1.
「悟、昨日図書室行った?」
翌朝、後ろの席の響也が教室に入るなり尋ねてきた。
「え、ああ。行った」
「何してたんだよ、三班は当番じゃないだろ」
彼は図書室を掃除すべき場所としか見ていないらしい。
「別に。勉強だよ、勉強」
「嫌味かお前。しなくてもいつもいい点のくせに」
そう言ってグーの手を肩に押しつけてくる。
響也は口は悪いが、いつもカラッとしていて話しやすい。だからつい
「植物図鑑を見てたんだよ」
と答えてしまった。
「え、え、なんで?」
「なんとなく」
「なんとなくで植物図鑑んん?わっかんねえな~~おれわっかんねえわ~~」
そう言いながら彼は学校指定の鞄を片付けるため教室の後ろへ行ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます