第26話 酸辣湯麺

11時半すぎ、コピーのところにいるとHムラさんがツツツと寄ってくる。


「きょうランチいきますよあいてますかあいてますかあいてますよね」


とかなり強引なランチのお誘い。


ランチ番長の誘いは断れない。



12時になり、バシッと席を立つ。


エレベーターを待つ間もHムラさんは


「どこいきますか、なにがいいですか、なに食べますか」


とマシンガントーク。


エレベーターを降り、ロビーを一歩出ると、




あつい。。。




暑い。暑い。ものすごい日射し。




「!」




突然ある食べ物が頭に浮かぶ。




「スーラータンメン!」




「何ですかそれ。どこですかそれ。おいしいんですか。それにしましょう。どっちですかどっちですかそっちですかこっちですか。」


ランチの自己主張はしない僕が突然叫んだので、Hムラさんのマシンガントークはさらにヒートアップ。


なんだか騒がしいふたり組は、足早に赤坂方面へ向かう。





酸辣湯麺(スーラータンメン)といえば、榮林。


榮林といえば酸辣湯麺。


というぐらいの、榮林へ。





赤坂でスーラータンメンを出す店は結構あるが、中でもここのは、もうヤバイ。


一度食べたら忘れられない。


以前、監査に来ていた会計士の先生が案の定ハマってしまった。


で、そのセンセイと4日連続で行ったことがあった。(笑)





ということで、店に着く。



「スーラータンメン2つ!」



と叫び、待つことしばし。




感動の味に再会。



これこれ。これである。


トロっとしているのがいいんである。


ほんのりすっぱいのがいいんである。


じんわりからいのがいいんである。


好きな人にはもうたまらない味なんである。


アツアツをふうふう言いながら食べるのがいいんである。



Hムラさんのマシンガントークも止まるほどのウマさ。




もはやこの味、赤坂名物といっても過言ではない。


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