S09 七瀬もみじの時渡り 6月3日

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時間を操れるなら

そう思ったことは何度もあるんだけど、

実際そうなった時って

こんなにも困るものなのね

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――朱鷺森市 朱鷺森駅前:改札前 AM11:00――


花恋「結センパイに連絡を取ってみたのはいいけど……。キンチョーするなぁ」


結「やっほー」


花恋「ひゃう!? あー……結センパイじゃないですかぁ。びっくりさせないでくださいよ、もう」


結「ふふふー、緊張を解すのも何とやらって言うからねー」


花恋「はぁ……、本当にびっくりしたんですからね!――時間がないですし、道すがらお話しますね」


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 AM11:00――


もみじ「はいはーいみんな注目!!切れたナイフのような面倒くさそうな高校生捕まえてきたよ!彩音ちゃん……、お休みの日。ことりちゃん……、まだ病院……。棗くん……!いねえじゃねーか!!どうすっかなぁ」


桔梗「ちょっとひどくないですか?ちょっと実家が嫌になって飛び出してきたくらいじゃないですか! あっ桔梗ききょうといいます」


小菅沢「どうも、皆さん……とは今日は僕だけですが、僕は小菅沢礼緒と言います。よろしくお願いします。それで、もみじさん、もしかしなくてもこの方を……」


もみじ「この子はアクションゲームはさっぱりのトーシローだからあれよ。今日は私と一緒にお使いよお使い。礼緒くんも来る?」


桔梗「今までやってなかったからできるわけないじゃないですか……、と言うかお使いも初耳なんですけど」

小菅沢「はい、ご一緒させて頂きます。ちなみにどちらへ?」


もみじ「ふっふっふのふ……。言ってなかったからね!今日はアンティークショップで宝石の買い付けよ。礼緒くんはそこのトランク持ってね。重たいけど」


小菅沢「アハハ、もみじさん何を言ってるんですか、僕の事はよく知ってるでしょう!これくらいの荷物なんて、ヴッ」

桔梗 「はぁ……。荷物持ちも出来ない、目利きも出来ないような私を振り回してなにが楽しいのか理解に苦しみます。どうせ拒否しても連れて行かれるんでしょう?」


もみじ「その通りよ。そこの店主が可愛い子好きだからね。目新しい女を連れてけば値引きしてくれるのよ」


小菅沢「す、すみませんもみじさん……。何が入ってるんですかコレ……?」


もみじ「札束よ。マフィアっぽいでしょ?じゃあ行くわよ。閉店の札かけてね」


小菅沢「札束!?この重さ!?――二つの意味で重くなりましたよ……」

桔梗「やっぱり聞いても釈然としないー」


▶桔梗はジトーっともみじを見て抗議します


もみじ「その道はあなたのセンパイちゃん達がみんな通った道よ。じゃ、礼緒くん早く着いてきなさいよね」


――朱鷺森市 朱鷺森公園 AM11:00――


奉「多分……、ああしたらああなるから……うぅん……?」


枯尾「ふふふふ。何かお悩みのようですね」


▶奉の背後から音もなく近づいて声をかけます


奉「ふ、不審者!?――ええっと、どちら様ですか?」


枯尾「僕は枯尾花という名前です。可愛く花ちゃんと気軽に呼んでくださって構いませんよ?」


奉「……まあ、この際誰でもいいんです。花さん、お願いがあるんです」


枯尾「ふむ、なんでしょうか。大体のお願いは聞きますよ?」


奉「大人がいればいいんです。市役所で私について調べたいんです……。代わりにお願いしてもいいですか?」


枯尾「おお、自分探しの旅ですね?そういうことならお供いたしましょう」


奉「ま、まあ怪しいですけど……危ない人ではなさそうですし……。この際妥協して……」


――朱鷺森市 朱鷺森駅構内 AM11:00――


幽雅「ここにいれば……会えるかもしれない」


棗「~♪」


幽雅「あ……!!あぁ……!ま、待ってください!」


棗「ん?俺か?」


幽雅「え、えと……は、初めまして。ぼ、僕は千和幽雅って言います。お願いしたいことがあってここであなたを待ってました」


棗「お、おう?初めまして……。――待て、俺を待っていた?千和幽雅、だと」


幽雅「僕の記憶が、間違っていなければですが……。僕を助けていただいたことが、ありませんか?」


棗「――さあな、助けるようなことをしたような記憶はない。が、その名前は覚えている。こうして面と面を合わせて話すのは初めてだな、棗真貴だ」


幽雅「そ、そうですか……。では、棗さん。僕の話を聞いてもらえるお時間はありますか?カフェで御馳走します」


棗「いいだろう。ただし、代金は俺が払うぞ。――これでもいい大人なんでな、そうさせてくれると嬉しいんだが」


幽雅「ああ……、気を使わせてごめんなさい。じゃあ僕の知り合いのカフェに行くのでついてきてもらえますか?」


棗「了解した、案内してくれ。しかし、自分から話しかけて名乗ってくるなんてな。凄い勇気を持っているな君は」


幽雅「それでも、助けたい友達がいるので……」


――朱鷺森市 交差点近く AM11:10――


花恋「それで、結センパイ。お話のことなんですけどね」

花恋「私、わかったんですよ。無理にでも秋夜を、友達を助けれる方法を」


▶結 落ち着かせ

 成功


花恋「ああ、すいません。話が飛んでたかもしれません。私も結センパイみたいに戦える方法を編み出したんです!!」


結「修行?頑張ってたみたいだねー」


花恋「はい。それで、気づいたことがあるんです。あの化物を倒すのに必要なのは素質でも才能でもなく、心構えなんだって」


結「ほーほー?」


花恋「ここじゃあれですね。この先の湖で続きをお話します。見たほうが早いと思うので」


――朱鷺森市 道沿い AM11:10――


もみじ「大丈夫?礼緒くん?落としたら曲がっちゃうから置いちゃダメよー?」


小菅沢「落とせるわけないじゃないですか、こんなの!今のところ大丈夫ではありますけど、まだ歩くんですか?」

桔梗「ああ、ご愁傷様です。けどなんでタクシーとか使わなかったんですか?」


もみじ「徒歩15分でタクシー使えるほどいい御身分じゃないのよ」


桔梗「うっ……。いやまあその、ごめんなさい」

小菅沢「いやいや、矛盾してますからね!?この中そのご身分相当のもの入ってますからね!?」


もみじ「気にしないでいいのよ。そこの不労所得者は働かせてなんぼだから」


桔梗「私常識がない方だと自覚してましたけど、この状況は常識の範囲内なのでしょうか……。今日一日が不安で不安で仕方ありません……」


もみじ「もうちょいだから気にしない気にしない。じゃあ行くわよ。ほらはやく!」


▶小菅沢 運搬

 失敗

▶トランクを落としてしまった!!


小菅沢「そんなに急かさないでくださ、あっ!」


もみじ「あーあ……。大事なロマネコンティとお金入ってるんだからさっさと集める!桔梗ちゃんも手伝って……!」


桔梗「ああ……、幸先が悪い……。こんなところですしちゃっちゃと片付けないとですね」

小菅沢「うぅ……ごめんなさい……」


――朱鷺森市 朱鷺森市役所 AM11:15――


奉「あの、市役所の人にこせきとーほん?っていうのをもらってきてもらえますか?」


枯尾「戸籍謄本……」


▶枯尾 ローカル知識

 ファンブル[狂気表:現実逃避]

▶市役所の影から緑色で四足の化物がすっと現れ、自分の肘にぬめっとした感触を舌でベロリと味あわせた後、すっと自分の影に戻っていきました


枯尾「うひゃっ!?」


奉「どうしたんですか?」


枯尾「――――だ、大丈夫ですよ……。戸籍……戸籍ですよね……?戸籍なんて……、ふふふふ……。戸籍なんて無くても生きていけますからね……」


▶枯尾 根性

 成功

▶気合で戸籍謄本をもらうことに成功した!


