08.魔法のお話
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「え? つまりどういうことなの?」
流石に今の返しじゃ俺のチート度が目に見えるくらいすごいってわかんなかった。
ってか平均値ぴったしとか言ってたやないか。
これはあれか? 基本的に下層の人間が低すぎてトップ数人がめちゃめちゃ強い、平均すると平均値えげつないみたいなパターンなのか?
「つまり、あなたは平均も平均。ど真ん中なんですよ! ここまで普通の魔法適正検査結果、初めて見ましたよ!」
「はぁ……。なるほど……」
んー?
ってことは要するにあれか? 異世界無双系じゃなかったってことか?
いや、あきらめるな、俺。
まだ異世界無双できないと決まったわけじゃないんだ。
それにほら、俺には物理の知識があるじゃないか。
こいつを使って科学技術を大きく発展させれば、『おぬしはよく儂の国を豊かにしてくれた。褒美をやろうぞ』って展開が無きにしも非ずだからな。知識チートって奴だ。
諦めたらそこで試合終了だってばっちゃが言ってた。とりあえず涙拭いてけ。
「いやぁー、そげんしてもすごかね。こぎゃん一般的なステータスなんか私見たことなかよ?」
……、もういいんだ。
魔法を使った異世界無双はあきらめよう。
俺は知識だけを使って生きていく。
「でもそうすると、使える魔法はどんなに頑張っても中等魔法だけじゃないかな?」
「あぁ、それもそうとね。まだ火属性は中等魔法の多いけんいいっちゃけど、それでも使える魔法は限られてくるけんね」
「うん。誰か火属性で魔法を教えてくれる先生いたっけ? 私は火属性あんまり詳しくないから、教えられても初等の初等くらいしか無理だよ?」
「ならシチア先生がおるとよ」
「あ、そっかぁ。シチア先生は火属性適正の先生だったね。普段土属性の授業してるから忘れてたよ」
「そそ。しかもあん先生火属性なら覇等魔法まで使えるばってん、後で二人で頼みいこ?」
うーん、まぁとりあえず魔法が使えるようになるならいっか。
楽観視楽観視。
「うん、わかった。それじゃ、私はサイエンさんに街の案内するからあとでね」
「はーい、じゃぁね」
俺抜きで話が進んでるけど、俺よりも魔法に詳しい人たちが話してるんだからいっか。
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