第15話 カロヤカさん1

「ルンルルン~。」

 軽井沢花は16歳の女子高生。道を歩いていた。

「あ、1円玉が落ちている。」

 すると彼女は、道端に1円玉が落ちているのに気付いた。

「交番に届けなくっちゃ。」

 彼女は拾ったお金を交番に届ける。

「お巡りさん。落とし物です。」

「ありがとう。」

「今日も良いことをしたわ。ルンルルン~。」

 良いことをした彼女のステップはカロヤカだった。


「ラッキー! お金が落ちている!」

 悪者が道端にお金が落ちているのに気付いた。

「100円玉拾った! 拾ったお金は俺の物だ! ワッハッハー!」

 悪者が拾ったお金を自分の財布に入れて盗んでしまう。


「こらー! 落とした人が困っているかもしれないじゃないか! 拾ったお金は交番に届けるんだ!」

 正義者が悪者を注意する。

「知るか! そんなもの!」

 悪者が正義者に逆ギレする。

「なら仕方がない! くらえ! 正義の鉄槌!」

 正義者が力で悪者をねじ伏せよう殴りかかる。

「そんなもの効くか! 悪者パンチ!」

 悪者は、暴力では正義者の何倍も強かった。

「ぎゃあ!? 正義が、正義が負けるのか!?」

 しかし、悪者の方が強く、正義者が破れる。


「なになに? どうしたの?」

 そこに軽井沢花が現れる。

「悪い人が拾ったお金を交番に届けないでネコババしようとしたの。それを止めようとした正義の人が悪い人に負けちゃったの。」

 野次馬の第三者から彼女は話の経緯を聞く。

「なんですって!? なんて悪い奴なの! 許せない!」

 彼女は、悪者の態度が許せなかった。


「やったー! 100円貰った! ギャハハハハー!」

 悪者は落とし物の100円を自分の物にして、気分上々に歩き始めた。 

「どうしよう? このままじゃ悪い人が去って行くわ。」

 第三者は悪者が良い思いをするのが悔しかった。

「大丈夫よ! この世に悪の栄えたためしはないわ! きっと悪いことをした者には、天罰が下るのよ!」


「ギャア!? どうしてこんな所に電柱が!?」

 まず悪者は、電信柱に当たります。

「よいしょ、よいしょ。」

 悪者に電信柱をぶつける小人さん。

「ギャア!? 誰か助けてくれ!?」

 次に悪者は、マンホールの蓋が空いていて落ちます。

「それ! マンホールの蓋よ、ズレろ!」

 マンホールの蓋を開ける妖精さん。

「なんなんだ!? 今日は100円を拾ってラッキーなはず!? なぜ!? 電信柱にぶつかったり、マンホールに落ちなければいけないんだ!?」

 さすがの悪者も自分の運勢に振り回されます。

「ギャア!? 車が突っ込んでくるだと!?」

 最後に悪者は、自動車に引かれる。

「せ~の。それ!」

 妖精さんと小人さんが自動車を悪者に突進させます。 

「アワワワワワ。」

 悪者は救急車に乗って病院に向かいます。


「良い子のみんなは、拾ったお金は交番に届けようね。良いことをすれば、自分にも良いことがあるのよ。ルンルルン~。」

 今日の教訓である。悪いことをすれば、自分に悪いことが返ってくるのだ。 

「カロヤカにお任せあれ。」

 人は、妖精さんと小人さんと友達の彼女のことを、カロヤカさんと呼ぶ。

 つづく。

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