枯尾「ふふふふ……、これが大人の力という奴ですよ……。もう書類は見たくないですけどね……!」


奉「ありがとうございます!だ、大丈夫ですか……?」


枯尾「いえ……。自分探しのお手伝いの為ですからね、これぐらい何とかします……。それで、次は何がいるんでしょうか……?」


奉「えっと……。まずこのプリントを見てからで……」


――朱鷺森市 朱鷺森湖 AM11:15――


花恋「着きました。私の秘策、結センパイにご覧に入れる時が来ましたね!」


結「どきどき」


▶花恋 神道

 成功

▶見事な日本舞踊を舞ったよ


花恋「こうやって……心を込めて舞を踊ると……見えない道が出てくるんです」


▶結 空間把握

 成功

▶ぼんやりと青く光る空間の裂け目が見えますね。これは悪鬼だろうと感じました


結「お、何か青っぽいのが……。あれのこと?」


花恋「はぁ……。そうです。これは私の時に出てきたやつの残骸らしいです。秋伍さんが言ってました」


結「それを出したって事ね、おおー」


花恋「はぁ……ふぅ……。そうです!友達がみんな頑張ってるんです。私だけ修行中だからってごまかしてなんていられないんです!」

花恋「私に何が出来るか、一緒に考えてくれませんか?」


結「花恋ちゃんがそれを望むなら、私は喜んで手伝うよー」


花恋「ありがとうございます!結センパイ!でも……、取り敢えずは休憩……させてください……」


――朱鷺森市 朱鷺森商店街:カフェ「黄金の夢」 AM11:25――


幽雅「このあたりにあるんですよ。入りましょうか」


棗「ああ」


幽雅「すいません、朝早くからお時間を取らせていただいて。それで、相談事なんですが」


棗「いいぞ。話してくれ」


幽雅「僕の友達には何もない所から剣を取り出して、見たこともないような怪物をばったばったと倒せるようなすごい人がいるんです」


棗「……」


幽雅「でも……、そんな強い友人でも、怪我をしてしまうんです。学校で会って、見ると昨日にはない傷が出来てたりするんです。本人は誤魔化したりしてるんですけど、絶対に何かあったんです」


棗「友達っていう事は君と同学年ぐらいってことか」


幽雅「はい。僕には隠してるフリをしてますけど、こないだなんて入院するようなことになってしまって……。先生は多分コけたんだろうとか言ってますけど、……とても本当には思えなくって」


棗「剣を取り出し怪物を切り倒す小学生、か。あんまり信じられる話じゃないってことは自覚はあるか?小学生の入院となれば、親御さんだってどこかしら認知……どうして怪我したかだって分かるもんだと思うが」


幽雅「ええ……、こんな不可思議としか思えないことをわかってもらえそうな人は僕は棗さんしか知らないんです。よくわからない、ただただ怖い場所で一人、ふらふらと彷徨ってた僕を助け出してくれた、あなたしか」


棗「――なるほどな、信用してもらってるわけか。じゃあ逆に聞こう……。そんな友達が怪我を増やすような出来事に君は首を突っ込みたいのか?」


幽雅「そうです。表情にもあんまり出さない子だけど、僕が守るって言ったんです。守れるようになるためなら僕自身の怪我なんて問題ありません」


棗「……適当にはぐらかそうと思ったんだがな。降参だ、俺でよければ君の相談に応えよう。出来る範囲でな。――――ただし、だ。自分の怪我を問題ないなんて言うもんじゃない。その友達と一緒に無事にいられるようにしてもらうぞ」


幽雅「…………はい! え、えっと……、オレンジジュース頼んでいいですか?なんか、気が緩んでしまったみたいで」


棗「ああ、君を疑ったお詫びだ。好きなものを頼むといい」


――朱鷺森市 アンティークショップ「稗の銀時計」 AM11:25――


▶寂れたアンティークショップですね。物が雑多に置かれていて、カウンターにも誰もいません


もみじ「おっしゃ着いたぞ!ロマネコンティ割ってたら3ヶ月給料なしだったな!よかったね礼緒くん!」


桔梗「ここですか。そういえば新しい子を連れてきたら機嫌良くなる店主だっていってましたけど、どんな子が好みなんですか?」


もみじ「全く健気な子ね。気難しい人だけど優しいから気にしないでね」


小菅沢「うぅん……注意はしてたんですけど……。それでその大そうなお酒とお金で何を買うつもりなんですか?」


もみじ「ま、入ってのお楽しみね。皐月ー邪魔しに来たわよー」


桔梗「振り回すときは振り回して、こういうときはこうで……はぁ……」

小菅沢「お邪魔しますー」


▶店の奥から皐月が出てきます


皐月「まぁた面倒なのが来やがった……?そこの若い子は誰かしら?こないだはいなかったわよね?」


桔梗「桔梗といいます、よろしくお願いします」


皐月「礼儀はある。名字は言わない。棘のあるトーン。桔梗……。ほーん、面白いのを捕まえたわねもみじ」


もみじ「でしょ?」

もみじ「まあそれはいいのよ。皐月、家の宝石を全部出してもらえるかしら?目利きはこの子達がやってくれるわ」


皐月「へーへー。ここは中継地点ってわけじゃないのよっと」


小菅沢「え?もみじさん?僕たちが選ぶんですか?なにを目的でですか!?聞いてませんよぉ!」

桔梗「あの、もみじさん。私何も出来ないっていいましたよね?」


皐月「私もよくわかってないのよこいつのことは。取り敢えず実家の蔵から宝石取ってくるわ」


もみじ「まあ、素質があるなら君達なら一発だから気にしないで」


▶桔梗 情報分析

 成功

▶何か自分を試そうとする意図があると踏みました


皐月「はいはい……持ってきましたわよっと」

桔梗(試そうとしている……?けどなぜ……)


▶小菅沢桔梗 生命抵抗

 失敗

 失敗

▶皐月が古く、煤汚れた鞄をゆっくりと開き、大小様々な宝石が見えます。すると、ピカっと宝石が輝きだし、その眩い輝きに包まれてしまい、黄色い霧のようなもので包み込まれ、桔梗は悪鬼に入ってしまいました


