『風』
ぼくらは飛行機
自分だけの力で飛ぶ
力でもって大空へ舞い上がる
機械は人間の知恵の勝利
鳥しか飛べなかった大空を制した人間
誇らしく 我が物顔で
自由に大空を飛びまわる
でも
機械が故障したら墜落する
燃料が切れても墜落する
そうなったら終わりだ
自分の力だけで生きる
何でも自分でできると思いこむ
そして試練や苦難にぶつかる
燃料が切れた飛行機のように
エンジントラブルを起こした飛行機のように
失意のうちに落下する
絶望のうちに地面に叩きつけられる
大空を恐れよ
大空に敬意を払え
己の力で制覇できるという傲慢は打ち砕かれよ
力でのぞむな
むしろ味方につけよ
風に身をまかせるグライダーのように
抵抗するな
無理に力でこじ開けるな
最小限の力で滑空せよ
風になれ
気流を味方につけよ
体の力を抜いて 筋肉を弛緩させ
空とひとつになる喜びを得よ
あなたが世界と戦うのでなく
世界を味方につけるなら
あなたは走り疲れず
燃料切れも故障もない
あなたの味方である風が尽きない限り
どこまでもあなたを高みに登らせる
世界を信じる喜び
愛にすべてをゆだねる喜び
その歓喜の中であなたは
銀の翼となって輝く
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