【設定資料】貴族令嬢なんて、辞めてやりましたわ!

綾野 れん

設定資料集

魔術関連

1.魔素(マナ)


【概要】


本ページでは、作中に登場した『魔素マナ』について解説します。

※作中では言及されていない項目も一部含まれている可能性があります。


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【目次】

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◆魔素(マナ)

 ◇生体魔素

 ◇自然魔素

 ◇天然魔素

 ◇複合魔素

 ◇人工魔素/合成魔素

 

◆素子(エレメント)

 ◇光素(ルクス)

 ◇熱素(フェブリス)

 ◇燃素(フロジス)

 ◇液素(アクアリス)

 ◇音素(ソヌス)

 ◇壌素(フムス)

 ◇雷素(エレス)

 ◇毒素(ウェネス)

 ◇腐素(カリエス)

 ◇妖素(マリス)

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◆魔素(マナ)について


世界にあまねく存在し、生きとし生ける全ての生命に循環している秘力と、その構成体を指す総称。


本来、人が身体の中に持つ固有の魔素を『生体魔素』、空間中に遍在する魔素を『自然魔素』、そして鉱石や物質などに含まれている魔素を『天然魔素』などと区別するが、日常ではその使い分けが曖昧、もしくは区別しないこともかなり多く、ただ単純に『魔素』と呼ばれることがほとんどである。


天然魔素を含む鉱石は一般的に『魔鉱石(マナライト)』と呼ばれ、魔導機関の燃料として用いられる。一方、極めて高濃度の自然魔素が長い年月を経て結晶化することもごく稀にあり、滅多にお目には掛かれないが、そうしたものは『魔晶石(マナシスト)』と呼ばれる。


また、基本的に自然魔素や天然魔素は、その場所にちなんだ独自の相を示す。

たとえば海や湖の近くでは、水の相を強く示す魔素が満ちているため、そういった自然魔素を上手く利用することで、特定の魔術を行使する際に生体魔素の無駄な消耗を抑えることが出来る。


なお、極めて複雑な環境を持つ場所では、様々な相を併せ持つ自然魔素が存在するが、そういった魔素のことを術者などの間で一般的に『複合魔素』と呼んでいる。


最近では人工的に特定の魔素を作り出す試みも繰り返されており、そうやって生成された魔素のことを『人工魔素』、あるいは『合成魔素』と呼称する。


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◆生体魔素


人間が自身の体内に持つ、固有の魔素を指して言う語。


一般的に、呼吸を通じて環境中に存在する自然魔素を体内へ取り込んだ後、『操気門イグレス』(※)と呼ばれる細胞内小器官からなる特殊構造体の働きにより、自身が利用出来るかたちに変換されたものを指す。


操気門の存在は、高度文明が隆盛を極めていたとされる、旧時代の文献に記された記録から得られた情報で、生体魔素が特に集中している四肢の付け根と身体の中心にあるとされているが、その実体を捉える観測機器などは存在していない。


またその性質は個人によって大きく異なるが、術者の中には、生体魔素が持つ固有の特性を意図的に変化させる能力を持った者もごく少数ながら存在する。


※『操気門』については別項で解説


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◆自然魔素


自然環境中に存在するとされている魔素を指して言う語。


通常、空間中の自然魔素は体内に吸収され、そのまま生体魔素に変換されるため、その濃度が高ければ高いほど、生体魔素の自己回復量は増していく。また、環境中に放出された生体魔素も時間の経過と共に変質し、やがて自然魔素に還元される。


地域によっては、非常に高濃度の自然魔素が存在している場所もあり、虚弱体質の術士などが罹患した病の治療、もしくは体質改善のために療養に訪れることがある。


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◆天然魔素


自然界の中には魔素を多く含有した資源が存在するが、そういった物質中に含まれる自然由来の魔素のことを、天然魔素と呼称する。


資源として特に代表的なものは魔鉱石マナライトで、現在では『水操管ヴァサルト』(※)の動力源や魔導列車の内燃機関に必要な燃料として用いられている。最近では『炎水フロガム』(※)という新資源が注目されているが、その利用技術はまだ発展途上中である。


※『水操管』、『炎水』については別項で解説


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◆複合魔素


基本的に性質の異なる自然魔素同士はお互いを打ち消したり、あるいは特殊な作用を齎したりするが、極めて高濃度の自然魔素が長期間に渡って併存する環境下においては、時に両方の性質を併せ持った特殊な魔素が生成されることがあり、こういった魔素のことを術者界隈では複合魔素と呼んでいる。