桔梗「うわっまぶし」


もみじ「あちゃー。あの子なら行けると思ったんだけど」


皐月「はぁ……」


小菅沢「え?桔梗さん?さっきまでいたのに、もみじさんどういうことですか!?」


もみじ「で、私も正直やばかったんだけど、皐月、あれ何よ?」


皐月「いえ……、持ってきただけだもの。それにあんな緑の宝石、あったかしら……」


▶小菅沢 文化知識

 成功

▶以前、紅葉でこのはから聞いた瑪瑙の対になる宝石ではないだろうかと思いました


小菅沢「まさかこの宝石…………、以前秋月さんが言ってた瑪瑙の対なる宝石……!」


もみじ「ふうん……。それ、椿の時渡りのオパールじゃないの?――――皐月?」


皐月「そ、そんなのもあったわねそういえば……。責任はわたくしにもあるわよね……。うぅん……、久々に働くかぁ」


もみじ「ということで礼緒くん。ここにシャナ置いて行くわよ。あの子だけ一応一般人なんだから、巻き込むわけにはいかないわ」


小菅沢「もう巻き込んでますよ!助け出さないと」


皐月「ごめんなさいね。巻き込んでしまったみたいで……。私は周りの人間に呼びかけてみるから。もみじはとっとと行って助けに行ってちょうだい」


小菅沢「もみじさん、彼女は本当に素人なのでしょう?増援を待ってからでは遅いです!僕たちだけでも先に行きますよ!」


もみじ「りょーかい。近接は得意じゃないから頼んだわよ。――――ま、本当に素人かっていうと怪しいところはあるけどね」


――朱鷺森市 朱鷺森市役所 AM11:20――


奉「わかりました……って言いたい所なんですが……。花さん、ここの漢字読めますか?」


▶枯尾 日本語

 失敗

▶読めなかった


枯尾「――――ぐぬ……。読めませんね」


奉「ええ……、大人なのにぃ」


枯尾「――大人だからと言って何でも分かるわけではないんですよ……」


奉「そうなんですか……じゃあここの漢字どうしましょう……」


▶枯尾 記憶力で判定

 成功

▶これは「ひいらぎ」だ。


枯尾「――うーん……この漢字、何処かで見た覚えがあるんですよね……。確か……ひいらぎ、だったような」


奉「ひいらぎ……、ですか。私のおばあちゃんの名字が柊なんです。そうだったんですか……」


枯尾「――どうです?何か辿れそうでしょうか?」


奉「いえ、どうやら昔のお家の場所しかわかんないみたいです。ついてきてもらえますか?」


枯尾「ええ、構いませんよ。――1人で歩きまわっては危険ですからね」


――朱鷺森市 朱鷺森湖 AM11:25――


花恋「結センパイ!アイデアとかないですか?友達には言えないので……、センパイだけが頼りなんです!」


▶結 民俗学

 成功


結「うーん……、そうだねぇ……。その……残骸みたいなので見えない道が出てきたってことは、もしかしたら他の場所でまた舞ったら何か起こるんじゃないかな?」


花恋「はぁ……。どこで舞ってみればいいですか?」


結「じゃあ神社に行ってみようか?」


花恋「はい!」


――朱鷺森市 朱鷺森商店街:カフェ「黄金の夢」 AM11:35――


幽雅「ごめんなさい。続きなんですが、僕も守れる力がほしいって思って、美術館の七瀬さんって人に相談しに行ったんです」


▶棗は露骨に苦い顔をします


棗「あれに会ったのか……」


幽雅「はい。優しくていい人でした。じゃあ棗って人に会ってみて、棗くんが認めてくれるなら力を手に入れる方法を教えてくれるって。あなたが棗さんで良かったです」


棗「――くそっ、上手く利用された感じだな……。まぁ、守るための力だって言うなら俺はそれを信じるさ。俺の知り合いにも君と似たようなやつがいるからな……、もっともあいつは君より遥かに馬鹿だがな」


幽雅「それで、あの虚空から剣を出したりするのは何なんですか?僕にも……出来るでしょうか」


▶棗 仕事知識

 成功

▶悪鬼などの知識はないが、夜叉になる素質はある人間だと感じました


棗「そうだな……。出来るとは言い切れないが可能性はありそうだ。君が戦うとして意識するものは何だ?拳か?銃か?それとも武器じゃない何かか?」


幽雅「そうですね……、僕の理想のヒーローは彼女みたいに気高い心を持った人を癒したり、助けたり出来る人。ゲームだと……杖とかでしょうか」


棗「杖か。そうなると……。すまないが杖を使っての戦闘を教えられそうな心当たりはないな。そうなると、もみじ……さんのところで教えてもらう時にそういうイメージを強く持っているしかないか」


幽雅「……そうですか。少しでも早く役に立てたらいいと思うんですけどね……」


棗「急ぎすぎないことだな。ゲームを少しでもするならわかるかもしれないが、力を手に入れたらその力を使うことを急いて焦って取り返しのつかないことをすることもある。隣に立つのにせよ、後ろから支えるにせよ、まずは自分と周りの状況をよく見渡すことだ」


幽雅「はい……。でも、このちくちくする感じは気の所為……でしょうか?」


▶棗 風向き

 クリティカル

▶悪鬼の気配ですね。全員に逆立つような鳥肌が立っています


棗「!この感じは、どこかで開いたか……。――って、今君は何かを感じたのか?」


幽雅「ええ……、ちくちくするというか肌がぴりぴりするというか」


棗「そうか、本当に素質はあるみたいだな。その友達の影響かもしれんが……。今感じたのは良くないものだ……。――すまないが今日はここまでだ。やるべきことができたんでな」


幽雅「はい。今日はありがとうございました」


棗「おっと、そうだ。携帯電話とかはもっているか?」


幽雅「ええ。母様に言われて一応」


棗「それは丁度いい、ちょっと待ってくれ」


▶棗は自分の持っている銃弾を幽雅に渡して、自分の連絡先の書いたメモを突きつけます


棗「俺の連絡先とちょっとした餞別、プレゼントだ。本来はやるもんじゃないんだがな……、特別だ。困ったらこの弾を叩きつけてくれ、助けにも迎えにも行こう」


幽雅「ありがとうございます……!」


棗「――――そうだ。最後にその友達の名前だけ、問題が無ければ聞いていいかな」


幽雅「ああはい。秋月このはさんって言うんです。お知り合いだったりするんですか?」


棗「ああ、やっぱりか。知り合いだ。――彼女にもいい友達がいるんだな、安心した」


――朱鷺森市 アンティークショップ周辺 AM11:40――


奉「この辺に柊さんのお家があったはずらしいです。今は何もないみたいですけど」


枯尾「――うーん、何か痕跡があればよかったんですが……」


▶枯尾 第六感

 成功

▶全身の身体が逆立ち、悪鬼の開く気配を感じました


枯尾「!! ――今の感じは……」


奉「どうしましたか……?」


枯尾「――いえ、良くないモノの気配を感じたのですが……。この近くだとすれば、少々危ないかも知れませんね」


奉「ことりお姉さんもそんなこと言ってました。やっぱり危ない人なんだ……」


枯尾「――そう言われるのは心外ですね……。熊とかの気配を感じるようなものですよ?」


奉「くまさんの気配なんてわかりません……」


枯尾「僕は……まあ、記憶喪失だったり廃墟暮らしだったりと、色々ありましたから。危険に対しては敏感なんですよ」


奉「そうなんですか。記憶喪失関係ないと思うけどなぁ……。――ことりお姉さんと一緒で行くところがあるのではないんですか?私に構ってる時間、ないんじゃ?」


枯尾「まあ、そうなんですが……。だからと言って、貴方のルーツ探しを放り投げるのは僕の信条に反するのでしたくありませんね」


奉「そうですか……。ことりお姉さんとは違うんですね。じゃあ、この辺に跡地があると思うんです。一緒に探してください」


▶枯尾 見切り

 失敗


枯尾「うーん……分かりませんね……」


奉「そうですか……。諦めずに探してみましょう!」


枯尾「跡地に何か目印があればいいんですが……」


――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:境内 AM11:50――


花恋「よし!試してみますね!」


▶花恋 神道

 失敗

▶気合が入りすぎて途中でコケてしまった


花恋「うぅ……、気合が足りません……」


結「もっかいやってみよー!」


▶結 常連[黒苺の板、Twitter]根性で判定[Twitter]

 失敗


花恋「ちょっと休憩しましょう……」


結「そうだねぇ」


――朱鷺森市 アンティークショップ「稗の銀時計」:店先 PM12:00――


皐月「あ!!!もみじんとこのパシリじゃない!」


棗「うるさいぞ疫病神。来た理由は省かせてもらうぞ」


皐月「へーへー。軽く説明するなら、もみじんとこの新人が宝石に飲まれてしまってね。助けてやってくれないかな?」


棗「新人?あいつは捨て猫感覚で拾ってくるな……。――了解した。で、光る宝石って言うのは何だ?あの屋敷に関係あったものか?」


皐月「私の家の、"時渡り"がどうとかって言ってたわ。もみじが」


棗「また随分と大層な名前だな。――――状況は把握できた。すまんが本、置かせてもらうぞ」


皐月「ええ。いってらっしゃいな。――私も思い出さないとなぁ」


――朱鷺森市 アンティークショップ周辺 PM12:00――


奉「このあたりのはずなんだけどなぁ……」


枯尾「――――古い家なら家紋とかがありそうですが……」


奉「家紋……ですか。どこかで見たような……」


▶枯尾 捜査

 成功

▶アンティークショップの裏手に、四季華族の家紋があるのを見つけます。柊のものもありますね


枯尾「……!これは……。手掛かりが見つかりましたね」


奉「これが……おばあちゃんの……。こ、これ……!もしかして私間違えたんじゃ……」


枯尾「この辺りが跡地のようですね……。他に何かあればいいんですが……」


▶枯尾達はアンティークショップの裏手に黄色い悪鬼があるのに気付きませんでした。裏手に回ろうとして吸い込まれるように入ってしまいます。


奉「こ、これは……?」


枯尾 「――――あ、やってしまいましたね」


――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:境内 PM12:15――


花恋「今度こそ!」


▶花恋 神道

 成功

▶後ろに赤い空間が出てきます。恐らく悪鬼だろうと思いました。赤い悪鬼は薄気味悪く輝いていますね


結「おお、花恋ちゃん、成功したみたいだよー」


花恋「本当ですかっ!?――でも……、私の知ってる色と違うような……」


結「うーん、謙二くんならこういうの知ってそうなんだけどねー」


花恋「入って……みますか?」


▶結 常連[折りたたみ式携帯電話]仕事知識[Twitter]

