“いつも通り”
私が死んだら
あなたは悲しんでくれますか?
私が死んだら
世界は何かが変わりますか?
私が死んでも
何も変わらない
何も無かったように
ただ“いつも通り”の平凡な日常が
繰り返されるだけ
虚しさを感じる程に。
私が死んでも
いつも通り
私が死んでも
“1人”が死んだだけ
70億分の1
もしかしたら
1億分の1
頑張ったら
20万分の1
ただ、それだけ。
その数字だけ見たら
決して大きな数字ではない
「理由なんて何でもいい」と
誰かが言った
「“死んだ”という事実があるから理由に納得するのだ」と
「みんな辛いのよ」と
誰かが言った
「みんなが辛かったら私の辛さはゼロになるのか」
私は首に縄をかける
昨日読んだ小説のように
ただ現実から逃れたくて
「死にたい」と喚くことなど
誰にでもできる
だからこそ誰も信じてはくれない
信じなかったけれど
亡骸を見て
「本気だったのか」と知った頃には
時すでに遅し
みんなみたいに
手首を切れたら良いけれど
痛いのも周りを汚すのも
嫌だからね
「キャパシティは人それぞれ」
だと誰かが言った
かつて私が愛したあなたもそう言った
そんなあなたの想い人さえもそう言った
ならば私なんて最初から要らなかった
そう思うと
命を永らえていることが
先生の言ったように
「
食物が喉を通らなくなるのです
戻したことは無いけれど
日に日に食が細くなっていくのです
それを見たあなたは心配してくれますか?
本気だったと分かってくれますか?
ほんの一欠片の希望が起こした
絶望の渦は
もはや誰にも止めることはできなくて
同情でも良い
良心の呵責に耐えられなくなったから
それでもいい
理由なんてどうだっていい
例え上げて落とされたとしたって
と今は言えるけれど
でもあなたが
良心の呵責に耐えきれなくなるほどには
私に近づいてこないのだと
知っている
そうしてあなたは私から離れていく
その頃に気づいても
もう遅いと言うのに
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