S14 萩野秋伍の昔語り 8月19日
************
まつりの火花は儚くも美しく
囃子の音にたどり着けば時の定めの真実にたどり着くだろう
そう、
目に見えることこそが時というわけではないのだ
************
――朱鷺森市 朱鷺森病院 PM13:00――
桔梗 「失礼します……。秋夜さん、御見舞に来ました。これ常温だとダメになるので冷蔵庫に入れておきますね」
▶桔梗はテキパキとぶどうを備え付けの小さい冷蔵庫に入れます
秋夜「ああ、すまんな。そんなほぼ毎日来なくてもいいんだけどな」
桔梗「みんなそれだけ心配してるんですよ。早く元気になってくださいね」
秋夜「そうか。代わりといってはあれだけど、午後から仮退院で外出れるんだ。俺と一緒にお祭り見に行かないか?一人だとちょっと暇でさ」
桔梗「……!えっと、私でいいんでしょうか?」
秋夜「ああ。――やっぱ俺とじゃダメか?うーんどうすっかなぁ。やっぱ一人で行くか……?」
桔梗「あっいや!そんなことないです!!むしろ秋夜さんと一緒がいいです!!!」
秋夜「そうか。これから外に出る準備するから、これでも読んどいてくれよ」
桔梗「何かお手伝いできることあれば声かけてくださいね。――えっとこの本は?」
▶桔梗 本知識
成功
▶『燈籠流しの舞 納涼の商店街夏の大安売りの歴史』というタイトルです。今日のイベントの歴史について書かれたパンフレットで、それなりに読みやすい本ですね
秋夜「今夜のイベントのパンフレットだよ。看護師さんがくれたんだ。行こうと思ってるのはそこだよ」
桔梗「大安売りの歴史……?面白い宣伝のしかたですね。メインはこの灯篭流しの舞かな」
▶桔梗 歴史知識
成功
▶本をよくよく読んでみると、どうやら40年程前に四季華族の榎屋氏が始めたものらしい。愛娘が帰ってくるよう、灯籠に祈願するお祭りとのこと
桔梗「娘が返ってくるように祈願……。何か悲しいことがあったんですね……」
秋夜「なんか娘が急に行方不明になったらしいぞ。――よし、着替えるから一旦出てくれると嬉しいんだけど……」
桔梗「行方不明ですか……。あっごめんなさい!外で待っていますね」
――朱鷺森市 椿邸:地下入り口 PM13:00――
もみじ「さて、一応警察っていう口実も作れたことだし、調査しますか」
彼岸「私が指名で、ということはまた悪鬼絡みでしょうか?」
皐月「いいや?一応私の持ち物じゃないから、警察の権力に縋ろうと思って」
彼岸「――――――いやまあ、もみじさんの指示ですから嫌とは言いませんが……。何かあるんですか?」
もみじ「椿の家でも滅多に近づかない地下の私有地に行こうっていうんだから、犯罪案件するかもじゃない?人質にしようかと」
彼岸「――ああ成程、私が帰って来なかったら犯罪に巻き込まれたのが確定するわけで……。カナリア扱いですか……」
皐月「そういうこと。精々延々囀れるように調査してちょうだい。私たちは後ろで見ておくから」
▶彼岸 捜査
成功
▶地下をどんどん進んでいくと、周りは薄暗く奥に桜の紋様が入った扉がぽつんとありました。左右の壁にはぎっしりと本が詰められています
彼岸「――本が沢山ありますね。この扉も気になりますし」
もみじ「ほーん。読書は任せてその扉でも開けてくれない?」
彼岸「何かあったら骨は拾ってくださいね……。――――開かないですね」
皐月「は?役に立たないわね……」
▶彼岸 剛力
失敗
▶物凄く力を込めましたが、開きませんでした。
彼岸「んぎぎぎぎぎ………、駄目ですね。鍵かかってるんじゃないですかねこれ」
もみじ「鍵なんてないじゃない……。力だけが取り柄なのにどうすんのよこれ」
彼岸「いいですかもみじさん……、事実でも言っていいことと言われたら泣くことがあるんですよ……?」
皐月「まあまあ。でもその桜の紋様見たことあるわね……。ちょっと四季辺りに聞いてきてちょうだいよ」
もみじ「私は嘘はつけない主義なの。私たちはここで本を頭に詰め込んどくから、頼んだわよ」
彼岸 「……えー、それじゃあ聞いてきますねー」
皐月「いてらー」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM13:00――
夏水「ふぅ……。今日はマスターは用事があるとかでいないぞ」
このは「いえ、今日は奉さんに会いに……。あれ、どこにいるんでしょう」
奉「ああごめんなさい……。もみじさんがいないので忙しくって。ごめんねー」
このは「いえいえ~、忙しいんじゃしょうがないです。なんなら何かお手伝いしましょうか?」
奉「ううん、もうちょっとで終わるから待っててー」