 クリティカル

▶赤はとても危険な色だというのを思い出しました。青、黄、赤の順で危険度があるというのを昔、親から聞いたことがありました


結「確かどこに繋がってるか分からない……とか。――危ない場所かもしれないけど……花恋ちゃんは大丈夫?」


花恋「でも戻れるんですよね?私は秋夜にもらったお守りをしきたりに従って、置いていきますから」


結「――よし、じゃあ入ってみようか」


花恋「……はい!」


――カクついた公民館 ?:??――


▶見覚えのある公民館のはずですが、建物の壁や床が一部ドットになっています。ゲームのテクスチャバグのようにかなり歪で空間も歪んでいるように感じますね


▶桔梗 回避判定

 成功

▶全身緑色で謎の器官のある、テクスチャバグを起こしたようなコウモリに噛まれそうになります。気合で振り払い、逃げることに成功しました


桔梗「――――っと!一体何なの?……それにどこなのここは!」


▶桔梗 空間把握

 失敗 12ダメージ

▶現状把握をするために逃げながら周りを確認すると、階段がありました。階段の段差の隙間から緑色で、やはりテクスチャバグを起こしたような人間?のようなものに足を掴まれ、階段の下に投げ飛ばされてしまいますね。そこにコウモリが全身に集るように噛み付いてきます


桔梗「キャァ!!もう何なのよ……。なんで悪い勘ばかり当たるの!」

小菅沢「桔梗さん!大丈夫ですか!?」


もみじ「あっあいつ……まあいっか……」


▶小菅沢 通常攻撃

 成功 32ダメージ

▶ナイフの刃先でコウモリの翼をバッサリ刻むと、四角いブロックのように急に分解され、キラキラと消えていきました


小菅沢「大丈夫ですか?桔梗さん、お怪我はありませんか?これを使ってください」

桔梗「……」


▶小菅沢は回復薬を渡そうとしますが、桔梗は受け取るのを抵み、ゆっくりと後ろに後退りしていきますね。黒く大きい威圧的な翼を見て、顔を強張らせています


小菅沢「あっ……そうでした。もみじさん、今僕から何言ってもダメそうなんで、お願いします」


もみじ「こいつはこういうやつなんだよ。ここに入れるってことは素質はあるってことだけど……。そうね。ここが漫画の世界だったら、あなたはどんな武器を持っているのかしら?そういうの、考えたことある?」


桔梗「意味がわかりません。なんですか素質って、漫画って、武器ってなんなんですか。いきなりわけの分からない状況にされて……、そんな奴を連れてきて、何を信じろっていうんですか!」

小菅沢「――説明ちょっと雑じゃないですか?僕もそんなやつって言われちゃいましたし……」


もみじ「ま、信じられないのも無理はないわ。――でも、信じないと、あなたはこんなよくわからないところで野垂れ死によ。私のを見て信じられないならそれはそれでいいわ」


▶もみじの身体が全身キラキラとしたものに包まれます。ピンクでフリルのヒラッヒラとしたスカートに切り替わり、マグナムとかライフルやらショットガンやらが背中に装備されます


桔梗「……そんなの見せて私にどうしろっていうんですか」

小菅沢 「僕が信じられなくなりそうです……」


もみじ「ハァ?理想を掲げたのが17の頃だったんだから仕方ないでしょうが。あの頃は憧れてたの!」

もみじ「それにしても察しの悪い猫ちゃんねぇ。イメージしてなりたい自分になってみなさいな。……頭固いから馴染めなかったのかしらね」


小菅沢「そうですよ、まずやってみれば、僕たちの言ってる事も信じれるようになりますよ!」

桔梗「無理ですよ。私にはさっきの化物と同じにしか見えません」


もみじ「ま、それでいいわ。あのチートバグみたいなのが何かは知らないけど大本をぶっ潰せば帰れるはずよ。せめて邪魔はしないでついていらっしゃいな」


小菅沢「――僕たちは桔梗さんの味方ですからね。それだけは信じてください」

桔梗「……ここから出る方法を知っているんですか?」


もみじ「知ってると言えば知ってるわ。大体こういうのはね、こういうのを作ってるボスがいるのよ。それを、こういうイメージで作った武器でボコす。ゲームオーバーが死のゲームみたいなものね」 


▶もみじは近づいてきていた緑色の人間のようなものをマグナムで至近射撃した後、思いっきり蹴り飛ばして、キラキラとしたものを発生させます


小菅沢「夢のような状況ですけど、夢ではないので。お怪我だけはしないでくださいね」


もみじ「取り敢えずその薬を怪我したとこに塗っとくといいわ。その怪我だと歩くのも辛いでしょ?」


小菅沢「――はい、どうぞ」


▶小菅沢 高速回復薬 譲渡

▶小菅沢が再び回復薬を渡すと、桔梗が恐る恐る身体に塗ります。すると、膝や背中の傷がみるみるうちに塞ぎ、痛みもなくなっていきます


桔梗「なんなの……、夢なら醒めてよ……」

棗「どうやら追いつけたみたいだな」


もみじ「流石、自分からパシられに来るとは思ってなかったわ」


棗「――あれがあいつが言っていた新人か。いい加減拾えばいいってもんじゃないぞ、あと俺に子供の世話を押し付けるな」


もみじ「私が恥ずかしさも抑えて、完全武装してる時点で察しなさいよ。結構やばやばですわよこれ」


棗「貧乏くじを引いたみたいだな」

小菅沢「棗さんは……いいですよね……。変身してもあまり変わらなくて……」

棗「――なるほど。そもそも綾瀬ちゃんや夏水のような例が珍しいんだ。動けないなら放っておけ」


もみじ「現実をそろそろ受け入れないとまたゆめにっきみたいなのに襲われちゃうわよ?」


桔梗「……邪魔しなければいんでしょう」


▶桔梗棗 聞き耳で

 成功 

 ファンブル[性別反転]

▶奥の方でごそごそと人が入ってくる音が聞こえます。後ろの扉からバタン!と大きな音も聞こえます


桔梗「ヒッ!」

小菅沢「何かが……入ってきましたね……。細かいことは判りませんが」

棗「――おい、ちょっと待て。どうなってんだこれは……」


▶棗の身長が縮み、声も高くなり、少し胸もふっくら出ていますね


もみじ「この悪鬼の概念に適応出来なかったっぽいわね。良かったじゃない、TSF界隈憧れのブリスよ?」


小菅沢「なにかありましたか棗さ、ん゛!?」

棗「どんな空間なんだよここは……。初めてだぞ」

小菅沢「棗さん……そんな……、さっきあまり変わらないって言ったのがそんなに気にしてたんですか……?」

棗「はっはっは……撃っていいのか?」


奉「ここは……公民館……??それにしては……」


枯尾「――――おや、見知らぬ方が……?」


もみじ「あちゃぁ。冬泉ちゃんがこっち来ちゃったかぁ……」


小菅沢「あ、花さん!!花さんが来れば百人力です!何が出ても恐れることはありません!」


もみじ「これが棗くん。お胸ぽよんのちっちゃくなっちゃってるけど棗くん。こっちは重要保護の囮パンダの桔梗ちゃん」


枯尾「――わざわざ男装してたんですか?」

棗「すると思うか?そんな変人は1人だけで十分だ」

枯尾「いきなり女性になった、とかよりは現実的かなぁ、と……。この空間の影響でしょうか?」


もみじ「ま、そうでしょうね。棗くんは怪物ってカテゴリだけど、油断すると人間でも全然あるから気をつけてね」


▶小菅沢桔梗 聞き耳

 ファンブル[何もなし]

