! と思ってくれるせっかちかつ優しい読者は、なろう等に行けば最新話まで読めます。

 

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