夏水「いいや、冬泉はもう休憩だ。邪魔だから遊んどけ」
奉「このはちゃん聞いて聞いて!先生が今日デートしてくれるって!」
このは「今日!?よかったですね~おめでとうございます」
奉「うんうん!そうなの!でねでね、このはちゃんに一緒にどの浴衣がいいか選んでもらおうかなって!年下だけど進んでるし……!」
このは「え、えぇ?このはがですか?そんな、進んでるって言ったってそんな……」
奉「またまた……、騙されないよ!浴衣、選んでもらうからね!」
このは「なにを騙すっていうんですか~!選ぶのはいいですけど、期待しすぎないでくださいね?」
奉「今日の成功はこのはちゃんにかかってるのだ!!な~んて。怜さん後はよろしくお願いしますね!」
夏水「はいはい。あーあーいいよなぁ……。俺は一人バイトかぁ……あー……」
――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:居住空間 PM13:00――
桃風香「四季ちゃんどこに居るんだろうー?」
四季「あら。北森さん、いらっしゃい。私にあてがわれた部屋はこっちよ」
桃風香「あ、こんにちは!じゃあおじゃましまーす!」
四季「ちょうどいいところに来たわね。今日は萩野名家の家宝を見せてあげるわ」
北森「おお!家宝?見たい見たい!」
四季「私達のことは四季華族って言われてるのは知ってる?四季に因んで4つ家があるんだけど、それぞれの直系にはそれぞれ共鳴するペンダントが残っているのよ。私のはこれね」
▶四季は紅葉のペンダントを見せるよ。紅葉をガラスのような素材で作られたものですね
桃風香「紅葉の形してるんだ!ボクこんなの初めてみたよ、すっごーい!」
四季「北森さんは見たことなかったのね。これはお互いの継承者が近づいたら共鳴して光るようになってるの。不思議よね」
桃風香「光るの!?」
四季「ほら、光ってるでしょ?」
桃風香「おおー!じゃあその継承者?って人が近くに居るんだね!」
四季「そうね。多分、やっぱり卯月がどっかにいると思うのよ。4日くらい前から急に光りだしたし。あっ、卯月ってのは椿の家の直系の娘ね」
桃風香「卯月ちゃん!四季ちゃんが探してた子だよね、確か」
四季「そう。ほわほわしてて何考えてるかわからないからどっかにいるはずなのよ。一緒に探してくれない?」
桃風香「うん、良いよ!手がかりとかある?捜査する時は手がかりが大事って師匠が言ってたんだ!」
四季「そうねえ……私と同じくらいの年齢で目が薄桃色なのよ。瞳だけでも目立つから見たならすぐわかると思うわ」
桃風香「うんうん、じゃあ目を見ていけばいいんだ!今から行く?」
四季「取り敢えず椿の家かしら。ペンダント見ればすぐわかるだろうから」
桃風香「じゃあ行こっ!」
▶桃風香は手を繋いで四季を引っ張っていきますね
――朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM13:00――
秋伍「おう。孫の女か。暇なら設営を手伝ってはくれんかね」
ことり「あっはい、いいですけど……。お祭りのですか?」
秋伍「そうだ。今日は燈籠流しってのがあってな。俺の青春だったお祭りだ」
ことり「へー、青春ですか」
秋伍「弥生って女がいてな……。ああ、今いる餓鬼じゃないぞ。もう40年は前のことだ。――それはそれは綺麗だったんだ。そいつが急に姿を消した。それがこの日なんだわ。孫にも同じ目にはあってほしくはないものだな。長話は歳取るとついやってしまうから悪い癖だな。――テントの設営を頼む」
ことり「へえ……。あっはいテントですねわかりました」
――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:境内 PM13:20――
ことり「そういえば秋伍さん。さっきの話なんですけど、もう少し聞かせてもらってもいいですか」
秋伍「ああ。そうだなぁ。子供に聞かせるようなものでもないんだが……」
秋伍「当時の俺は弥生という椿の女にぞっこんだった。それこそあいつしか目に入らないくらいだ。だがな、そんな美女には恋敵がたくさんいてな」
秋伍「それでもお見合いにこぎつけることまではできたのだ。ただし、集団だったがな。――――その時いたのが榎屋の野郎に柊の野郎だったんだ」
ことり「おお、聞き覚えのある名前が」
秋伍「そうだろう。それこそが四季華族の所以だからのう。弥生は結婚するのにある条件を施した。『私は未来を知っている。未来の為にお宝を地下に隠した。取れたものと結婚しよう』なんて言ってな……」