 成功

▶低めの女性の声で、

「な、なんだこれは……?マイクラか?現実でそんなこと起きるのか……?塞いで取り敢えず発生を止めないと!」

ってブツブツ言ってるのが聞こえます


桔梗「なにこれ……人の、声? またわけのわからないのが増えるの」

枯尾「……?何か聞こえますか?」


奉「現実で……起きる……発生……?や、やっぱり……」


もみじ「今回はそういうことね……。うーん面倒くさい。取り敢えず裏口にこっそり回って脱出するわよ。閉じ込められちゃうわ」


棗「何か分かったのか。殿をするから先導頼む」

桔梗「……あっちから、女の人の声」

小菅沢「あっち……、1階の奥の方ですね」


▶棗 哨戒

 成功

▶桔梗 武道

 失敗 8ダメージ

▶棗が緑色のコウモリを的確に始末していく中、桔梗も殴りかかろうとして逆に襲われてしまいます


棗「ちっ!次から次へと」

桔梗「痛った!」


もみじ「来賓さんは攻撃出来ないからね。代わりに……」


枯尾「舞い散れ……『刃桜』!」


▶枯尾 通常攻撃

 成功 62ダメージ

▶一振りで桔梗に纏わり付いていた、足が何故か四足になっている緑色のコウモリを薙ぎ払い、キラキラとしたものを出現させています


枯尾「――脆くて助かりましたね」


奉「はぁ……ことりお姉さんより強い……!」


棗「ちょっと待て、ホントに何もできないやつを連れてきたのか」


もみじ「やる気なければどうにもならないわよ。――来れる、元気に動けてる時点でここにいれる素質があるのは棗くんも知ってるでしょ?」


棗「はー。今日は厄日だな」

桔梗「――私は……何も……」

枯尾「心配なら僕が全部引き受けますが……。連れてきてしまった責任もありますし」


もみじ「取り敢えず外に出て、バレなさそうなところに退避よ」


――四重結界萩野朱鷺森神社 ???――


▶見た目は何も変わった様子はありません。ですが、季節外れの紫色の桜が満開に咲いており、どこからか花びらも舞っておりかなり幻想的な光景に見えます


結「おおー、綺麗だねー」


花恋「いやいや、そろそろ梅雨ですよ結センパイ。こっちってそんな変わらないんですね」


結「普段はもっと変なところなんだけどねー?桜が咲いてるだけってなると逆に違和感あるなー」


▶カチ、カチと音がして、一瞬白く光った後、神社にとても狼狽えている秋夜と、ことりの姿が突然現れます。まるで違和感などないように普通に話し始めます。2人は慌てて木の陰に隠れますね



秋夜「い、いやそんなことはないんだが地下があるのは俺の私室で、あんまり綺麗じゃないから女の子を入れるにはちょっとそのなんというかえーとあれでな」


綾瀬「いやあ、その位なら気にしないよ。私もそんなに人のこと言えないし……」



▶結 情報分析

 成功

▶どうやら過去の光景を幻影のように見せているものだと判断出来ました。自分も過去、通称『闇』と呼ばれるもので見たことがあったからですね


花恋「ことりちゃんこっそり会ってたんだ……」


結「――なるほど、ここは昔の神社かー」


花恋「昔の……ですか?」


結「昔というか……。いつ頃なんだろう?秋夜君が居るってことはそんなに大昔では無いんだろうけど」


花恋「結センパイも秋夜を知ってるんですか……!?」


結「花恋ちゃんが湖に連れてきてた時に会ったよー」


花恋「そ、そうでしたね……。ごめんなさい、動揺してて……」


▶再びカチ、カチと音がした後、このはも増えていることに気づきます



秋夜「うぇっ!?ま、マジっすか。い、いやその綾瀬やこのはちゃんには重いものも多いし待っててもらえるとうれしいというかなんというかその」


ことり「ただまあ私たちももみじさんに頼まれてきてるからなあ」

このは「そうですね~。あんまり時間をかけていいものではなさそうな……」


秋夜「わ、わかった。俺も覚悟を決める。ひ、引かないでくれよな……」



花恋「で、でも昔なら見つかるとまずいんじゃ……?少なくとも秋夜に見てたのをバレたくない……」


結「大丈夫だよー。ここの光景はあったことを見せるだけで、時間遡行してるわけじゃないから。多分」


花恋「結センパイ。秋夜は部屋に入って行きましたね……。私達はどうします?」


結「うーん……。こういう過去を見る系のやつってやっぱり知ってる人に見られたらまずい、とかあるよねぇ……。タイムパラドックスってやつ。でも、その時違う場所の他の人の動きも見れちゃうからチャンスでもあるんだよー」


花恋「ではどこへ……?」


結「とりあえず今お昼っぽいし、高校は花恋ちゃん居そう……。うーん、美術館に行ってみようか?」


花恋「はい!おまかせします」


――カクついた公民館:1F ???――


▶カチ、カチと音がした後、白く眩い光に包まれます。空間がぐるぐると回転していき、テクスチャバグのようなものもない、何も違和感のない、普通の部屋に戻りました。気づけば小菅沢以外の人間は誰もいなくなっていました。不思議に思っていると、元に戻った扉がバンと開け放たれ、夏水が入ってきます


小菅沢「――あれ?さっきまでの雰囲気が無い……。いつも通りの部屋だ……」


夏水「おう?礼緒じゃねーか!昨日は大変だったな!まさか俺がピッケル召喚出来るとは思わなかったぜ!」 


小菅沢「レイ君!?それはそうですけどなんでまた今更、それに昨日って」


夏水「んん?お前頑張りすぎて疲れてんじゃねーのか?昨日一生懸命公民館復旧したじゃねーか」


▶小菅沢 記憶力

 成功

▶2ヶ月ほど前、確かにそういうことをした記憶があります


小菅沢(話が噛み合わない……、公民館の復旧なんて春頃の出来事だ。まだここはまだ悪鬼の影響下にある。このレイ君は過去のレイ君なのか?――だったら、正直に未来から来たなんて言っても話が捻じれるだけだ。適当に合わせて切り抜けよう)

小菅沢「アーハハ、そうかも、それでレイ君は今日もここで?」


夏水「そうだよ。俺はもっと強くなって棗を見返してやらんとな。いつまでたっても弱い俺だと思われたくないからな!」


小菅沢「それは応援してあげたいんですけど、僕もなんとなくでやってるんでたいした助言も出来ませんね、申し訳ない!」


夏水「チッ、役に立たねーなー。今日はゲーム部もおやすみだから彼女作るためにナンパしてこいよ」


小菅沢「そうですね、でも、焦らなくてもその内いい出会いというか、気付きがある気がします。それではまた!」


▶小菅沢が部屋の扉を開けると、再び空間がぐるぐると回りだし見覚えがあってほしくなかった素人が貼ったテクスチャのような部屋に戻っています


――荒廃した美術館併設喫茶店「紅葉」 ???――


▶定期的にカチ、カチと音がし、道中の風景もぐるぐると回りLSDをキメたかのような光景と、普通の人が歩いている光景を見比べながら結と花恋の2人は紅葉に辿り着きました。紅葉も例外ではなく、緑色に腐食したような壁が溶けたり回転したりしています。次にカチ、カチと音がしたときには、ガラスが全て割れている以外には違和感のない紅葉に戻っていました


