思ったよりだるい

韮崎旭

思ったよりだるい

 プラネタリウムってさ、思ったよりだるいよね、と紅茶をすすりながら(ところでその茶葉は何または香料は何ですか、アッサム? ダージリン? ほかの何か? どこ、ケニアとか? 茶葉の航路。茶ノ木の自制する地域。地図。征服の。セイフク。制服のそれが口を開き、ああああ歯、とか、口腔内、とか見せるなよ、慎みがないのが当世風?)いう秋雨の代わりに弁明してみる、慎みって思ったよりプラネタリウムだよね、知ってる?

 知らない。

 

 地域の科学館にロマンを求めてみたんだ、でも結果的にガキどもの声がやたら骨髄に響く勢いでうるさく浸透してはい深夜に、眠れないので、ふわふわする、モルヒネじゃないのに麻薬かよ、ロキソプロフェンこえーよー。

 

 それは装置です、球に穴をあける姓で僕らは天蓋なんてものを信じているから天球儀なんつう愉快な代物は自分の眼球をのぞき込むようなもんさ。鵜九は考えなしに信望したがる。どこにも何もないの知っているのだが、それは俺の頭がむなしいことに空、だからなのでこの外聞に失望されるいわれはないああかわいそうな麻薬中毒者、いつだって三面記事にされる、ああかわいそうに、私怨よりよほどまともに生きているよ、世の麻薬中毒者たち、もちろん私怨を抱いた者共は別だが、それは押韻の不備のように響く、まるで淫乱な司祭たちのようだ、耐え難い。可能性を探しているというのだが見つかりそうにないものを見るのが趣味なんだろう、書店でもいつも膝蓋骨骨折の棚ばかり、嘘だろ、人間に膝蓋骨がなくなってもう四半世紀、まあ嘘です、新元号万歳!


 死の語られる方式に何の変りもなくあこがれだけが支配しており、一人歩き、静寂な、夜の、プラネタリウムだねまるで、それは見上げた天球でした、はい、南中しているものが何かなんて知りません、夏休みの宿題が死ぬほど面倒でやってないいややった、だって叱責される方が民度低くて面倒な小中学校のクズ、だからさあ聞いてる、はい、とえ、だれ、ああ、秋雨が答えて、まるでプラネタリウムだね、ああアクアリウム、だね、それともなにか、ストロンチウムの炎色反応かなああだるいんだよ、プラネタリウム、水族館の、会議室で自習室にして貸し出されてたやつでよく作って遊んでたけれど、誰も天文学的事象について述べないで延々神話の解説してそれが南半球の竜骨座、とか、へびつかい座、というかこれは南半球なん? で紅海航路ですよ、ロマンスですね、僕はもう休学していて、僕こと鵜九はいまは卒業論文なんかもかけそうになくどうせ史学科的なことに関係ないんで好きなだけ世界史Bの資料集で萌えられます、マルクス・アウレリウス・アントニウスとか、ハドリアヌスとか、カルケドン公会議とか、プラハの春、とかの固有名詞ではい僕は私は俺は頭が悪い虫がすくってるからこのざまででも悪い虫はさあ、初めから人類悪。なので。ね。

タピオカじゃないかパールミルクらて?? をすすりながら秋雨は言うわけです、「プラネタリウムって、思ったよりだるいよね、この前豊島区で見たんだけど」僕はこの季節が夏だからもう死んでもいいと思ったんだ、秋雨のこの言葉のゆえに。もしくはこの言葉に首をかけて。

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思ったよりだるい 韮崎旭 @nakaimaizumi

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