複合魔素は基本的に不安定な存在であり、安定した生体魔素に接触するとお互いに結びついて崩壊する性質があるため、人体にとっては極めて有害である。このため、仮に攻撃手段として用いた場合には非常に高い殺傷能力を発揮するが、その性質上、術士単体での利用は困難とされる。


一方、複合魔素を体内に取り込んでしまうと、吐き気や眩暈などの症状を示し、重症化すれば嘔吐や意識喪失をも招くが、特定の条件下で極めて安定した複合魔素に関しては、その限りではないとする研究報告も少数ながら存在する。


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◆人工魔素/合成魔素


特殊な魔導機関を用いて、人為的に特定の相を持たせた魔素を生成する技術があるが、こうして生み出された魔素のことを人工魔素、もしくは合成魔素と呼ぶ。


生成方法は各国間で機密情報として扱われ、研究施設などの位置も秘匿されている。その一方で、遠方から突然伝播する起源不明の爆発音や地鳴りなどがごく稀に町民などによって観測されるが、これはその合成実験中に発生した事故だとの噂がある。


また人工魔素は、自然界には存在しない性質を持たせることが可能で、もし仮に非常に安定した複合魔素を安全に生成することが可能になれば、その用途は無限大であり、既存の魔導機関にも革命が起こるとされている。


なお極めて旧い文献によると、かつて存在した高度文明において、全ての相を持つ魔素を合成した『完全魔素』なるものを、自在に操る技術があったとされる。


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◆素子(エレメント)について


全ての物質はもちろんのこと、空気や熱、音や色にさえ、それらを構成している要素があると考えられており、その構成要素の総称を素子という。


肉眼や観測機器でその実体を直接捉えることこそは叶わないものの、粉体を用いた実験などを通して、一部の素子の存在についてはその実在が既に確認されている。


なお、各素子の性質や振る舞い、もしくは利用方法に関する知識は、旧時代の文献から得られた情報を参考にしたものがほとんどである。


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◆光素(ルクス)


全ての光を構成している素子のこと。

人間が普段その目にしている色も、この光素が伝えているものとされる。


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◆熱素(フェブリス)


全ての物質に熱を齎す、構成要素とされている素子。

他の素子との相互作用が最も強い傾向にある。


生体魔素による刺激に対しては特に敏感に反応を示し、その干渉度によっては魔素と結合する性質を持つため、対象が持つ熱を上昇させたり、あるいは奪い取ったりすることも可能となる。


なお、魔現による炎の顕現や魔導による『熱導サーモトランス』(※)もこれを利用しているが、そうしたものは全て、旧時代の文献から齎された知識がもとになっている。


※『熱導』については、別項で解説


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◆燃素(フロジス)


火炎を構成するとされている素子。

別の素子から刺激を受けた、熱素の変異体であるとの説がある。


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◆液素(アクアリス)


全ての液体を構成している素子のこと。


熱素との結びつきが強い性質があるとされているが、特定の条件下においては光素にも強い影響を与えるとされる。


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◆音素(ソヌス)


全ての音を構成している素子のこと。

その伝播速度は環境や通過する物質の状態によって変化するとされている。


なお、この音素の働きを阻害、もしくは熱などに変換して散乱させることで、吸音効果を得る術も存在する。


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◆壌素(フムス)


全ての土壌や砂塵、岩石や貴石などを構成している素子のこと。

自然魔素との結びつきが強く、様々な鉱物を産生しているとされる。


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◆雷素(エレス)


雷を構成しているとされる素子のこと。


旧時代ではその力が一般的にも広く利用され、当時の文明の発展に最も大きく寄与したとされるが、現代の技術では限定的な用途に留まっている。


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◆毒素(ウェネス)


動植物が持つ生物毒など、人体に対して有毒な物質を構成する素子のこと。


自然界に存在する毒素には極めて幅広い種類があるとされ、高熱によっても破壊されないものや、別の毒素に対して拮抗作用を示すものも存在するという。


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◆腐素(カリエス)


劣化した食品や動植物の死骸などを腐敗させる素子のこと。


元々の物質や組織が、劣化の進行によって大きく変質する中で、自然発生的に生成されるという説が有力で、多くは腐敗の進行に伴い毒素へと変化するが、食物においては著しい外観の変化と特有の臭気によって、人間や動物にそれが食用不可であることを告げてくれる、実に有益な存在とされている。


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◆妖素(マリス)


妖魔がその身体から放つ、妖気を構成しているとされる素子。


妖魔自体が異界から来訪した種族であると考えられているため、環境中で術者などがこの妖素の集合体である妖気に曝露した際には、自然魔素や既存の素子とは明らかに違う、異質な感触を得るという。


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