監的哨

古いコンクリの壁は煤けていました

微かに香る潮の香りは僕の鼻をくすぐり

真っ青な海と所々に浮かぶ島を思い出しました


そして、その島の少女の事も


彼女は大人びていましたが、しかし大人とは違い

どこか無邪気な子供らしさが感じられました

彼女の名前を呼ぶと小麦色の顔で僕をみつけ


大きな波のように笑って駆け寄ってくるのです


いつも簡素な服を来ていましたが

その服がどれもあまりに似合っているので

僕は隠れて微笑していたのをよく覚えています


彼女はどんな格好でも美しいままなのでした


裸体ですらしなやかな背中から丸く突き出た

可愛らしいお尻はさながら寄せる潮のようで

控えめな胸はそれはそれは雅でした


彼女は今、どこで何をしているのでしょう

ひょっとすると海に帰ったのかもしれません


あんなに優美な地球人を未だ僕は見た事がないのですから

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