散歩と水
折り合いさん
散歩と水
忙しい日々を過ごしていると、いつの間にか季節が変わるから、僕は散歩をよくする。
寮から郵便局までの約20分、往復40分の道のりを歩く。毎回、散歩に出かけるたびに外の景色はいつも違う表情をしている。たまに深く息を吸って空気を味わう。何にも味もしないし匂いもしない。でも、生きる力をもらっている気がする。
何かと忙しい学生生活は、早送りしているように時間が過ぎ去り、季節を肌で感じなくなると思い、休日の一時間を使って運動とアイデアを考えるのと息抜きを散歩をする。
近くには自然や、人の営みを感じれるものがある。緑色が赤色に変わり、やがて朽ち果てていく。子供たちが輝く汗をかきながら遊んでいたり、いくつになっても人で寄り添いながら歩いている人たちなどがいる。そんなものを見ていると、自然や人、いろんなものが生きて、それぞれの役割を果たしている。その上で自分が今日も生きていられると思う。
雨が降っている。今日はどうしても郵便局に行かないといけない用事がある。ゆっくり支度をした。
葉やアスファルト、土に雨が落ちて、たくさんの音を奏でている。そこに僕が傘をさし靴を履いて歩き、その音たちの中に紛れ込んで歩き音を奏でた。
車が走っている。勢いのいい車は水を弾きながら、周りの小さな雨音をかき消す音を出している。そんな中、僕は電話をしながら歩いた。祖母と話していると一台の車が音を立てながら横切った。
「なんの音?トイレ?」
祖母が電話越しに聞こえた車が水を弾く音はトイレが流れる音に聞こえたらしい。その言葉を聞いて僕は雨の中、笑った。
たまにこんなことを思う。
水って人間みたいだ
人間はこの世に肉体を持ち、魂の成長をするためにこの世に生まれ、それぞれの使命を果たすために毎日を必死に生きている。そしていつかは肉体から抜け出して魂だけになり本来の世界、あの世へと還る。この世での修行ができると再びこの世に肉体を持ち生まれていく。この繰り返し、すなわち『転生輪廻』をする。
水も似ていると思う。雨として地上に降ってきて地上の人間や生き物たち、たくさんのものの役に立つために水になって使命を果たす。時が過ぎ水は水蒸気となって、元いた世界、上空に帰っていく。雲という霊界で生活し、地上に来る必要になったとき再び雨となって降り注ぐ。それが人間の転生輪廻に似ていると思った。
人間も水も植物も全てのものを神様が想い一つで作られたものである。そんな思いにしてくれる散歩は本当に素晴らしいものだと思う。
今度の休みも散歩に行こう。
散歩と水 折り合いさん @Nisenaoki7979
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