第13話 みうらじゅんのマイブームクッキング

はい。ひさしぶりの日記は、みなさんに是非おすすめしたい番組のご紹介です。



「みうらじゅんのマイブームクッキング」



あのみうらじゅんです。


勿論みうらじゅんは料理経験など、あろう筈がありません。


みうらじゅん自身が今食べたい料理を、とりあえず作ってみるという番組です。



合言葉は「キープオン、クッキンロール!」


この時点で既に料理番組として間違っています。





「なんか中華屋のおっさんってこんな感じで鍋ふりよるね」


「アチ、アチ、アチ」


「あかん。あかん。もうあかん。もう無理や。」


なんていいながら肉を炒めてるうちに、肉は丸焦げ。





「次、なにするんやたっけ?」


とカンペを読みつつ、


「これなんやろ?まぁなんでもええわ」


と調味料を投げ入れるように入れてゆき、




「あかん。全部入れてもた。半分って書いてある。」



「迷ったら、中火」



みたいな感じで料理が出来上がります。




ひどい焦げた色、なんだか訳のわからない調味料が入れられた、見た目だけでもすごく不気味な料理をゲストは、



「せっかくみうらさんが作ってくれたんだから・・・・・・」


と勇気を振り絞って口にする。



という感じの番組です。




勿論そんな料理を食べさせられるゲストは、毎回、みうらと親交のあるひと癖ふた癖あるマニアックな人ばかり。


(スチャダラパー、安斎肇、リリーフランキー、いとうせいこう、山田五郎など)




果たしてゲストが浮かべるのは、苦悶の涙か、はたまた意外にも歓喜の涙か?


みたいな番組です。




食というのは、本来、食べて幸せを感じるもの。


食べて頂くことは、人をもてなすこと。



そんな食の原点を全くもって無視した、ある意味、料理への冒涜とも取れるこの番組。


さらにこの今、食べたくても食べれない人がいることを考えると、不謹慎極まりない番組、とも言えます。


ですが、雰囲気は実にのんきに、平和に進行してゆきます。



美味しいものばかりの昨今、わざわざ不味いものを作ってそれを無理やり食わせる。


不味過ぎて、笑うしかない。


そんな番組です。



そんな姿勢が、僕はとても好きです。自然と笑みがこぼれます。


サブカルチャーとは、こうあるべき だと思います。


なくなって困る番組ではないですが、今、一番足りないと思われる、余裕と豊かさ、暖かさ、そして笑いが詰まっています。

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