花恋「うはーすごいことになってますね」


結「誰も居ない……、みたいだねー。助かったような困ったような」


▶結はチラッと紅葉の壁にかかっている、カレンダーを見ました


結「4月15日……。花恋ちゃんこの日は何処に居たか覚えてるー?」


花恋「覚えてますよ!印象深い日でしたから。確かこの日は湖で枯尾花さんと会って、秋夜と一緒に神社で待機してました!」


結「そういう事なら、湖と神社は避けて他の所を調べようかー」


花恋「はい!で、どこに行けば……?」


▶結 ローカル知識

 失敗 8ダメージ

▶結が思案に耽っていると、普通の光景なのにも拘わらず、口が4つある緑色のコウモリが飛んできて、首筋に噛みついてきます


結「いたっ!」


花恋「キャ、キャァ!結センパイ?大丈夫ですか?」


結「だ、大丈夫ー。とりあえず他の場所に移動しよう!」


花恋「ど、どこへですかー!??」


▶結 人脈

 クリティカル

▶後日、情報共有の為に話していたもみじの報告によると、あの日神社にいると結界を貼っており、敵は近づけなかったらしい。また、小学校も無事だと聞いていました


結「確か小学校は安全だったって聞いたから、そこへ行こー!」


花恋「は、はい! コウモリさん、こ、来ないでぇ!」


――窪んだ紅夜の公園 ???――


▶カチ、カチと音がしたのが聞こえた後、気づけば棗、枯尾、桔梗、もみじは公園に立っていました。ただいつもと違うのは公園の半分が真っ赤に染まっており、更に公園の半分の地形がそもそも隆起しておりとても通れるようなものじゃないなと感じます。次にカチ、カチと鳴った後、何もなかったかのように見覚えのある光景が帰ってきます


▶棗 地質学

 成功

▶周りを見渡し、あの日自分が落ちた地面があることを確認し時間が戻っているのでは?という仮説を立てました


棗「やっぱあの時と同じ、か」

桔梗「どうなっているの……。外に出たのに、また」

枯尾「……あら?」


▶桔梗 視線

 成功

▶桔梗 正気度判定

 失敗[狂気表:挙動不審]

▶ドット化し、歪になった人間が後ろのほうから蠢いているのと目が合ってしまいます。あの日、マイクラ病と呼ばれていた人間だなと、他の2人は悟ることが出来ますね


棗「何か情報になるものは……どうした?」

桔梗「あっ、ひぃっ。やだ、やだぁ!」


▶桔梗は尻餅をつき、必死に逃げようともがきますが脳に身体の動きがついてきません


枯尾「大丈夫ですか?」


もみじ「はいはい落ち着いて。今一人になるとか死亡フラグよ」


▶もみじはお姫様抱っこをして動きを封じます


桔梗「やだぁ!離してよ!」

棗「これでも飲ませておけ。俺は周りを見てる」

枯尾「――――敵ですか?」


▶棗 気付け薬 


もみじ「ほら早く飲みなさいな。飲まないなら口移しよ」


桔梗「やだ!やめ……んぐぅ。ぷはぁ、はぁはぁ……」


▶桔梗が落ち着いて周りを見渡すと、どちらの光景でもマイクラ病と呼ばれていた人間は変わらず闊歩しているのがわかります。通れない道は器用に通っていませんが、通常の道で見るとかなり奇妙な動きをしています


枯尾「――敵ですね!」

棗「ハッ!」


▶棗は緑色の人間にハイキックをかまし、サラリーマンを気絶させ戻すことが出来ます


棗「――戻せたか」

枯尾「――――おや、人間でしたか……。危うく斬るところでしたね」


もみじ「なるほど。これが噂の都市伝説ね……。新潟行ってる場合じゃなかったかも」


▶棗 情報分析

 成功

▶倒せば消える人間のように見える異形やコウモリなどと違って、マイクラ病だと思われる人間は動きも緩慢で、一定の場所から来てるんじゃないか?と推論を立てました


棗「都市伝説になっていたドット化、こいつらには消えるやつとこうして戻るやつがいた。戻ったやつらの行動は遅かった、どこからか来ているのか?」

枯尾「ふむ。動きが素早い場合は加減せず斬っていいということですね?」

棗「そうなるな。そいつらは敵意が強いはずだ」

桔梗「――――ごめんなさい。取り乱しました」


奉「あんな落ち着いたお姉さんだってこうなるんだ……」


棗「他の場所も探す必要があるな」

枯尾「さっぱり状況は分かりませんが怪異退治なら任せてくださいね」


もみじ「で?どっから来たか目星はついてるの?」


棗「この都市伝説の時、公民館で夏水が抑えていた。だがそれは人型のブロック何ぞ出てこなかった。そうなると心当たりはないな」


もみじ「まあそうね。それは報告を受けてるわ。っとすると、あの時人間をマイクラ病にした原因の方は何も対策をしてないってことになるわ」


棗「おい、名前は?さっきのやつは俺たちに向かってまっすぐ向かってきてたか?」


桔梗「……桔梗です。まっすぐ向かってきました」


棗「そうか、俺は棗真貴だ。さっきの奴が後ろから真っ直ぐ向かってきたなら、その先にあるのは湖と高校だ。そこを探してみようと思う」


桔梗「私が行っても足を引っ張……、どこに居ても襲われるから、そのたびに誰かが見てなきゃいけないから……。だからそうやって言ってくださるんですよね。……わかりました」


奉「ひくつ?だね。お姉さん」


枯尾「安心してくださいね。この程度なら余裕ですから」

もみじ「そそ。話しながらができる程度には余裕あるわ」


▶もみじと枯尾は会話しながらコウモリや人間のように見えるものを無双ゲーのように薙ぎ払っています


もみじ「で、棗くんはどっちが当たりだと思う?個人的には高校」


棗「根拠は?確かに湖近辺は何度か解決済みだが」


もみじ「あの日調べていないのが高校だけ。湖はあの日彩音ちゃんに調査しに行かせた。そんなところかな」


棗「決まりだな、高校に向かうか。この通りだ、お前も殺される可能性が低い方がいいはずだしな」


もみじ「ドスがなくなるとツンデレ系に見えてこれはまた萌える感じになったわね」


棗「余計なお世話だ!」


――炎列の商店街 ???――


▶カチ、カチと音がして、緑の炎で燃える商店街と見覚えのある商店街に切り替わっています。駅から来る人間は全てマイクラ病に感染しており、どちらの光景でも見かけるのに対して、駅へ向かう人間は見覚えのある商店街にしか出現しないことがわかります。


小菅沢「花さんは気を利かせて桔梗さんの護衛に着いてくださったはずですし。優しい人だな……。それにしても、ここはどうやら過去の世界のようですね。下手に過去の人物に接触するのは避けたいところですね。――とりあえず出たはいいのですが、どうすればいいのでしょうか」


▶小菅沢 見切り

 成功

▶やってくる緑のコウモリを一刀で斬り伏せたよ


小菅沢「またこのコウモリですか」


▶小菅沢 記憶力

 成功

▶あの日、コウモリなど見かけた記憶はありませんでした


小菅沢「………コウモリ?これが過去のことなら、こんな怖いコウモリは居なかった!――コレについて調べれば今回は解決できそうですね……」

結「あ、礼緒さんだ。こんにちはー」


花恋「あ、秋夜のエロ本の友の人だ」


小菅沢「鳥江さん!と、霧江さんでしたか……、すみません、今日は何日でしたっけ?」

結「えーっと今日は……。6月3日か……、4月15日ってこれじゃ分からないかー」

小菅沢「よかった、その反応なら悪鬼から来た方の鳥江さんだ。合流できてよかった、これからどこへ向かわれるとこだったのですか?」

結(あ、他の人も来てたんだ)


花恋「小学校!なんか安全なんだって結センパイが言ってた」


結「そう、さっき変なコウモリに襲われてたので小学校に逃げる途中だったんですよー」

小菅沢「なるほど、分かりました、どうやら今回はそのコウモリの親玉を見つけ出せれば解決できそうですよ」


花恋「でも、そんなの、どこにいるんですか?」


▶小菅沢 風向き

 成功

▶小菅沢は黒い翼をぶわっと広げ、風の流れがおかしい場所を探った。すると、南西の方角、病院やお墓のある場所は風の動きが鈍く、飛翔体がたくさんいるんじゃないか?と感じます


