世界観紹介 byソラ

シードルの強さの秘訣【読み飛ばし可】

 多くのシードル新界開拓者が危険を犯してまで自分たちの限界に近い深さまで新界を進み、そこで長期滞在するのは何故か。


 それは、魔力の濃度の薄い環境下より濃い環境下での生活、そして弱い魔物より強い魔物の討伐がシードルの生命力を向上させる。


 つまり、新界しんかいで困難な環境に挑めば挑むほど成長の伸び代やスピードが上がるからだ。


 魔力量の増加や身体能力の向上は勿論のこと、魔物との実践を積むことによって得られる剣や魔法の技術や経験なんかも含めると、それこそ人界じんかいでの成長とは比べものにならない。


 この事実は先達の凄腕シードルたちを見れば一目瞭然で。


 攻略部隊に所属する上級シードルなんかは周辺国の一個中隊を単身で相手にしても負けはしないと言われているくらいだ。


 それだけの魅力があるのに危険な挑戦はしないという人はそもそもシードルになんかなっていないと思う。


 そういう意味では僕もちゃんとシードルなのかなって、ちょっとほっとする。


 余談だけど、


 過去には周辺国の連合軍が新界の攻略を目指したこともあったらしい。


 でも、進むにつれて魔物が強くなる環境や対魔物まものの戦闘訓練にとぼしかったことなどによって消耗するばかりで思ったような成果を出せなかった連合軍は、結局その当時の攻略部隊が進んでいた場所の半分にも満たない場所で早期撤退。


 ガレリアの利権を奪おうとした周辺国の思惑は大きく外れ、逆にシードルの強さを際立たせる形になってしまったらしい。


 それ以降、国家が抱える軍隊による進軍は行われておらず、現在もガレリアのシードルを主体に新界の開拓が進められている。


 そんな過去の話からも、人界においては上級シードルの強さがずば抜けていることがわかる。


 けど、実際にその位置に立てるのはシードルの中でもほんの一握りで。


 新界での長期滞在の繰り返しで魔力量は増加してもそれに見合うだけの成果が出ず、遂には魔力量の増加も頭打ちとなってしまい特定の場所であゆみが止まってしまう。


 そうなったシードルは、その付近で地盤を固めてシードルを続けるか、引退か。


 最悪な末路は無謀な特攻による死だ。


 相応の魔力量に加えて相応の技術も会得し、その壁を乗り越えたシードルたちだけが中級シードルへ、そして上級シードルという高みへと進むことができる。


 そんなことを考えれば考えるほど、上級シードルになるのって狭き門だよなぁと、周りにいる屈強なシードルたちを押し退けて狭き門をくぐろうとしている自分の無茶さ加減に意識のないため息が漏れる。。。

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