夜想

北浦寒山

・・・夜の子供・1


夜はひとつの声である。


駆けてゆく、夢のきれぎれ。

傍らの影を翻して。



子供はひとつの季節である。


町は常にその裡で

双曲線を描き、

空と混じり合ったまま佇んでいる。



求めるがゆえに忘れ去られてゆく

砂礫のような日々。


微笑はひとつの答えとなって、

空を塗りつぶしてゆく。



閉じ込めて、ゆけ。その灯を。


踏みしめる刻を、常に見つめて。

受け入れるでなく、

しろしめすでもなく。

ただ囁く声のままに。



風はひとつの証である。



唄はただ

遠ざかるためにある。


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