小菅沢「――あっち、ですかね」

結「病院に行ってみます?」

小菅沢「僕はそっちを見ていこうと思います。鳥江さん達は小学校を調べてみてください」

結「分かりましたー、じゃあ行こっか花恋ちゃん」


花恋「はい。エロ本をしゅーやにもう渡さないでくださいね!」


小菅沢「酷い誤解があるようですね……。渡されたことはあっても渡したことなどないのですが……」


――聖域の円形陣 ???――


▶小学校の前はカチ、カチと音がなると目に見えてわかるくらい、円形の結界が張られているのがわかります。校門の前に紺野が目を光らせて立っているのが見えますね


紺野「あら。結さんではないですか。みんなは公民館に向かいましたよ」


結「紺野先生じゃないですかー。私は別の方を調べてるんですけど、コウモリって見かけました?」


紺野「コウモリ……ですか?ブロック人間とか、ネズミなら見ましたが……」


結「何だかそのコウモリの親玉を倒さないといけないらしくてー」


紺野「あぁ。それなら墓地にたくさんいるってさっき言ってましたね。皐月が」


結「なるほど、ありがとうございますー!――それと、小学校で変なことって起きてません?」


紺野「いいや。僕が頑張ってるからね。起こさせないよ」


結「カッコイイ!じゃあ墓地の方に行ってみます!」


花恋「先生も頑張ってねー」


――原初の到達点 ???――


▶朱鷺森高校につくと、かなりテクスチャバグのようなものが進行していると感じました。高校の周囲に近づくと、カチ、カチと音が鳴っても風景が壊れたまま戻らなくなり、警備員さんは破壊したメモリのように地面に半分埋まっています。

また、校舎も緑の靄がかかっており、所々崩壊して学校の姿をギリギリ留めている有様です。


▶桔梗 ローカル知識

 成功

▶一番校舎で崩れているのは……パソコン室だろうか?


枯尾「――どうします?」

桔梗「――――勘になりますが、あの警備員動けなさそうです。あとたぶんあの場所、パソコン室です」


もみじ「まあアレ見りゃあねえ。動いたらグロ映像確定よ」


棗「さっきとは少し雰囲気が違いそうだな。ならそこへ向かおうか」


▶桔梗 脱出術

 失敗 13ダメージ

▶もみじ 通常攻撃

 成功 987ダメージ

▶桔梗がパソコン室の方をもっと詳しく見ようと少し突出すると、羽根に棘のようなものがつき、千枚通しのような牙を持った緑色で、頭が溶けたようなコウモリとすら言い難いものに噛まれます。噛まれた瞬間にもみじが銃床で無理やり引き剥がし、撃ち殺し、キラキラしたものに包まれます


桔梗「っ!はぁ、はぁ……。やっぱり夢じゃないのね」

枯尾 「――傷薬、いります?」


もみじ「そろそろ、ゲームだとボスのお出ましよ。覚悟、しないとね」


棗「おいもう少し守ってやれ……。しかたない」

桔梗「ごめんなさい……いただきます」


▶棗 回復薬 桔梗

▶枯尾 高速回復薬 桔梗


桔梗(私にも、力があれば……)


もみじ「じゃあボス狩りの時間よ。私は奉ちゃんを鍛えておくから任せたわよ」

奉「……えっ?」


棗「頼んだ。って、こっちは見てやらんのか」


もみじ「なんとかなるでしょ。守ってあげなさいなツンデレガンナーさん?」


棗「そこまで親切にしてやる義理はない。これもくれてやる、逃げるぐらいはちゃんとするんだな」


▶棗 もこたんの羽 譲渡 桔梗


桔梗「……はい」

枯尾「攻撃は出来るだけ僕が引き受けますが……。危ないと思ったら逃げてください」

棗「入るぞ」


もみじ「天然のツンデレねえ……。じゃあ奉ちゃん、あなたには伝えないといけないことがあるの。――薄々気づいてるかもだけど」

奉「……はい」


――生と死の境界 ???――


▶一人、病院に来ていた。病院の方も近づいていくとカチ、カチと音がなっても光景が固定され、ドロドロに溶け、鉄骨が緑色の謎のものにコーティングされており、病院の面影すらなくなっています。中に入ると緑色の一つ目で四足の妖怪が病院のあちらこちらに目を光らせており、それらは一様に目玉をギョロリと動かしこちらを見ると、すっと影に溶けていきますね。病院のように見える場所に静寂が帰ってきます


小菅沢「――あの不気味な緑色の一つ目、以前僕の背後に現れたもの同じ!ここが、奴の巣窟と見てもいいかもしれませんね……。」

小菅沢「病院内にはコウモリは見えませんね、普通に考えれば当たり前ですが、怪異の元凶としてはおかしいですね。墓地のほうですか」


――時の歪み ???――


▶墓場の方に足を向けると、風景が壊れすぎて火山のようになっています。地面は割れ、緑の溶岩のものが流れており触れると良くないことが起こりそうだと本質的に感じます。

そこの中心に大きくまるまると太ったネズミが赤い目を残影のようにたなびかせ、こちらを見ている、見覚えのあってほしくなかったコウモリの何かを捕食しているようです


結「ネズミがコウモリを……食物連鎖ってやつかなー?」

小菅沢「結さん!?小学校に行ったのでは!?――あのネズミ」


▶過去、地下で見たものより4倍以上の大きさですね


結「小学校に行ったら、墓地にコウモリが居るって聞いてー」

小菅沢「地下で見た時のものより倍以上の大きさになってる!これが原因なのはほぼ間違いがないですね。結さん!やりますよ!」

結「はーい、支援は任せてください」


花恋「これが私の初陣……。秋夜、ちゃんと見ててね。これが、この光景が現実なんだって……。私、受け入れるから」


▶花恋の洋服がみるみる袖だけ長い和服に切り替わります。短めの裾が少し扇情的に映ります


▶小菅沢 通常攻撃[呪い追加攻撃]

 成功 27ダメージ


▶花恋 完全コピー準備(対象の直前の動きを完全に同じ動きを3回行う。発動に1ターンかかる)


▶結 常連[クラスタ沼、水着]クラスタ沼


小菅沢「人手が足りないので容赦はしません!『蓮実穿』!!ィーヤヤヤヤヤァア!!」

花恋「ひらりひらりと舞い踊るわ……私の覚悟の現れ……!」

結「私も火力支援しないとー……、えい!」


▶暴食の支配者 暴れまわる(火。全体物理5d5)

▶小菅沢結 回避判定

 成功

 失敗 15ダメージ

[呪い:15ダメージ]

[クラスタ沼]35ダメージ


▶太ったネズミは捕食中のコウモリを地面に叩きつけ、地面に思いっきり擦って発火させ、そのままの勢いでコウモリを離します。熱さと死ぬ恐怖で全身炎に包まれたコウモリが我武者羅に突進してきます


▶小菅沢 通常攻撃[襲爪雷斬]

 成功 27ダメージ


▶花恋 完全コピー(対象の直前の動きを完全に同じ動きを3回行う)

 成功

 成功

 成功 計81ダメージ


▶結 常連[溶ける水、溶ける水]道具速度[溶ける水]


