第26話 執筆者の感想①西井ゆんさん

 西井さんから感想をいただきました。

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 1.自分の書いた部分の感想(良かったところ、悪かったところ)


 私が執筆した部分は基本的には物語の『つなぎ』の部分でしたので特別忙しいことはなかったです。リレー小説という物語を前に進めなければいけない——という特徴的な形式の中、キャラクター描写に対する少なさが(当然なことなのですが)目立っていました。そこで私は、得意分野でもある好きなようにキャラクターを動かし語らせ、世間話や細かい背景描写を入れることで物語の奥行きを演出する——それが、自分の仕事だと捉えていました。


 その部分で言うのであれば最終的にまさかメインヒロインになるとは毛ほども思っていなかった『フラン』のキャラデザを担当することになったのは、結果的に言えばとても光栄なことでした。あのキャラクターの源泉は私の作品のヒロインから持ってきているので、物語が進んで生き生きと動く様を人ごとのように見るのは、どこか落ち着かない反面、とても新鮮で楽しい経験でした。


 しかし、その部分での反省を言うのであれば、最終的に二面性、二重人格設定は余計だったのかなと思います。最初の部分wazzさんからある程度のキャラクター指定があったのを無視する形になってしまったことも含め反省で、話を余計に広げてしまう結果になってしまったと思ってます。


 また、2回目に担当した所長お父さんとの会話の描写については、ありがたいことにまた動きのない描写でしたのでまたキャラクターに対する重みと可愛げを付与する文章を意識して書きました。設定を語らなければいけない場面でしたのでみなさんの執筆したものをプラウザが固まってしまうほどに読み込んだ記憶があります。


 その中で自分なりの答えを見つけ、判断し、描いて、最後できる限り新しく入ってくる蜜柑桜さんの負担にならないような描写を展開するように努めました。


 しかし、またその部分での反省を述べるなら少し話に終始しすぎたかなとも思います。もう少し展開を前に進めれば、ゆうすけさんが三回執筆する必要もなかったのかと思うと結構責任を感じてしまいます。。。


 2.他の執筆者の書いた部分の感想


 全体的に感想を言いたい人はたくさんいるのですが、しかしやはり三回担当なさった薮坂さんと古川さん、ゆうすけさんには色々お世話になりまくったな、と感じてます。まあ、話を広げた張本人たちなので自業自得と言ってしまえばその通りなのですが(SFなんて聞いてなかった)それでもここまで広がった話を、しっかりと観れるものに、感動できるものに、高クオリティに昇華したのは、きっと彼ら彼女らがいたからだと思います。素晴らしい動きの描写と展開力だったと、一人の作家として尊敬し、しびれ、憧れました。


 また、悲しくも僕の後ろになってしまった蜜柑桜さんについては、まさか飛び入り参戦とは思えない設定の理解度の高さで、その分読者としても真剣にアフィシオンに登場していただけたのだなとなんだか感動してしまいました。もちろん文章力も高く、完全にその色をリレー小説に溶け込ませていて、能力高いなぁ、と読んでいて思わずつぶやいてしまいました。


 最後にwazzさんについては、正直何度となく無茶振りをされバトンを受け取った時には思わず『いやいやいやいや』と、ドトールで結構大きめな声を出したものでした。しかし、それでもよく読み込んでみると、そのパスも丁寧に構想が敷かれていて、割とキャラクターの像が固まっていることがわかり、その優しさが強く伝わってきました。


 また、これを機会に何個か小説を拝見させていただいたところ、どうやらwazzさんも僕同様、自分の型と形を持って執筆している人で、そしてキャラクターの心理描写に長けている人であるとわかったので、そうして読めばより一層そのキャラたちの理解が進んで言って、とても気持ちよく物語を進めることができました。


 3.全体の感想


 こんな才能ある方々と筆を共にすることができたのは正直、今までの経験上初めてのことでした。ドキドキと不安を毎日のように抱えながら、しかしそれ以上の楽しさ毎時間感じ、そして最後、その全てを共有することができるこんな喜びは、きっとなかなかに味わうことができない世界なのでしょう。

 一人の人間としてこうした時間を体験することができたのはとてもありがたいことです。


 改めて、御誘いいただきありがとうございました。ぜひまた次回機会があれば、また、私目の力がご入用とあらば、是非とも参加させていただきたいと思います。


(P.S.次は日常モノとか恋愛モノとかやりません?)


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 西井さんと言えばやはりフランの二面キャラですよね。最後がっちりヒロインポジションを確保していましたし。あと含蓄まみれのツルゲネフのセリフ。あれがなければラス前の展開はありませんでした。


 お疲れさまでした!



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