20代の建設会社社員、高校に通う

園藤 雅也

20歳の俺、高校生になる。

俺は、ごく普通の20ハタチの成人男性。

周りと違うのは、俺が高校生ってだけだ。

元々、俺は中学時代は成績は学年一位で生徒会長を務め、高校は有名進学校に通う・・・予定だった。

だが、不慮の事故で親父を亡くし、妹や弟が居る中、母親のパートだけでは食わせて行く事が難しく、俺は高校に進学するのを諦め、卒業した後すぐに、建設会社に働き始めた。

俺が定時制高校に入学するきっかけになったのは、俺が成人を迎え、成人式を終えた後に会社の社長がお祝いに定時制高校に通わせてあげると言われたからだ。

最初は抵抗があったが、高卒だと給料が更に上げられるという事で、俺は高校に通うと決断した。

おまけに、定時制だと学校は夜から始まるから、昼間は仕事をする事だって出来る。

つまり、仕事と学校の両立ができる訳だ。

とまぁ、俺は入学して驚いた。

俺よりも歳下の連中が居ることには驚かなかったが、なんと俺より歳上の人もいた事には驚いた。

昼間は仕事をしながら夜は学校に通うと言う生活を送るわけになったのだが、俺の通う高校では免許を持ってたら自動車通学も大丈夫なとこだったので俺は仕事が終わった後、自分の持っている軽自動車を運転手して、作業着のまま登校している。

不思議な事に、俺の前に入った先輩方は夕方なのに皆おはようって、挨拶を返しているのを見た。

そして、最初に食堂に行き、出来合いのものではなくおばちゃん達が作った給食を食べて、そのまま教室に向かうのだ。

その後、ホームルームが始まり授業が始まるのだが、大体皆自由にしてる。

俺は、真面目に授業を受けてはいたが、周りは携帯弄ってたり、中抜けする奴がいたりして内心凄いイライラしてたが、それも後から慣れた。

そして、学校祭やら宿泊研修やら色々あり、一年が終わった。

その時、俺は21歳になってた。

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