小菅沢「繰り返しますが容赦はしません、フゥッ!」

花恋「幻影よ我が元に!追撃しなさい!」

結「溶けろー!溶けろー!」


[怯み]失敗

▶暴食の支配者 スキップ

[溶ける水]71ダメージ


▶大きいネズミは大きな巨体を右に動かし、名もなき躯と化します。腹の中から小さなネズミが散り散りに逃げ出し、躯の身体には宝石が一つ輝いているのみだった


花恋「見た?私は見たよ。秋夜、玲海。あなた達も見たよね? ――――怖いね」

小菅沢「これは……」


▶小菅沢は宝石を拾い上げます。鈍く白く光る宝石で、見ていると時間感覚が狂ってしまいそうです。――ですが、資料で見たものの3分の1ほどの大きさしかありませんでした


小菅沢「これはあの本棚で調べた宝石……。でも小さいですね……。――石ですからいくら飲み込んだと言っても消化されて小さくなったとは考えにくい。という事は……」

結「花恋ちゃんは何か分かるー?」


花恋「はい。秋夜の家にある歴史書の、時戻しの瑪瑙に近いものだと思います。椿さんのところに行ったんですよね?」


小菅沢「え、えぇ。その時本棚でこの宝石の記事を見ました。確かガマガドキというものが飲み込んだとか書いていましたね」


花恋「大禍時ですよね?それも実家の本に書いてましたよ?確か……緑で、四足歩行で、一つ目の……ほら!マブカプのシュマゴラスみたいなやつですよ!」


結「あれー?じゃあこのネズミとは違う?」


花恋「さぁ……。そこまでは」


小菅沢「大禍時……?緑、四足歩行……、一つ目!名前は知りませんでしたが、その外見の物には覚えがあります……」


結「つまり、それがこれの元凶ってことですよねー。たぶん」

小菅沢「霧江さんはその大禍時についてどこまでご存知なんですか?」


花恋「いやはー……勉強不足でこれが全部だよ……」


小菅沢「なるほど、ありがとうございます、今はそれで充分です。――しかしネズミを倒したというのに怪異が解決しない。これが原因というわけではなさそうですね」

結「他の人達は何処に居るんですー?」


花恋「さぁ……?神社に行けば帰れるんじゃないんですか?詳しくないんですけど」


小菅沢「神社になにかあるんですか?」


――原初の到達点:アイリスオンラインⅠ ―


▶パソコン室に入ると、あの時入ったパソコンの画面が光っています。思い切って入ると闘技場のような広いフィールドに出ました。少し明るい青髪の男が、少しニヤつきながら話しかけてきます


男「おうおう来なすったか。まさかバレるとはな。というわけで私は逃げるよ。じゃあね!」


▶電脳のようなエフェクトっぽいものと共に男は消えます。代わりに真っ赤な鎧を着た兵士と、後ろにクラゲのようなものが浮かんでいます


棗「ちっ、すんなりいかないもんだな」

枯尾「上手くいかないのが人生、だそうですよ」


枯尾「花咲け『刃桜』!朽ち果てよ『赤鰯』!」

棗「敵は2体か、狙い撃つ」

桔梗「ゲームだの漫画だのよくわからないけど……」

桔梗(もみじさんの言っていたことはわからない。けどもし私に素質があれば、理想を実現できるなら! 理想の自分を……昔夢見た、憧れたあの姿を!)

桔梗「足手まといは……もうゴメンなのよ!」


▶叫んだ桔梗を光が包みこんだ。光が収まったそこには、身の丈に合わない大弓を構え、桔梗の花があしらわれた青を貴重とした袴を着た皇桔梗すめらぎ ききょうの姿だった


棗「――少しは期待してみてもよさそうだな。精々自分の力を見誤らないことだ」

桔梗「今までより、ずっとよく見えてます。できることも……、わかっているつもりです」


▶桔梗 鷹の目 通常攻撃

 成功 35ダメージ


桔梗「イメージは必中、的のど真ん中……当たれッ!」


ミノリコイヴニング「システム→F1のスキルショートカット技能作動」


▶ミノリコイヴニング サンダーボルト(風。自然反応全体8d5)

 24ダメージ

▶斧をくるくると回して、雷を伴った風を発生させ全体の身体を切り刻みます


▶棗 通常攻撃

 ノーダメージ


棗「硬そうだな、サポートする。悪いが2人で崩してくれ」


アキスライム「試合援護→F1ショトカ→ホーリーライト!」


▶アキスライム ホーリーフラッシュ

 32ダメージ

▶クラゲのような魔物は触手を器用に動かして、十字架の白い光を枯尾のいる場所に発生させます。見た目とは裏腹に非常に熱く、常人なら激痛で動けなくなりそのまま昇天する程ですね


枯尾「――さて、行きますか」


▶枯尾 ジャンプ


▶枯尾 道具速度+[回復薬、回復薬G]通常攻撃[必中]

 50+28ダメージ

[攻撃数追加]30+10ダメージ

[自動サンクチュアリ(割り込み。サンクチュアリの効果)]

 30回復

▶4本の刀を印を結んで自動展開させ、それぞれの刀から鋭い桜の花びらと鋭く尖った赤錆の塊が飛んでいきます


枯尾「世界よ歪め!―――『刃桜の舞』!」

桔梗「硬い……。けど、今なら撃ち抜ける!」


▶桔梗 鷹の目 通常攻撃

 21ダメージ[追撃]8ダメージ


桔梗「これでもまだ……」


ミノリコイヴニング「難所→サンダーボルト→ロールアウト。F2で効率化」


▶ミノリコイヴニング サンダーボルト

 29ダメージ

[枯尾:スライド式携帯電話、オンリーイベントカタログ]


棗「見た目通りタフなやつだ」


ミノリコイヴニング「動きの効率化を前提に、捨て身の突撃を敢行」


棗「仕込みは上々。なら後は狙い撃つ!」


▶棗 ポカリ 転移石 通常攻撃[狙撃]

 成功 29ダメージ

▶アキスライムの頭に命中するとおもむろに立ち上がり、やられたと言わんばかりにくるくる回ってひっくり返り、消えます


棗「そっちは任せた」


▶枯尾 通常攻撃

 成功 41ダメージ

▶膝を付き、ビリビリとしたエフェクトが出た後、兜から赤い目が出てきます


枯尾「これでトドメです!――世界よ歪め!―――『刃桜の舞』!からの―――『錆落とし』!」


ミノリコイヴニング「大禍時が近い……。大切な人は必ず守ることだ」


▶そう言うと機能停止したように再び赤い目が消え、本体もゆっくり消えていきました


枯尾「ふふふふ。またつまらぬ怪異を斬ってしまいました」

桔梗「やれた、私にも……」

棗「さっきのやつには……、追いつけないか」

枯尾「どうです?自分で言うのもなんですがかなり強くなったと思いません?これはやっぱり愛の力という奴でしょうか?」

桔梗「あの、このあとはどうすれば?」

棗「ん?帰るんだが……。お前ら来る前にお祈りしてき……、てないのか……?」

桔梗「お祈り……?」


――四重結界萩野朱鷺森神社 ???――


▶神社で花恋が開いた悪鬼が青色になっています。ここからならある程度安全に帰れそうだなと思いました。


結「青くなってるねー」

小菅沢「最初からそうではなかったんですね。帰りに悪鬼の入り口を見るのは久しぶりですね」


花恋「じゃあ、戻りましょうか」


――原初の到達点――


▶校舎からもみじが走ってきます


もみじ「生きてる?生きてるわよね??」


棗「ああ、全員無事だ!」


もみじ「結構ボロボロね……神社に帰りの悪鬼反応が出たわ。本なりで帰れるやつは即刻帰還!ダメなら神社まで走って!」


枯尾「ふふふふ。僕はまあなんとかしますが……。他の方は大丈夫でしょうか?」


奉「みなさん大丈夫ですか……?みんなを守って!」


▶神官のような服を着た奉から緑色の優しい光が出て、一同の傷を癒やしてくれますね


棗「俺はそのまま帰れるからな。桔梗、は……。走って逃げろ。あの羽がお守り代わりにはなるだろう。健闘を祈る」


もみじ「じゃあ私たちは戻るわよ。また喫茶店でね」

奉「頑張って……!」


枯尾「では桔梗さん。その……まあ、頑張ってくださいね?」

桔梗「……?とにかく、ここから神社へ行かなきゃいけないのね。大丈夫まだいける……」


脱出判定

枯尾 3失敗 30ダメージ

桔梗 4失敗 8ダメージ

[桔梗:回復薬、回復薬G]


――四重結界萩野朱鷺森神社 ???――


枯尾「いやあ、中々に危なかったですね。まあこの程度ならまだ大丈夫ですが」

桔梗「はぁ、はぁ……。抜けた?」

枯尾「ええ、大丈夫ですよ。よく頑張りましたね」

桔梗「あそこに、行けば?」

枯尾「さあ、帰りましょうか」

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