秋伍「俺は必死で探したさ。そして、その扉がここにあるのを知って、俺は……、クニシヒノタマに願ったのだ」
秋伍「そうしてできたのがここの神社。俺は神主になって、クニシヒノタマを祀って……、いざ報告する前に弥生は失踪した。それが今日だ」
ことり「なるほど……」
秋伍「今日は絶対なにかある。そんな予感が頭から消えんのだ。まるで今日の為に生きてきたようにな……。孫の女よ、お小遣いをやろう。孫と楽しんでくるんだぞ」
▶秋伍は3万円をことりに押し付けるように渡します
ことり「えっいいんですかこんなに!」
秋伍「ああ。老後に金は余るだけだからな。使えるものが使うといい。設営助かった。――またおいで」
ことり「ありがとうございます!楽しんできます!」
――朱鷺森市 椿邸:玄関 PM13:20――
四季「ついたわよ。怪しいのはやっぱり地下よね。前は使用人に阻まれて……。ぐぐぐぐぐ」
桃風香「ここが卯月ちゃんの家なんだ!――入り口の所には居ないみたいだね……。入っちゃおっか?」
四季「ええ。そのために来たんだから」
――朱鷺森市 椿邸:地下 PM13:20――
もみじ「あら?桃風香ちゃんじゃない。何しにここに?」
桃風香「あ、師匠ー!」
四季「ご無沙汰しています」
桃風香「卯月ちゃん一緒に探してるんだ!」
皐月「ねえ、いいタイミングなんじゃない?ちょうどペンダント持ってそうな人間がネギもって来たわよ。こっちの四季だけど」
もみじ「そうね。卯月ちゃんはこの奥にいるかもしれないわ。四季ちゃん……、開けてくれないかしら?」
四季「まあ、いいわ」
▶北森 文化知識[フラット]
成功
四季「これは四季華族にしか開けれない四季の紋様ね。ペンダントをかざさないと開けれないらしいわ。やったことないから本当かどうかわかんないけどね」
桃風香「おぉー!四季ちゃん凄い!」
▶桃風香は四季の肩を持ってピョンピョン跳ねる
皐月「バルス!なんてね」
▶四季が紅葉のペンダントをかざすと、扉がジリジリと開いていきます。部屋の奥に茶髪の少女が倒れてますね
四季「……卯月!?」
皐月「――――んんん???き、気の所為気の所為……」
桃風香「倒れてる!大丈夫ー?」
もみじ「取り敢えず衰弱してるかもしれないから、うちの喫茶店につれていきましょう。桃風香ちゃんと四季、ちゃん……もおいで」
卯月「うぅ……」
桃風香「こっちだよー!」
四季「え、ええ……」
▶もみじ達は卯月を俵のように担ぐと屋敷を後にしました
――朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM13:20――
奉「やっぱりお祭り直前に浴衣を買いに行くのは失敗だったかなぁ。人多いなぁ」
このは「やっぱり同じこと考える人は多いんでしょうね~。はやく選ばないといいのなくなっちゃうかもしれません」
奉「そうだね……。先生がね、昨日珍しく電話をかけてきてね、明日は浴衣で燈籠流しを見に行かないか?なんて男らしくデートに誘ってきたの!もうそれだけで私はキューンってしちゃって」
このは「先生から誘ってきたんですか!?――いいなぁ」
奉「そうなのー!夜は僕の傍から離れないでくれよみたいに口説いてきたの!やっとその気になった!……って私嬉しくって」
このは「それは……、尚のことかわいくしなくちゃですね~。うう、重役です……」
奉「そうだよ!せきにんじゅーだいってやつだよ!可愛いの選んでね」
――朱鷺森市 朱鷺森商店街:四季探偵事務所 PM13:20――
彼岸「すみませーん。鏡崎彼岸ですー。四季さんいらっしゃいますかー?」
▶彼岸は事務所のドアをノックします。しばらくすると四季が姿を見せますね
四季「ようこそ四季探偵事務所へ。何か御用ですか?」
彼岸「ええっと、すみませんね。現在もみじさんと皐月さんと一緒に椿屋敷の地下を調査中でして。扉があったのですが開け方を知らないかなぁ、と」
四季「そう……、ですか。それは多分、四季華族の継承者にしか開けれない扉のことですね。――――どちらの扉ですか?」
彼岸 「……どちら?複数あるんですか?」
四季「ええ。父の話では4箇所あって、それぞれの四季華族が扉を守ってると」
彼岸「――全部一緒の紋様なんですか?」
四季「いえ、桜、向日葵、紅葉、柊の4種類あります。どうやら4つ全部必要な扉もあるらしいですが……、私は見たことないですね」
彼岸「……桜の紋様ですね」
四季「椿さんのところですか。それならペンダントがお屋敷においてあると思うので、取りに行けばいいと思いますよ」
彼岸「ペンダント、ですか。――モノがどういったものかが分からないので一応、ご同行願えますか?」
