第16話


翌日会社にいくと、質問の嵐だった。

うちの会社でも見ていた人が結構いたみたいだ。

弓波さん、見たことないくらい美形だもんなぁ。

朝から一気に疲れてしまった。


ピロン


弓波さん:“こちらでは教えられる魔法がないと言ったが、店の扉から向こうへ行って森で魔法の練習をすれば良いのではないか?”


やっと落ち着いた生活が送れると思ったが、そうもいかなかった。

それから私は仕事終わりにお店から向こうの世界へ行き魔法の練習をする生活を送るのだった。






「そろそろ行くぞ。」


アイテムボックスを覚えた私は食料調達にアスティーリルに行く。

リリーとの約束もあるし、お土産も買った。


「向こうに行ったら冒険者ギルドに行って依頼を受けるぞ。

たくさん食料を買うんだろ。」


「はい!」


流石に私の普段のご飯まで弓波さんに買ってもらうわけにはいかない。

依頼をこなして食費を稼がなければ。


扉を通り、惑わせの森に出る。

町へ向かい1時間半、前回来た時より断然早く移動できるようになっていた。


ギルドに着き依頼を探す。


「もう前回でどんな感じかわかっただろう。

今度は討伐系を受けてみたらどうだ?

ファングラビットならみどりのランクでも受けられる。」


ファングラビットなら倒したことがある、大丈夫だろう。


「じゃあそれにします。」


依頼を受け森に出る。

討伐依頼に便利だからと索敵魔法を教えてもらい、獲物を探す。


「【索敵】

いました!たぶん魔力の大きさ的にファングラビットです。」


「どのくらいの位置にいる?」


「ここから500メートルくらいですね。」


私たちは索敵魔法と攻撃魔法を使い次々と魔物を倒していく。

ファングラビット以外も一緒に倒しているが、依頼でなくても買取カウンターで買い取ってもらえる。



私たちにはアイテムボックスがあるが、アイテムボックスを使える人はとても少ないためあまりバレない方がいいということになった。

マジックバックという空間拡張魔法が使われた魔道具があるというので、バックの中でアイテムボックスを使用してマジックバック持ちとういことで通すことにする。


「そろそろいいだろう。

これ以上魔物を狩ったらマジックバックでは通用しない量になる。」


「戻りますか?」


「あぁ。」





「買取を頼む。」


依頼の完了報告をしファングラビットを売った後、買取カウンターで残りの魔物を売る。


「ブラックウルフ5匹とレッドボア3匹、ビックホーンカウが2匹、それと、、」


「ちょ、こんなにですか!?」


カウンターのお兄さんが目を見開く。


ん?

こんなにって??


「2人だったからな。」


「いやいやいや、普通はもっと上のランクのパーティーが狩るものでしょ!!!」


ん???


「レッドボアとビックホーンカウはCランクですよ!

普通はCランク冒険者のパーティーが狩るような魔物です。

お嬢さんみたいなFランクで挑むなんて死にに行くようなもんですよ!!!」


えええ!?

だって、弓波さんはこれが普通だみたいな顔して狩ってましたけど!!?!?


「これならあっという間にランクアップできますよ!とりあえずCランクの魔物をこれだけ倒せてるのでEランクにできます。

今更新の手続きをしても大丈夫ですか??」


「は、はい。

よろしくお願いします。」


冒険者カードを預けて10分。

ランクがFからEになったカードを受け取り、リリーの家へ向かった。

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