第20話
「おはようございます!」
とうとう10日間の異世界旅行の日が来てしまった。
「あぁ、きたか。
あとこれだけ作るからちょっと座って待っててくれ。」
「みどりちゃん、久しぶりー!」
「お、久しぶりだな!」
「春くん、嶺二さん、お久しぶりです!
今日はどうしてお店に??」
2人とも会うのはあの私が転んでお店に来た日以来だ。
「今日は弓波さんが10日間出かけるって言ってたから変身薬を取りに来たんだよ。」
「そうそう!
さっきまでは他の奴もいたんだぜ。
他の奴はもう帰ったけど、俺たちはせっかくだからみどりの顔みてから帰ろうと思って待ってたんだ。
どうだ?魔法の練習とか弓波の手伝いもしてるんだろう?」
「楽しいです!
魔法を覚えるのは面白いし、あおいさんの教え方も分かりやすいですし!
あと向こうの町もとっても楽しかったんです!そうそう、妹のリリーちゃんともお友達になれました!」
「そりゃよかった!
いきなりこんなことになったから、ちょっと心配だったんだ。
弓波も愛想がなくて分かりづらいからな。
妹とも仲良くしてくれてありがとな。」
「たしかにあおいさんは分かりづらいですけど優しいですし、最近はたまーに、微妙にですけど笑顔もわかるのうになりました!」
そう言うと宗次さんは驚いたような顔になり、そしてすごく優しい笑顔になった。
「そうか、本当によかった。
うまくいっていると知れたし、変身薬の準備もできたみたいだ。そろそろ俺たちは帰るとしよう。」
「そうだね!
みどりさん、僕のせいでこっちの世界に関わることになってしまって心配だったんだ。
楽しんでるって聞けて安心した。
エスティエーリル旅行楽しんでね!
それじゃあ、また。」
「はい、また!」
心配してくれてたんだなぁと、ちょっと嬉しくなる。
「みどり、残ってた仕事も終わった。
今のうちに向こうで着る洋服を渡しておこう。」
そう言ってアイテムボックスからたくさんの服を出していく。
「え!?こんなにたくさん!?
浄化魔法がありますし数枚あれば大丈夫ですよ。」
「10日間もあるんだ、浄化があるといっても変えたほうが気分が良いだろう。
勝手に選んでしまったがまた旅行中気になる服があったら買えばいい。」
いくら仕事を手伝っているからと言って、こんなにたくさん用意してもらうなんて悪い気がしてしまう。
いつもお世話になり過ぎだ。
薄々気が付いていたが、あおいさんはものすごいお金持ちなんじゃないだろうか。
お仕事も世界に8つしかない扉の管理してるくらいだしなぁ。
みどりはその分しっかりお仕事のお手伝いをしようと心に決めた。
「よし。準備もできたしそろそろ向かおう。」
「はい!」
私たちは異世界エスティエーリルへの扉をくぐった。
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