四季「すいません……私は燈籠流しのイベントでここを離れられないんです。桜の紋様ですから、すぐにわかると思いますよ」
彼岸 「――――頑張って探してみます……。どのあたりに置いてあるとか分かりますか?」
四季「そこまでは……。お役に立てず、申し訳ありません」
彼岸「――誰か知ってそうな人とかは……」
四季「すいません……」
彼岸「桜の紋様のペンダント、ですね……。頑張ります……」
▶とぼとぼと事務所を後にするよ
――朱鷺森市 朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM13:20――
桔梗「思っていたより、人が多いですね。油断したらはぐれちゃいそうです」
秋夜「ふぅ……。ちょっと早く来すぎたのかもしれないな。まだ大半が準備中だ」
花恋「秋夜、こんなところで何してるの?」
桔梗「あっ、花恋さん。花恋さんも今日のイベントに?」
花恋「ええ。今日のイベントに舞を踊るために来たんだけど……。ことりとならともかく、桔梗ちゃんと来るんだぁ……。へぇ……」
秋夜「いや、そのほぼ毎日御見舞にくるからそのお礼というかなんというかでな……、決して他意などはなくってな……」
桔梗「えーっと、そう、らしいです。はい……」
花恋「毎日、ねぇ………………ふーーーーーーーん?」
秋夜「う、うぅ……。き、桔梗ちゃん!の、喉乾いてない?喫茶店でもい、いかない?」
桔梗 「えっ!あっはい! そうですね!すみません花恋さん」
花恋「ふーーーーーーーん…………」
――朱鷺森市 朱鷺森病院 PM13:40――
看護師「あら、彼氏くんならさっき女の子と商店街に行ったわよ?」
ことり「えっ……。――えっ、本当ですか」
看護師「ええ。こっそり聞いてた感じだと、代わりに、外出れるから、俺と一緒に見に行かないか?――って誘ってたわよ」
ことり「代わり……。――ありがとうございます……」
看護師「愛想つかされちゃったたのかもねー。実力で取り戻さなきゃね」
ことり「はい……。頑張ります……」
看護師「がんばれー」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM13:40――
夏水「いらっしゃいませ。――ってマスターかよ。言って損したわ」
桃風香「喫茶店着いた!!夏水さんだー!」
▶桃風香はタックルするように夏水に抱きつくよ。夏水は担がれてる卯月を見て怪訝そうな顔をします
夏水「おう。いつも元気だな。ってまあたロリを連れ込んだんですか……」
もみじ「うるさいわね……。故意じゃないわよ。取り敢えず寝かせる場所用意してちょうだい」
四季「卯月……」
桃風香「卯月ちゃん怪我してるの?」
皐月「見た感じだけど空腹と脱水症状による衰弱に見えるわ。4日くらい飲まず食わずだったんじゃないかしら」
桃風香「じゃあ何か食べ物作ってあげた方が良いよね!ボク厨房行ってくる!」
▶北森 自炊
成功
▶お粥を作ったよ
桃風香「卯月ちゃん起きてるー?」
四季「ぐったりしてるのくらい見ればわかるでしょ……。私が看病しておくから、もみじさんと一緒にお祭りいってらっしゃいな」
桃風香「そうなんだー、じゃあおかゆ作っておいたからここに置いてくね!」
皐月「私も見てるから、楽しんでいらっしゃい。――――もみじ、頑張ってくるのよ」
もみじ「ええ……」
桃風香「師匠!お祭り行こう!」
もみじ「そうね……」
――朱鷺森市 椿邸 PM13:40――
メイド「あら、椿の家に何か御用ですか?」
彼岸「えー……、あー……。その、もみじさんからの依頼で家探しに来ました……?」
メイド「もみじ様と皐月様でしたら商店街に彼岸さんを迎えに行くと連絡がありましたよ?」
彼岸 「――――なんで直に連絡を入れな……!ああもう、怒っても仕方ないですね……」
▶彼岸は爪を噛みながら後ろ髪をくるくると回します
メイド「はしたないですよ。いいご身分なんですから、対外的なご姿も気にしたほうがいいと思いますよ」
彼岸「対外的、ですか。――私に外面を気にする余裕があればいいんですけどね」
彼岸「……伝言、ありがとうございました。商店街に向かってみることにします。桜の紋様のペンダント探している暇も無さそうですからね……」
――朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM13:40――
奉「LINE来て、先生そろそろ来るんだって!早く見つけなきゃ……!」
▶秋月 ファッション力
失敗
▶少しダサい系の浴衣を見繕ったよ!
