~とは何か?
異川深三(いがわしんぞう)
第1話 きりがない、とは何だろうか
いきなり何か書こうとしても、集中できない。いきなり何か書く、とは何だろうか。何のプランも無しに、一文字目を書こうとすることだろう。
文章のプランと言っても、長いものや短いものがありそうだ。長いプランだと、数千文字が頭の中で完成しているかもしれない。
短いプランは、どれくらいのがあるだろうか。例えば100文字のプランがあるとする。その100文字が頭の中にあって、書き始めるとは、どういうことなのか。
その100文字について、自分で納得済みということだと考えられる。だから100文字書いてしまっても、消さない可能性がある。消しゴムが節約できるのだ。
ある100文字について、自分で納得済みだというのは、どういうことだろうか。まず、納得するということについて考える。納得するとは何か。
納得するのは、だいたい何か説明を受けた後だ。説明に対して特に質問や疑問が無ければ、納得したことになる。ある100文字とは、何だったろうか。
書く前に、頭の中にある100文字だったか。疑問や質問というのは、作ろうと思えばいくらでも作れる。きりがない、と思うから質問しないだけだ。
きりがないからと言って、何も疑問を持たれないまま書かれた100文字。きりがない、とは思わない人にっとっては、疑問だらけの100文字だ。
きりがない、とは何だろうか。時間がもったいないとか言って、考えることをやめてしまうことだ。時間がもったいないとは、どういうことか。
考えることに、時間を使う価値が無いと判断することだろう。もし考えることが、もっとも価値を持つことなら、いくらでも時間を使うことができる。
考えること以外が、きりがないので止めるべきことになるのだ。ただし、考えると言っても、何について考えるかで価値が違ってくるかもしれない。
ちょっと思いついた100字については、しばらく考えれば疑問も尽きるだろう。何について、時間をかけて考えるか。それは人それぞれだ。
人それぞれ、何に時間をかけて考えたか、とは何だろうか。誰かが時間をかけて考えることは、ほかの人にとっては、きりがないのですぐ考えるのをやめたテーマかもしれない。
数学について、時間をかけて考えた人がいるとする。その人は、数学には無限に時間をかけられるが、食べ物については考えてもきりがないと判断する。
別の人は、食べ物についていくらでも時間を使って考え続けることができる。しかしデザインについては、きりがないと感じるので一般論でやめておく。
誰一人、時間を使って考えたことを共有できる相手がいない世界とはどんなだろうか。きりがないのでここまで、という感じの会話だけの世界になりそうだ。
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