かみさまのぶろぐ
浅川多分
涼風とチョコクロワッサン
季節は夏。
未だ茹だるような暑さが続く9月中旬。
そんな残暑の只中であっても、完全に日が落ちてしまえば、心地良い涼風が抜けてゆき、木々の声がそれを演出する。
今日はまさに晴天だった。この森を抜ければ、本来は満天の星空が広がっていることだろう。懐中電灯の光を頼りに、運動不足な僕にはやや辛い坂道を登り終えた僕は、小さな達成感を感じながら、目の前に広がる夜景を眺める。
『今日ゎ、チョコクロワッサン食べたョ』
目の前に広がるのは星海ではなく、妙にキャピついた字面だ。
あの日以来、これが僕の目に映る星空だった。
「どーでもいいわ」
誰に向けたでもない呟きが、虚しく夜空に響いた。
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