このは「こんなのとか、どうでしょう……?」
奉「えっ!?う、うーん……。か、可愛いね!このはちゃんが選んだものだしこ、これにするよ!!」
このは「も、もう少し自分の意見も持ってください~!」
奉「ううん……!百戦錬磨のこのはちゃんが選んだものなら間違いないはずだよ!!私、その場で着替えてこ、これで先生に会いに行ってくるね!!このはちゃん付き合ってくれてありがと!」
このは「百戦錬磨なわけないじゃないですか~!間違うことだって絶対あります!はぁ……、いい報告待ってますね……」
――朱鷺森市 朱鷺森商店街:カフェ「黄金の夢」 PM13:40――
秋夜「ふぅ……。ああなった花恋はなにやっても怒るんだよ……。どうすればいいんだ……」
桔梗「あー……、それは多分私のせいだと思います。私だって同じ状況だったら……、いやなんでもないです」
秋夜「そ、そうなのか……?女の子は難しいんだな」
桔梗「そんなに難しくないですよ。むしろ、単純だと思います。秋夜さん何頼みますか?」
秋夜「どうすっかなぁ。桔梗さんと一緒なら何でもいいんだけどな」
桔梗「じゃあ好きなの頼みますね。コーヒーフロート二つお願いします」
――朱鷺森市 朱鷺森湖 PM14:00――
このは「それにしても、今日に限ってゆーが君と遊べないだなんて……、残念です。いいなぁ奉さん」
▶秋月 正気度判定
成功
▶このはが物憂げに湖の湖面を見つめていると、風も強くないのに波風が立ちます。そのうち、無数の小さい緑の妖怪が飛び出てくるのを目撃します。そのまま気持ち悪い羽音を立てて、色んな場所に飛んでいきます。まるでそれは、腐肉にたかる蝿のようで、心の底から刻みつけられるような恐怖を感じますね
このは「な、なんですか……、これ……」
このは「――はっ。伝え、ないと……。もみじさんでしょうか、探さないと……」
――朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM14:00――
凛空「ふう……。そろそろメインイベントの時間ですよ……!私はこれを楽しみに来たんです」
桃風香「あ、凛空ちゃんも来てたんだー!」
凛空「ああ桃風香さんでしたか。今日はことりさんが情熱的なキスをする日なんですよ」
桃風香「おおー!誰とするのー誰とするのー?」
凛空「ことりお姉さんと秋夜お兄さんですよ!楽しみにしてるんです!」
桃風香「じゃあじゃあ、ボクも一緒に見てもいい?」
凛空「ええ!一緒に見ましょう!」
▶北森 地図
成功
▶特等席に座れたよ
桃風香「ここどうかな?見晴らし良いし、じっくり見れそう!」
凛空「いいですね。ここは花恋さんがよく見える位置ですから。花恋さんの目の前にことりお姉さんは前に出てくれると思います」
秋夜「はぁ……。そろそろ舞の時間か。ゆっくりしすぎたかな」
桔梗「あの、その私人混みに慣れてなくて……。そのはぐれそうなので、手を、繋いでもらえませんか?」
秋夜「ああ。桔梗さんも大人っぽく見えるけどそういえば年下だったな。ほら」
桔梗「……!ありがとうございます!」
▶桔梗は手を繋いだ勢いでそのままに腕に抱きつき、腕にもたれかかります。
秋夜「はぐれない程度にな……。て、照れるからそ、それなりくらいで……」
桔梗「いいじゃないですか、照れるくらいなんですし。それとも……やっぱり私じゃだめなんでしょうか?」
ことり「あっ秋夜くん。――――――と桔梗ちゃん」
秋夜「え……。う、嘘だろ……、俺すげえ浮気してるのバレたみたいなタイミングじゃん……。桔梗ちゃんも可愛いんだしあんまり男相手にそういうのしないほうが……な??」
桔梗「誰にだってするわけないじゃないですか。秋夜さんにだけですよ。綾瀬先輩も舞を見にきたんですか?」
秋夜「え、ええ……。なんでそう地雷を踏み抜くというか誤解をデッドヒートさせそうなことを……いやなんかめっちゃモテてるみたいでちょっと気分いいな。いやダメだろ」
