『私の好きなあなたへ』
暗い道
ずっと歩いてきたんだね
明日へ続く道が
不意に閉ざされて
疲れ果て
傷ついて
膝を折って闇を仰いだあなたは
顔を覆った
目が潰れて
何も見えない
誰もいない
あなたは発狂する
頭をかきむしる
どこ
どこ
出口はあるの
それともないの
ないのなら
どうか私を楽にして
もう いいの
そんなこと言わないで
お願いだから
私はあなたの内にいて
あなたをずっと見てきた
あなたが気づく時を
今まで待ちわびていた
そう
私はあなたの味方
私は眠らない
休まない
目をそらさない
あなたから
朝はあなたのために歌を届け
夜はあなたのために祈りを捧げる
それでいいのよ
おやすみ
優しい子
疲れた翼を休めて
夢の波に体を預けて揺られなさい
今は重荷のすべてを下ろして
あなたの涙は私が拭う
あなたの膿は私が吸い出す
私があなたの代わりに
死の影の谷間を歩く
それでいいかな
じゃあ行ってくるね
心配しなくていいよ
私が全部代わってあげる
二度と戻ってこれなかったらゴメンネ
泣かないで
あなたに泣かれるほうがもっと辛い
私はうれしかった
あなたの喜びが私の喜び
あなたの幸せが私の幸せ
他のものが一体どれほどのものでしょう
もう眠りについたかなぁ
いい夢を見てるかなぁ
ああ
あなたが見える
笑っているのが見える
そう
それがあなたにはいちばん似合ってる……
これが
あなたを見る最後です
それじゃあ
おやすみなさい
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