第15話 犬猫

はい。今日はひょんなことからポカンと1日暇になってしまったため、


のんびり起きて、徒歩1分のチュタヤにぶらっと行きました。


「人のセックスを笑うな」のDVDが出たのは知っていたので、それを借りようと密かに思っていたのですが、運悪く(というか当たり前か?)全て貸し出し中。


それじゃぁ と「人セク」監督井口奈巳の前作「犬猫」を探してみました。


探すこと暫く。ありましたありました。隅のほうに1本だけ(笑)


今日はコレと決め、レジへ。


(会計を済ますとなぜか映画のチケットが当たりました。サマージャンボ発売中の今、こんなところで無駄に運を消費しています/笑)





「犬猫」(2004)


 監督:井口奈巳

 主演:榎本可奈子、藤田陽子

 出演:西島秀俊、忍成修吾、小池栄子


 ストーリー:中国へ留学することになったアベちゃん(小池栄子)の部屋(東京近郊の一軒屋のアパート)の留守をヨーコ(榎本可奈子)が預かることになった。と、そこへひょんなことからスズ(藤田陽子)が転がり込んでくる。ヨーコとスズの奇妙な同棲生活がはじまる。





この映画、かなりいいです!!僕的には100点満点です!




(ネタバレになるので詳しくストーリーは書きませんが)

まず、ヨーコとスズが因縁浅からぬ仲という設定が面白いです。


ヨーコの男を(おそらく)寝取ってしまったと思われるスズ 笑


その男の部屋を飛び出して、ヨーコの所にスズが転がり込んで来るワケなのです 笑


そして、奥手のヨーコが密かに思いを馳せていて、なかなか手を出せないでいるバイト君を、いともカンタンに部屋に連れ込んでしまうスズ 爆




そんな感じなのですが、映画はゆったりとした感じで淡々と流れてゆきます。


淡々とした「日常」を終始描いているだけに見えるシーンの連続ですが、


それぞれのシーンは見事に作り込まれており、


その生活感、空気感、小道具・・・ そこから垣間見れるヨーコとスズの「心情」と「心象風景」に思わず



「あー。あー。あー。」と頷き、



深く深く 「納得感」 が残ります。




このあたりにこの監督の繊細な神経と観察眼の鋭さ、そして非凡な才能を見ることが出来ます。


この映画を観て「納得感」が残らなかったり、「なんでそこでそうなちゃうの?感」があった人は、少しヤバいかも知れません。


(納得しすぎて、僕はクスクス笑ってしまいました)






舞台は「東京の近郊」とされていて、撮影はおそらく国立市だと思われるのですが、1シーンだけ、違う場所が出てきます。



個人的には、その1シーンが恐ろしくツボで鳥肌が立ちました。



図書館のシーンなのですが、この図書館だけS並区のある場所なのです。(普通に見たら気付くことは100%ありません)


なぜこれに僕が気付いたか?



その図書館、昔々に僕が住んでいた場所の小さな図書館なのです。


地域住民しか場所は知りませんし訪れません。


図書館の様子は昔と全く変わらず、様々な思いが蘇ってきて、


思わずそのシーンを何度も繰り返し観てしまいました。




女の子ふたりの共同生活でしかも女性監督というと、ガーリーな映画か と一瞬思いますが、そんな夢のような物語ではない、リアル過ぎて怖いぐらいの映画です。


しかし、しっかりと深く「あー、あー、あー」感が残ります。





置いていないチュタヤもあるかも知れません。その場合は是非リクエストをかけて観てください。


いやむしろ場合によっては、DVD買ってでも観るべき映画かも知れません。







という訳で今日は コレは観て損なしと断言する! というお話でした。

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