ことり「いやー、秋夜君をお祭りに誘いに病院に行ったら?どうやらデートに行かれたようで、しかたなーーく私は一人でお祭りを楽しもうかなーって?」
秋夜「え?デ、デートってわけじゃなくって毎日御見舞に来てくれるからお礼というかなんというかですね……」
――朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM14:20――
▶花恋の灯籠流しの舞が始まる時間になりました
もみじ「ふぅ。あなた探偵事務所にいるんじゃなかったの?探したわよ」
彼岸「探偵事務所で桜の紋様のペンダントがいると聞いてお屋敷まで行ったんですよ……」
もみじ「はぁ……。入れ違いだったみたいね。仕方ないわ……こっちもたまたま中に入ることができて、中に女の子がいたから保護しに喫茶店に寄ったのよ」
彼岸「凄まじい入れ違いですね……。ところでその女の子は警察で保護した方がいいタイプでしょうか?」
もみじ「いえ、皐月曰くタイムトラベラーらしいわ。警察に引き渡したところで。でしょうね……。――――それと、戦闘準備を整えておくことね」
彼岸 「タイムトラベラー……。時間、私も超えられたらいいんですけどね」
もみじ「時間なんて超えたっていいことなんてないわ。――そろそろ、来るわよ」
彼岸「戦う度に少しずつ強くなれてる気はしますが……。行き着く果てが人の形をした化物、なんてオチはないですよね?」
もみじ「私が化物だと思うのなら、そのオチを信じてもいいわ。化物になるのは心の持ちようよ。力が原因じゃないわ」
彼岸 「――皆さんを守れるなら、私は化物でもいいですけどね」
もみじ「はぁ……。シリアスをやりたいなら今すぐ転勤することをオススメするわ。自己犠牲なんてゴミみたいな概念はいらないのよ。周囲の状況すら見えてないのに化物になりたいなんて言うものじゃないわ。化物っていうのわね……、ああいうのを指すのよ」
▶もみじがそうぼやいたのと同じタイミングで商店街に真っ赤な悪鬼が包み込まれ、一般人がバタバタと倒れだします。空をふと見上げると、無数に商店街に降り注いでくる緑の小さな化物が見えました。それが蝿のように身体に纏わりつき、全身にぞわぞわとした感触をもたらします。
▶彼岸 正気度判定
失敗[狂気表:幼児化]
▶あまりの気持ち悪さに彼岸は倒れ込みます
彼岸「ひっ……ひっ……ひはっ……ははははははは、はは……」
彼岸「夢……ふはっ……へへへ……。夢でしゅね……こんなの……うふっ……ふふふ……」
もみじ「はぁ……。ほら、飲みなさいな」
▶もみじ 気付け薬
もみじ「この程度で怯える程度じゃまだまだね……。口だけの女は嫌われるわよ」
彼岸 「ふふっ………ふはっ………はぁー………。――死にたい」
もみじ「はぁ……。そろそろ大ボスが出てくるでしょうし、そこで花恋の舞でも見てなさいな」
秋夜「ほ、ほら、釈明は後からするからま、まずは花恋の舞見ようぜ……。花火も少し上がるらしい……、から……。な……、なんだこれ」
▶ことりはむっとした顔をして、秋夜の反対側の腕にしがみつくように手を繋ぎます。それと同時に、花恋の舞の上空に夥しい数の緑色の怪物が、蚊柱のように空中を飛び回り、赤色の悪鬼の中に入っていきました。空間も急速に拡大し、一般人がバタバタと気絶していきますね
桔梗「むっ先輩まで……!まってください。あの化物達、それにあの方向って……」
ことり「えっ……?あっあれ!」
桃風香「凛空ちゃん、これって悪鬼だよねー?」
凛空「私には見えないですが……。普通の人はみんな倒れてますし、知り合いの方が目の色を変えてるのでそうじゃないんですか?メインイベントの為になんとかしてくださいよ桃風香さん」
桃風香「うん、じゃあ行ってくる!」
凛空「じゃあ、一旦逃げますか……。死にたくないなぁ……」
このは「大変なんです~!湖が目で緑がいっぱいで……って、こっちの方にも!?」
桔梗「秋夜さんはここに居るみんなと何処か安全な場所で待っててください。私……、いかなきゃ」
ことり「すぐ戻ってくるからちょっと待っててね!」
秋夜「あ、ああ……。そっちは自信持って約束するけど浮気疑惑の方も晴らしてくれよ……はぁ」
桔梗「ふふ、誘ってきたのは秋夜さんの方なのに。私は浮気なんてしない、一途な女ですから」
このは「いつもと少し違いますね……。気を付けていかないと」
秋夜「こええなあ……。さて、倒れた人を結界に入れるか……。結界書くところからだな……」
――過ぎ去りし時を求めて――
▶花恋の特設ステージの上、屋根の上に蚊柱のように緑の怪物がたかっています
▶彼岸 観察力
成功
▶秋月 観察力
成功
▶桔梗 早歌[其駒、其駒]
▶桃風香 時の鋭刃
23ダメージ
▶ことり コントローラー[早歌[朝倉、朝倉]]
計34ダメージ
彼岸「おや、皆さんお揃いで……」
このは「なにか、ないでしょうか。味方してくれそうなものは……」
桔梗「せっっかくのデートが……。さっさと終わらせる!」
桔梗「距離はある……なら! 相も変わらず 探してるよー♪」
桃風香「ここを弄って……、いっぱい居ても通せば問題ない!」
ことり「いや無理!私には無理!あれはちょっと生理的に……」
▶緑蚊柱 増殖(行動数追加。固定ダメージ3アップ)
▶緑蚊柱 増殖
▶緑蚊柱 サイクリングユスリカ(行動終了時快楽付与効果。軽減不可固定8ダメージ)
13ダメージ
[寿命(行動終了時、自分に軽減不可固定30ダメージ)]
30ダメージ
桔梗「鬱陶しい!」
彼岸「ぐっ……!?結構、刺されましたね……」
ことり「ギャー無理無理無理無理!!!」
桃風香「痛い!痛い!あっち行けー!」
このは「ひゃ~、ちっちゃいのがいっぱいです……うぅ……」
彼岸「とりあえずさっさと潰しますか……」
▶彼岸 通常攻撃
成功 14ダメージ
[快楽]
▶警棒から火が吹き出し、そのまま薙ぎ払うように一閃します
▶このは 高速回復薬 霧雨
[快楽]
▶桔梗 早歌[朝倉、朝倉]
計96ダメージ
[快楽]
▶桃風香 万能スプレー 時の鋭刃 このは
28ダメージ
[快楽]
彼岸 「とりあえずさっさと終わらせましょう!――う、や、この感覚は……、また……!?」
このは「『霧の雨全てのものを包みこみ貫く想いは力に変わる』少しでも削るなら……。こうでしょうか」
桔梗「私の歌……届け! ♪空に舞うシャボン玉~」
このは「はぅ、体が熱いです……。何をされたんでしょう」
桔梗「あ、んっ!この感じあの時の……、刺されたときに……」
桃風香「これ虫刺されに聞くと思うよ!たぶん!」
このは「本当!?もふかちゃんありがとうございます~!」
桃風香「ううん、いいよ~……!えへへ~ふふーん」
桃風香「消えろー!!」
彼岸「う、う、う、う、違う、負けない、負けない、今度こそ、ひぐっ、私は、ううっ……」
▶綾瀬 プリンターガン
11ダメージ
[快楽]
▶片足を上げて決めポーズを取りますが、いつもより顔を真っ赤にして少し震えていますね
ことり「ばきゅーん」
▶緑蚊柱 増殖
▶緑蚊柱 サイクリングユスリカ
16ダメージ
[寿命]
30ダメージ
桔梗「あぅ……」
ことり「はあーあ、これも全部秋夜くんが悪いんだー……」
桃風香「うぅ……。えへ……いた、いたいぃ……」
このは「少しは減ったと思ったんですが、まだこんなに……、いつっ」
彼岸「ひぐっ、ひっ、ひっ、ぐっ、ひぐっ……あっ……ああっ、うあああああああああっ……!?」
▶彼岸 行動放棄
▶秋月 転移石 通常攻撃
成功 29ダメージ
▶桔梗 万能スプレー 早歌[朝倉、朝倉]
計42ダメージ
秋月「ぎりぎり届く……!よし、いきますよ~!」
桔梗「~♪ キミの笑顔を すぐ隣みたいよー」
▶最後の1匹まで音の衝撃波で薙ぎ払うと、赤い悪鬼は急速に萎んでいき魔法陣で何事もなかったかのように元の場所に戻っていくよ。花恋の舞も仕切り直してこれから始まるようですね
――朱鷺森市 朱鷺森商店街 PM15:00――
彼岸「もっと……、もっと気持ちよく……。うふっ、うふふふ……」
▶彼岸は酔っ払ったかのように顔を真っ赤にして服もかなりはだけてますね
もみじ「おまわりさーん!痴女がいるので連行してもらえますかー!!!」
警察「毎年いるんですよ~お酒を飲みすぎて我を忘れる人が。ほら行くぞ」
彼岸「ううっ、ひぐっ、さわっ……うああっ!ふふっ、うあはあははああはああああ……」
▶涎や涙を落としながら彼岸は警察に引っ張られていきました
桔梗「はぁ、はぁ。もう虫はこりごり……」
秋夜「お、おつかれさん……。花恋が舞ってるから見ていくといい。再開してから実質2分も経ってないぞ」
このは「あれ?もう戻ってきたんですか」
桃風香「うー……。疲れた……何か頭もふわふわするー……」
凛空「大丈夫?顔赤いよ?」
このは「大丈夫ですか?もふかちゃん」
桃風香「んー……」
▶桃風香は顔を真っ赤にしてこのはにくっつきます。凛空は┐(´~`)┌ ヤレヤレってしています
このは「んなっ、あの!?ど、どうしたんですか?」
桃風香「わかんな~い……」
このは「ん、ふふ……くすぐったいです~。本当にどうしちゃったんですか?」
凛空「このはちゃんも甘い匂いがしていいけど、メインイベントはこれからですよ2人共」
▶このはも凛空にくっつきますね。凛空は┐(´д`)┌ヤレヤレってしています
桔梗「秋夜さん!――せっかくですけど私ちょっと疲れちゃったみたいで……」
秋夜「お、おう?大丈夫か?本当は俺が行くべきなのに任せて悪いな」
桔梗「大丈夫……、じゃないです。立つのもギリギリなので支えて……」
▶桔梗は秋夜にしなだれかかろうとします
ことり「――――秋夜くん!」
秋夜「やっべ……、ごまかせたと思ってたのに」
▶桔梗がしなだれかかるその前に、ことりは首に手をまわして、秋夜にキスをします
秋夜「だ、だから俺は浮気なんてしてないって……んっ!?」
桔梗「あっ……、そう……で、すよね……」
凛空「キャー……!!み、見てくださいよ桃風香さん!このはさん!!」
▶凛空は抱きついてきているこのはや桃風香の背中をバシバシ叩きます
このは「わ、こんなたくさん人がいる前で……すごい、です」
桃風香「……」
▶桃風香はとろんとした目で、花恋が一番見える特等席でキスをしてる秋夜の方を見ます
秋夜「――ことりちゃん?流石にこんな人前でキ、キスはちょっと……恥ずかしいといいますか……」
桔梗「私、帰りますね。今日は一日ありがとうございました。すごく、楽しかったです。あっ病室の冷蔵庫にプリン2つあるのでよかったら二人で食べておいてください。では……」
秋夜「お、おい?体は大丈夫なのか?」
桔梗「これくらい大丈夫ですッ!」
▶桔梗は走ってその場から逃げるように去っていきました
桃風香「――好きって、ああいう事なのかなぁ……」
このは「う、もふかちゃん?ちょっとくるし……、大丈夫ですか?」
桃風香「ごめん……。もうちょっとこうさせて……。ボクよくわかんないや……」
凛空「はわぁ…………」
このは「いいですよ~、落ち着くまでこうしていましょうか」
▶3人で寄り添うように抱き合ってます
ことり「はぁ……、はぁ……。えっと、ごめん……。私もちょっと席を外す……、ね。頭冷やしてくる……。また後で……」
秋夜「え……わ、わかった……。なんか修羅場の末両方にフラれたダメ男みたいでダメージでかいぞこれ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます