S02 萩野秋夜の隠し事 3月4日
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俺の楽しみだったんだ。
青春時代のほとんどを捧げてきた。
その青春は暗黒に閉ざされた
消ゆるは俺の思い出か、俺自身か
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――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM11:20――
千場「…………」
▶千場 ゲーム
失敗
▶ネトゲで通常ではありえない速度で敵を奪い取り、経験値を取らせない謎のPC「シズハナイト」に困らされています
千場「……うがああああああ!!!ちょっとなんなのよ!こいつ!!」
千場「こっちは初心者なんだから、ちょっとは手加減したり手取り足取り腰取りしてくれてもいいじゃない!!」
――朱鷺森市 朱鷺森高校:教室 AM10:45――
ことり「んー、ずっとやってるのはリフレク、あと最近やってるのはGGかなあ」
ことり「と言っても私あんまりうまくないよ?」
秋夜「い、いや。最近俺アケゲー始めようと思ってさ。どうせならやってるやつにご教授願いたいななんて、さ。思ってたんだ。どっちのほうがオススメ?」
ことり 「個人的に秋夜くんに合いそうなのはGGかなあ。音ゲーとかあんまりやらなさそうだし」
秋夜「そ、そうか。あ、ありがとな。で、出来たら今度通ってるゲーセン教えてくれないか?実は格ゲーも数えるほどしかしたことなくって」
ことり「うん、いいよ。じゃあまた今度。といっても本当にそんなにうまくないけどね」
秋夜「あ、ああ……!取り敢えずライン教えてくれ。暇な時呼んでくれると助かる」
ことり「ん。わかった」
秋夜「おう。お、俺次移動教室だから……!」
ことり「ほいよ。また後でねー」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM16:00――
彩音「お湯の温度はこれでいい……後はっと……うーん」
もみじ「今日はmaimaiが3クレ100円だよ。難易度13フルコンしたらコーヒーお・ご・る・わ・よ!!」
彩音(……あっ、おしゃまで腕やられた人がいる、南無)
▶怪しい長身の女性がお札の枚数を数えています
もみじ「あわれなり」
彩音「店長ー、この紅茶誰の注文でしたっけー」
もみじ「あーそれ?棗くん。後ろからこっそり投げボタン暴発させちゃいなさいな★」
彩音「そんな外道なことしませんよ……。棗さん、近くに置いておきますね。はーい、少々お待ちくださーい」
棗「ブルーアイズマウンテンおかわりだって言っただろ!?何のつもりの当てこすりだ!?」
枯尾「あ、すみません。紅茶の牛乳割りを砂糖多めで」
このは「すいません、このはにもオレンジジュースをお願いします~」
小菅沢「こんにちは、マスターさんお邪魔しますね」
彩音「あーはいはい、私に言わないでくださいねーっと……。はいいらっしゃいませー」
鳥江「今日も騒がしいですね……」
\ナンナノ!?コレ!?チョットマスター、コレコワレテンジャナイノ!?/
もみじ「取り敢えず私に言うのやめろ★」
彩音「わかりましたー……。はいこちら、紅茶牛乳割りの砂糖多めです」
枯尾「ありがとうございます。やはり"人"狩り終えたあとはこれですね」
小菅沢「アッ……!アヤッ……水上さん!すみません紅茶を……」
彩音「はいただいまー……」
彩音(今日は人が多いな……)
\ギャー★ギャー★/
ことり「こんにちはー。おお、勢揃い」
彩音「えーっと、オレンジジュースです。そして紅茶をどうぞ」
このは「あっ、ありがとうございます!」
棗「紅茶あめぇ」
謙二「ことりさんもすっかり馴染んじゃいましたね。――まぁ、仕事が減るのは嬉しいですけど」
ことり 「手伝うよ彩音」
彩音「仕事だからいいの、座ってなさい」
ことり「はい」
枯尾「……いいですね。平和は良いことです。平和でないのはいけないことです」
小菅沢「それっと……貴方は前回の悪鬼でご一緒しましたね、確か秋月さんでしたっけ」
このは「そうですよ~、秋月このはです。この前は本当に同行しただけでしたけどね~」
小菅沢「いえいえ、ご謙遜を、僕の方こそ特になにもしてはいないのでぇ、ぇへへ」
このは「小菅沢さんはしっかり羅刹に攻撃与えてたじゃないですか~。このははまず追いつけなくって……」
小菅沢「攻撃を与えることが優秀な兵士というわけではありませんよ、各所を守る事に役割があるんですから、そこに居ることに意味があるんです」
\真貴さん!こっちに肉たっぷりハムサンド2つ!大至急!婚姻届けと一緒に持ってきて!/
棗「だが断る。あと俺は今客だからな」
\ナンダヨーケチー★/
謙二「僕も喉乾いたのでウーロン茶を」
彩音「注文はこっちですよーっと……。はい、少しお待ちを」
▶枯尾 ゲーム
失敗
▶ものすっごく下手くそなプレイでカモにされていますね
枯尾「ゲームはいけませんね……。自分を見失う……。僕は誰……僕は枯尾花……幽霊の、正体見たり、枯尾花……ふふふ」
▶千場がトボトボとみんなのトコに歩いてきます
千場「そう、ゲームは見失うのよ……。さっきネトゲでボロボロにされた傷心のみらのさんを癒してよ」
千場「あー!天狗ショタくんいるじゃーん!ちょっとちょっと私は今絶好調になった!」
千場「天狗ショタくん!聞いてよ~、さっきマスターが壊したネトゲやってたんだけど~変な奴がいてさ~><」
▶小菅沢に頰ずりをしますね
小菅沢「ぅわわわわあ!!!みらのさん!?ちょっとなにしてるんですか!!え?ネトゲ!?ネトゲってなんのですか!?」
千場「ネ・ト・ゲ★ えっと……『アイリスオーヤマ』?とかいうやつ」
棗「賑やかだなあいつは……。ところで綾瀬ちゃん、あれ以来大丈夫かい?変なのにからまれたりしなかったか?」
ことり「変なのって言われてもなあ。一番変なのここの人たちですし」
棗「ああ……それは言えてるな。――なら、大丈夫そうか」
このは「……それってこのはもはいってるんでしょうか~?」
小菅沢 「家具を揃えるゲームですか?ネトゲといえば僕も最近PCなるものを手に入れまして!アイリスオンラインというゲームを始めてみようかと、もしかしてそれですか?」
千場「そうそう!その『アイリスオーヤマ』ってネトゲにさ、静葉ちゃんナイト★っていうくっそ強いやつが経験値根こそぎ持ってくのよー><」
もみじ「はいしゅーごー★それっぽい調査項目がこっちに来たよ!棗くん来ないと深夜に段位落としといてあげるぞ★」
小菅沢「それっぽい?経験値根こそぎ持っていくという事の絡みですか?」
棗「毒虫が……」
千場「エッグゥ……」
謙二「……」
▶謙二が席を立った瞬間に集合が掛かったのでしぶしぶ集まります。枯尾がじんわりと背後に立ってきますね
枯尾「人狩りの後は怪異狩り……本日の怪異は電子の世界でしょうか……?ふふふふ」
彩音「はいはい、あーもうエプロンが地味に大きくて動きにくい……」
もみじ「えっと、まずその件の『アイリスオンライン』がそろそろサービス終了なの知ってる?」
千場「おう」
小菅沢「え!?そうなんですか!?陰木君と一緒にやろうって思ってたのに……」
このは「このははアイリスオンライン自体、名前ぐらいしか……」
千場「マスター★私に始めさせといていきなり終わりとかなんだよー★」
もみじ「で、ゲームの運営も暇だったんか知らないんだけど最新技術を駆使してbotやチーターをガチで取り締まってるの」
綾瀬「サービス終了するっていうのに熱心ねえ」
棗「確かに今更熱心な事だな」
もみじ「だから、その手の輩は今の人間風情の技術じゃできっこないわけ。でもできるってことは……?そういうことだと思うのよ」
千場「私も最新技術を駆使して永久就職させてほしいわ」
もみじ「やめとけ!やめとけ!干物で干上がってるようじゃ無理ゲーだわ★」
千場「誰が干瓢だ。表出ろ!」
彩音(……水をかけたら少しはマシになるかな)
枯尾「怪異の仕業、ですか」
ことり「んー?いまいちピンとこない」
謙二「きっと怪異じゃなくて運営が取り締まるのを飽きちゃっただけですよ。うん」
ことり「チーターとかってBANされても別垢作っておなじことしてるイメージだったけど」
千場「別垢?なに、いたちごっこなの……?めんどくさ……」
もみじ「で、アタリはつけてるの。萩野秋夜って少年。彩音ちゃんとかことりちゃんは知ってるんじゃない?」
ことり「はえ?秋夜くん?」
彩音「――名前くらいなら」
このは「アタリまでついてるんですね~。今回は何もしなくてもよさそう?」
棗「それなら調査は2人に任せて俺はのんびりしてるかー」
小菅沢「ところどころよくわからない単語が飛び交いましたが、そこで僕たちは具体的に何をすればいいんでしょうか?」
千場「じゃあ私も真貴さんとのんびり余生を過ごすわ?」
棗「干瓢は返品しておこう」
千場「渇いてないわよ、もういつでもウルウルよ!特にあのあたりが」
もみじ「まあこっちが噛んでるから別垢どころかパソコンからアク禁できるようになってるわけ。ということでJKちゃん達は萩野くんの調査、男どもは駅前で不審者の調査、行き遅れと行けてすらない女子と他はググってちょうだい」
枯尾「怪異を狩らねばいけませんね。生活の糧ですよ、娯楽は」
ことり「はえー、もみじさんなんでもやってるなあ……」
棗「不審者?」
小菅沢「不審者の調査……目星はその萩野さんという方では?」
もみじ「まぁ一応裏もとっときたいわけ。じゃあ頼んだー★私はこれからヴァナ・ディールの戦士になるのよ」
枯尾「不審者!怖いですね。私のように普段廃墟で過ごす身には恐怖でしかありません」
小菅沢(それは不審者なのでは……?)
千場 「なんだ……新人ちゃんの知り合いなんだったら『お願い、私のためにももうやめて!』とかいって止めさせたらいいだけじゃない★」
謙二「――まぁ駅に不審者なんて早々居ないだろうしいいか………」
彩音「はいはいわかりました、お金は準備しておいてくださいね……。エプロンはここに置いておくとして、ほらことり、行きましょう」
ことり「よし、れっつごー」
枯尾「――――……そういえば初めて会う方もいますね。僕の名前は枯尾花です。皆さんよろしくお願いしますね。ふふふふ」
小菅沢「あっ、ハイ!よろしくお願いします!ぼ、僕たちは駅前に調査にいきますのでー!それでは!」
棗「――背中には気を付けておけよ。さっさと行くか」
千場「そうだな、旦那。さっさと片づけて、晩酌にしようぜ……」
謙二「枯尾花さん、そろそろ肩が痛いんですけど……」
枯尾「おや、失礼。よろしければ揉みますよ?タダでは揉みませんけど。そうでしょう?ふふふふ」
――朱鷺森市 朱鷺森駅 PM17:00――
謙二「不審者なんて居なさそうだし、もう後は他の人に任せても大丈夫ですよね?」
小菅沢「不審者と一言にいいましても、不審者を探している僕たちがどう考えても不審者ですよね」
▶棗 世間話
成功
▶小菅沢 変装
失敗
▶鳥江 視線
成功
▶どうやら駅前ではスタンプラリーが行われているようですね。『今話題沸騰のMMORPG!アイリスオンライン!!』と書かれています。駅員さんが不審そうな目でこちらを見ていますね。
棗「すみません、アイリスオンラインってもうサービス終わるんじゃ?」
男「おっ?お前もキリツグ目当て?それともアスカ?」
棗「えっ、何それ。知らない情報だ……」
男「えっ?――ああ違う違う!クソゲーのアイリスオンラインじゃなくて、そこそこ良作のアイリスオンラインⅡがこないだ出たんだよ。で、この黒いのと白いのはⅡの主人公とヒロイン」
棗「あー!そうだったんですか、いやぁ勘違いしてた……ありがとうございます。――――ちなみにお勧めはどっちですか?」
男「おう。ハマってくれると嬉しいぜ!――――――俺個人だとこの遠距離妹キャラのナオカちゃんだな」
棗「なるほど……。盲点でしたね……感謝」
▶鳥江 仕事知識
成功
▶小菅沢 情報分析
成功
▶棗 ゲーム
成功
▶鳥江 聞き耳
成功
▶スタンプラリーで完走すると、女の子5人のうち1人の抱き枕カバーがもらえるなかなか攻めた企画のようですね。ファミ通で39点を取った前代未聞のMMORPG!声優多数!っていうフレコミらしい
▶スタンプラリーは今日からで、香川、岡山、長野などが対象地域のようです。
謙二「やっぱり不審者なんて居なくないですか?」
棗「なるほど。文字通り話題沸騰なわけか」
小菅沢「抱き枕が景品か……。――スタンプ自体も、普通のもののようですね」
棗「不審者と言っても、いつ目撃されたのかもどんな不審行動をとっていたのかも分からないからな」
小菅沢「そもそもその不審者というものが存在するのかどうかさえ分かりませんしね」
男「やっぱアスカかわいいよなぁ。キリツグが羨ましいぜ」
男「まあでもキリツグの親の前作主人公のキリカ?ってのがクソよな。ハーレムだけ作ってんじゃねえよっていう」
男「まあそのせいで義理の妹のナオカちゃんが産まれたからセーフ」
男「それな」
▶棗 情報分析
成功
▶不審者情報なんてない!もみじさんのでっち上げっぽいぞ!
棗「総括。そんな情報はありませんでした、と。よし帰ろう」
謙二「え、帰るんですか……もうちょっとゆっくりしましょうよ」
小菅沢「スタンプ……押していきます?」
棗「あ、俺も並ぼう」
小菅沢「手ぶらで帰るのもなんですしね……」
謙二「じゃあ僕ジュース飲んで待ってるんで……」
小菅沢 「はい、鳥江さん、押してきましたよ、どうぞ」
鳥江「――しょうがない、帰りましょうか」
――朱鷺森市 朱鷺森高校:廊下 PM17:00――
先生「あー綾瀬に水上か。ちょうどよかった!萩野にプリントを渡す予定だったんだよ。渡し忘れててな?な?」
彩音「見返りがないとやりませんやる気が起きませんやりたくありません」
先生「仕方ない……本当はうちの学校はバイト禁止なんだが――……仕方ないなぁ」
彩音「わかりましたよ……。もうそれで何度頼まれごと聞いたと思ってるんですか」
ことり「渡しに行くのはいいんですけど、なんのプリントですか?」
先生「流石うちの生徒だよ!これは萩野の出席停止のプリントだ。親御さんに渡してなかったみたいでな」
ことり「出席停止?秋夜くんどうかしたんですか?」
先生「知らないのか?パソコン室にゲームを入れてたのがゲーム嫌いの教頭にバレたらしくってなぁ……。――気の毒に」
彩音(うわぁ……)
先生「すまんがその辺も含めて言ってきてくれると助かる」
ことり「いやあ……自業自得でしたか……」
彩音「――住んでるところ住宅地でしたっけ?」
先生「水上ィ。朱鷺森に住んでるなら知っとけよ。萩野は萩野朱鷺森神社の一人息子だよ」
ことり「とは言えそれで出席停止にまでなるんですね……」
彩音「神社の息子がゲームで出停、か……。まあいいです、では行ってきますね」
ことり「それじゃあいきましょ。先生さようなら」
――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社 PM17:20――
▶特に変わったところはない神社のようですね。街で一番大きく、境内も広いです。主神はクニシヒノタマと書かれています
ことり「こんばんはー」
彩音「お届け物でーす」
秋夜「お!……おお!あ、綾瀬。――――それに水上。ど、どうしたんだ?」
ことり「先生からプリント届けてってさ。はいこれ」
彩音「こちら、PC室でゲームをしてしまった結果教頭に見つかり、出席停止処分になった人に贈られるプリントとなっております。タイミング悪かったねっと」
ことり「いやまあ自業自得とは言え、それで出席停止にまでなるのは流石になんというか、どんまい?」
秋夜「お、おお。さんきゅーな。――ってマジかよ俺そんなことしてねーぜ?」
彩音「――ん?どういうこと?」
ことり「うん?」
秋夜「いや確かに俺ネトゲ好きだしやってるけど、俺やってるのアイリスオンライン無印なんだよ。それに、あそこ入ってるのアイリスオンラインⅡじゃねえか」
ことり「ほへえ」
彩音「――じゃあ教頭に見つかったとかは?」
ことり 「というか、ゲームが入ってた事自体はしってたのね」
秋夜「ないない。俺真面目にやってるしよ。――まあ……、PC室にゲーム入れようとした時見ただけなんだけど」
ことり「ただの未遂だったか……」
秋夜「だから俺じゃねーよ。そもそもアイオンⅠもうすぐサービス終了するから俺も引退だしな」
ことり「あれま、終了しちゃうんだ」
ことり「うん?でもそれじゃあ濡れ衣?じゃあ教頭先生はどうやって秋夜くんって断定したんだろう?」
秋夜「まああんなクソゲーやってるのなんて、今は俺とシズハナイト、それにピザチーズくらいだしな」
彩音「――シズハナイト?その人と知り合いなの?」
秋夜「いや、延々やってて狩場邪魔してくるガチ勢。俺はミノリコイブニングって名前」
彩音「ガチ勢かぁ……。動きがチーター特有の瞬間移動とか、一撃だったりとかじゃなくて?」
秋夜「ギリギリbotとかじゃねえんだよ。課金装備ガチガチでいつもいるんだわ。会話で煽ってくるし。――――というか綾瀬はともかく水上がそう聞くのって意外だな。ゲームとか嫌いだと思ってたわ」
彩音「紅葉でバイトしてると、そういう愚痴とかが聞こえてきたりするものよ……。他に、そいつについて知ってる情報はない?」
秋夜「おっおう……、なんだその食いつき。そうだなぁ……、1回熱出してる時昼にログインしたんだけどその時もいたし、1回垢乗っ取られたこともあったか」
ことり「乗っ取り」
秋夜「まあ場末もいいとこだし悪用はされんだろうなとは思ってるわ」
彩音「昼もいるとかニートか引きこもりか何か……?」
ことり「ううん。まあともかく、秋夜くんじゃないとしたら一体誰なんだろうね、ゲーム入れた人。流石に濡れ衣で出席停止はかわいそうすぎるし」
秋夜「わからん……。それで……綾瀬。どっか出かけるのか?水上と一緒ってのも珍しいイメージだわ。――――あっ悪い意味ってわけじゃないぞ」
彩音(私のイメージ像どうなってるんだか)
彩音「今から二人でデートでもするんだったら私は帰るけど」
秋夜「バ、バッカ俺と綾瀬はそんなんじゃねーっての!な?なぁ?」
綾瀬「いやまあ。あ、でも本当にしてみる?デート」
秋夜「う、うぇっ。ま、まぁ綾瀬がそういうなら俺もやぶさかでもないっていうかなんというかさ。――――――――――……お、お願いします」
彩音(見え見えで胃もたれおきそう……)
彩音「あっそ。じゃあ私は先に帰ってるわね……。馬に蹴られたくないし」
ことり「それじゃあ今度、美術館の紅葉でね」
秋夜「あ、あぁ……。じゃあまた今度な。水上にもよろしくと伝えてくれ」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM17:15――
千場「ググれって言われてもねー……」
枯尾「残念ながら僕、この手の機械に弱いので」
このは「何を調べればいいんでしょうね~」
千場「とりあえず……、ネトゲで調べてみたらいいんじゃない?」
枯尾「とりあえず適当にやってみましょうか」
▶千場 ゲーム
失敗
▶秋月 落ち着かせ
失敗
▶検索履歴 アイリス クソゲー [サービス終了][死ね][シズハナイト]
▶最近話題のゲームはNintendo Switch!ゼルダの伝説面白い!やばい!クリアできない!
枯尾「ゼルダの伝説!知っていますよ。名前がどろぼーになるんですよね」
千場「ゼルダの電鉄って面白いのか、花ちゃん今度やろうよ」
枯尾「残念ですがゲームをしようにも住居がないので」
千場「なに?まだホームレスなん?ウチくる?毎日おっぱい揉ませてくれてら家賃10,000円でいいよ」
枯尾「指を折ってよろしいのであればどうぞ」
千場「フフーン甘いわね。私の指、手の甲にこうやって……こう……、や……つかないのよ!」
枯尾「大丈夫です。僕の握力であれば前後左右自在に折れますから」
千場「すごーい……」
▶おーぷんでスレ立てをして待っていると書き込みがあります
名無し「シズハナイトまだいたのか草」
名無し「ワイの昔の憧れだったンゴねぇ……」
このは「シズハナイト自体は、昨日今日現れたっていう話じゃないみたいですね~」
千場「あ、そうなんだ。――なんだ、じゃああいつ前から経験値分捕ってたんかい」
このは「チート行為をいつからやってるかはまた聞いてみないとわかりませんね~」
枯尾「どうやって聞くのでしょうか?番号も分からないでしょうし」
千場「こういう時は直球よ直球」
▶千場 世間話
成功
名無し「おーぷんJに混じるには珍しいやつだな」
名無し「スレ建て初めてかな?力抜けよ」
名無し「シズハナイトな。あれ学校の先生らしいで」
名無し「IP逆探知してみるわ」
名無し「勇者乙」
名無し「IP筒抜けで草 朱鷺森高校って出たわ」
名無し「近所じゃねえかwww」
名無し「高校生がシズハナイト……?いやでもワイが見たの14年前やぞ」
名無し「先生って書いてただろガイジか?」
千場「学校の先生らしい?ドユコト」
枯尾「教師は殺してもいい命です。なので犯人は教師ですね」
千場「物騒すぎるわ」
このは「は~、ネットってすごいですね~」
千場「まぁまぁ落ち着け皆の衆」
▶千場 イベントサーチ
▶IPの本人は朱鷺森高校のパソコン室にいるぞ!
千場「ふむ……。なんか本物っぽいねコレ」
枯尾「ですが……僕は人間を殺しません。怪異なら殺します。人間なら指を折ります。愛しい恋人のように。愛していませんからね」
千場「いやだから物騒すぎるわ」
枯尾「僕は平和主義者です。安全に解決するのであればそれに越したことはありません」
このは「でもじゃあ、マスターが萩野さんにアタリをつけてたのはなんだったんでしょう」
千場「まぁ見ててよ。さっきの情報ってやつをこのみらのさんのパワーでだね、こうやって光が差した方向に次の情報がうんぬん」
千場「――ってわけだからまぁ情報は合っているはず」
このは「そうでしたかぁ」
▶秋月 質問
失敗
もみじ「んー★萩野秋夜が怪しいってのはタレコミだからね。私は知らんのだ★」
千場「タレコミって情報も一緒に伝えろよ★」
もみじ「忘れてたんだよ★明治の結婚できる年齢と一緒だよ★」
枯尾「さて、犯人は朱鷺森高校の教師のどなたかですね。怪しい方がいればその人に聞いておしまいです」
千場「ばあさんや、わしも最近物忘れが激しくなってきたんじゃよ……。速く婿殿が欲しいんじゃよ。ハムサンド2つまだかのぉ……」
もみじ「ばあさんがいないからとっとと調査してくれないかのぅひいばあさんよぉ……」
枯尾「年齢の話はやめましょう。誰も得しません」
▶謙二達が戻ってきます
謙二「帰りましたよー」
小菅沢「ただいま戻りましたー、やはりこれと言って有力な情報は得られませんでした。」
棗「おいヘボオーナー。歳に見合った言動をするのはいいがいい加減な痴呆はやめてくれ。不審者情報なんてどこにもなかったぞ」
千場「おおーおかえりー天狗ショタくーん!寒かっただろうさぁこっちにきてみらのさんの胸の中で温まりなさいな」
小菅沢「みらのさんはお気持ちだけ、マスター暖かい飲み物を頂けますか?」
もみじ「えー★でも駅員から不審者情報が3人ほど来てるんだけど???」
小菅沢「人間の情報伝達速度は凄いですね……きっとそれ僕らのことですよね……」
棗「何!?って言うと思ったか!どうせそれは俺たちのことだろう!」
千場「ウソッ……真貴さんが不審者になるなんて……」
もみじ「めんごめんご★で?めぼしい情報とかとか~?」
枯尾「駅で不審者ですか。僕もあの駅はよく痴漢の方の指を折りに行くので不審者がいるというのは怖いですね」
千場「どう考えても犯罪者だよ」
もみじ「へい。で、彩音ちゃんとことりちゃんは?カレシとどっかにフケちゃったり?」
棗「めぼしい情報などある物か。不審者なんて掠りもしないこんな物だけだ」
小菅沢「ありがとうございます。僕も一応もらってきましたスタンプ、スタンプ自体も普通の物でしたね……」
千場「お、なにこれ?スタンプラリーじゃん、景品は?景品は?」
鳥江「今日は仕事せずゆっくりするつもりだったんだけどなぁ。――骨折り損だ」
▶彩音達も戻ってきます
彩音「はいはい、帰ってきましたよ……。ことりはデートするだとかなんとか」
ことり「ただいまー。先帰っちゃうなんてひどいよ」
このは「あれ、デートじゃなかったんですかぁ?」
枯尾 「デート!いいですね。学生時代に聞いたきりです。嘘です。記憶喪失なので覚えていません」
千場「花ちゃんって楽しそうねー」
もみじ「明治ブルガリアヨーグルトより彼氏できるのはやいのね」
棗「腐ってしまったのか」
ことり「いやあ、そもそも今度一緒にゲーセン行こうねって約束してたし、約束の再確認?みたいなのだよ。ちょっと茶化して言っただけで」
水上(あれ明らかに今からいけるってウキウキしてた風に見えたんだけど……。面倒だからいいや)
枯尾「将来の約束の再確認?」
彩音「――あの、情報伝えても?」
もみじ「まあ真面目モードになりますか☆情報の共有してちょうだいな」
▶時間をかけて情報共有をしました
千場「先生=くずはモール」
ことり「がんてつボール……。一体何頭先生のことなんだ……?」
枯尾「ことりさんは(小)悪魔みたいな女ですね。相手が可哀想です」
彩音「なんだ、やっぱりあの子はただの恋する男子学生ってことだったか」
もみじ「魔性の女ことり」
小菅沢「聞くだに恐ろしい……」
ことり「待ってよー、私そういうふうな言い方でもなかったでしょー彩音ー」
棗「教頭が怪しいとして、萩野を出停にしようとした理由は何だ?アイリスオンラインを未だにやっていたからか?それとも引退しようとしたからか?」
千場「なに?新人ちゃんたち面白そうな事してたん?ちょ~~そっちに着いていけばよかった!」
もみじ「年考えろ」
棗「お前が言うな」
謙二 「何で恋バナになってるんですか……」
枯尾「アイリスオンラインに何か秘密を置いてきたとか」
このは「いまいち見えてこないですねぇ」
千場「枯れてるね~!恋に年齢は関係ないのよ~?」
棗「ゲーム内に何かダンジョンや隠しシステムがあって、そこで何かを共有していた。とかか?」
もみじ「まあ、ありえる話だと私たちにいちいち報告してきたところから独占欲でしょ。無理やり始めさせたみらのにすら邪魔するってことは、相当ね」
枯尾「面倒ですね。教頭と分かっているのならすぐにでも聞きに行けばいいのではないでしょうか。僕は面倒になってきました」
千場「おい、やっぱり無理やり始めさせたんかい」
棗「そんな理由か……。なら学校はパスだパスだ。これ以上不審者として扱われてたまるか」
ことり「っていってももうこんな時間だしなあ。流石に先生たちも帰ってるんじゃないかな?」
このは「もう終わるゲームを独占……?やっぱりよくわからないです」
もみじ「私達の能力を逆手に取ったそこそこ頭の回るやつのようね。住所はもらってるわ。しっかり準備して行ってきてちょうだい」
小菅沢「それで、僕たちはどうすれば?その教頭先生は学校のパソコンからログインしてるというのならまだ学校にいるはずですよね」
ことり「ああそっか、ずっとログインしてるってことはまだいる可能性あるのか」
ことり「あれ……?でも秋夜くんがPCに入ってたの2の方って言ってたよね」
謙二「パソコン室でゲームに勤しむ先生って何かやだなぁ……」
枯尾 「アイリスオンラインとやらを終わらせたくないと考えたゲームの中身が教頭を乗っ取った可能性もありますね」
もみじ「みらの。今アイリスオンラインにそいつはいる?」
千場「私は君の心を独占したいなぁ……」
このは「?」
千場「^^」
小菅沢「そ、それでどうなんです?みらのさん」
千場「ああ、いるんじゃない?さっきサーバーがなんたらって出て真っ黒になったけど」
もみじ「今月の家賃3倍ね。じゃあ取り敢えずJK+見た目違和感ないショタ2人とおっさんは高校ね。残りはこっそりついていって」
彩音「――また行くのか」
ことり「まあ秋夜くんの濡れ衣もはらさないとってことで」
枯尾「さて、潜入ですね。高校に行くのは初めてです。卒業しましたが。嘘です。記憶喪失なので分かりません」
棗「結局行くには変わりないんだな。まあいいさ」
彩音「人のデートの為に頑張るって事になったらやる気なくなるんだけど」
もみじ「それじゃあよろしく頼んだ。警備員にはこっちから注意勧告しとく」
千場「みらの先輩は元高校生よ?楽勝楽勝」
ことり「デートとは言ったけどそういうんじゃないんだけどなあ」
このは「ゆくゆくは、ってことですよね~」
彩音「あっそうだ店長。お祈りってここでやった方がいいんですか?」
もみじ「そうね。万が一もあるから、ここでやっていきなさいな」
千場「あ、じゃあ私もー」
このは「このはも~」
小菅沢「流石水上さん、僕もそうしておきます!」
枯尾「お祈りとは?僕は家が無いので刀とコサージュしかありません」
もみじ「悪鬼と現実を区別する為のものよ。現実と妄想の差がなくなったらそれはただの現実だから、羅刹と一緒になっちゃうってわけ。だから自分と妄想をしっかり区別出来るものがいるってわけ。物だとわかりやすいから、大体は……そうね。例えばキノってのはモトラドに乗ってるラノベのことなんだけど、ラノベやゲーム、漫画系だったらなんでもいいわよ。現実と自分の繋がりが概念的にあればいいだけだから」
彩音「――――ほら、一つあげるわ」
ことり「わーーー!このあいだといいありがとう彩音ーーー!!!」
ことり「さすが私の大親友!」
彩音「あー張り付くな体痛いキノ使わせて邪魔臭い」
千場「じゃあ天狗ショタくんの背中にセット……?」
小菅沢「みらのさん……たぶんそこじゃ……」
千場「え~マジデ~★みらの先輩ココだと思ったんだけどなぁ~★」
枯尾「よく分かりません。分からないことが分かりました」
彩音「――えーっと、枯尾さんでしたっけ?あなたもないんでしたらこれどうぞ」
枯尾「おや、僕にまで。ありがとうございます。この礼はそのうち」
千場「身体で返します」
彩音「要りませんよ、これくらい気にしてませんし」
棗「準備が終わったならちゃっちゃと済ませに行くぞ」
千場「そうだな、旦那。さっさと片づけて、晩酌にしようぜ……」
棗「お前が言うな」
枯尾「痴漢に遭ったら言ってください。地の果てまで追いかけて指を折ります。大丈夫です。このあたりの痴漢は大体指を折りました」
千場「コワイワーマジコワイワー」
彩音「いいですから、早く高校に行きますよ?夜明けに帰るなんて私嫌ですから」
このは「心強いですね~」
もみじ「ちゃんと戻る時は入ってきた所から戻りたいって想うのが大事だからね!ちゃんと戻るって思うこと!」
謙二「制服じゃないけど……まぁ大丈夫か」
小菅沢「学校、でしたね。行きましょうか」
千場「よし、いくぞー皆の者ー」
枯尾「さあ。怪異が出るか人間が出るか。出来れば怪異がいいですね。人間は斬ると面倒ですからね。僕は面倒が嫌いです」
――朱鷺森市 朱鷺森高校:校門 PM19:40――
▶警備員さんは寝ている!
ことり「おい!」
棗「なんでだよ!」
ことり「しまった思わず突っ込んでしまった……」
小菅沢「もみじさんの話ぶりからして、『そういうことに』してくれているんでしょう、行きましょう」
このは「大声出すとおこしちゃいますよ~。そっとしておきましょう」
枯尾 「やった。好都合ですね。先に進みましょう」
警備員「すやすや……俺は何も見ていない……すやすや」
彩音「――ああ都合がいい都合がいい、みんなで早く向かいましょー」
謙二「準備がいいですよね、ほんと」
ことり「いやこれ、もっと他にどうにかやりよう合ったでしょ」
千場「さぁて……。パソコンがあることころだっけ?」
枯尾「黒電話なら見たことあります。が、パソコンはどこでしょう」
小菅沢「み、水上さん……!その、パソコン室まで案内していただけますか?」
千場「生徒のお二人に案内してもらえばいいんよ」
ことり 「呼ばれて飛び出て!ずっといたけど」
彩音「――そんなに怖いなら私の近くにでもいたら?案内は今からするわ、みんな来て」
綾瀬「わー!彩音かっこいー!」
彩音(なぐりてー)
棗「それじゃあ俺たちは後ろから付いて行く。よろしく頼むぞ」
謙二「じゃあ僕は一番後ろから後方を警戒するってことで」
――朱鷺森市 朱鷺森高校:パソコン室 PM20:00――
▶非常灯が薄く光っており、全体的に薄暗いですね。パソコンが起動している様子も一見ではないように感じます
ことり「失礼しまーす!」
彩音「鍵は私に任せ――」
教頭「誰だね。もう遅いから帰りなさい」
彩音「いやいや、私達少々ご用事がありまして」
ことり「あら教頭先生。こんばんは」
教頭「もう20時だぞ。親御さんに電話しないといけなくなる前に用事は済ませるんだぞ」
千場「我が名は『ピザチーズ』!人に名を訪ねる時はまず自分が名乗るのだ!」
枯尾「教頭先生ですか。アイリスオンラインとやらで遊んでいるのは貴方ですか」
小菅沢「ちょっとみらのさん……!なにやって……ぁっ……」
教頭「悪いがそんなものは知らんな。というより誰だお前たちは――――警備員は何をしているんだ!」
ことり 「いやまあ、この人たちのことはあんま気にしないでください」
謙二「警備員さんはぐっすりですよ」
ことり「ところで教頭先生に聞きたいことがあるんですけど、今いいですか?」
教頭「電話は何処に行ったかな……。――――警察に連絡しないと」
ことり「あー待って待って!手短に話すので!!」
彩音「私達は依頼できたんです。教頭、シズハナイトという言葉に聞き覚えは?」
教頭「ないな。なんだそのちゃらちゃらした名前は」
ことり「というか秋夜くんの件です!」
教頭「萩野か?あいつがどうしたんだ?こないだ深夜に忍び込んだからつまみだしたが」
ことり「いや、先生が彼を出席停止にさせたーって聞いて、本人にも直接話聞いてみたんですよ。そしたらそんなこと知らないっていうので気になって」
教頭「その程度で出停にするわけないだろう。精々反省文程度だ」
教頭「……もういいか?見なかったことにしてやるからそこの不審者共を連れ帰れ。先生だって暇じゃないんだぞ」
ことり「うーん、いやでも実際にそのプリントを彼の家まで届けたんですよ」
彩音「――先生がゲーム嫌いだという教頭から出停を彼に渡すように言われたんです。本当に間違いはありませんか?」
教頭「そんなこと言ってないぞ。何先生だ?」
綾瀬「ええと、私達の担任なんですけれども」
教頭「ん……?今お前たちのクラスの担任は産休で休んでいるだろう?何を言っているんだ君たちは」
ことり「あれ?確かに……。というかそういえば先生は今何してたんですか?見たところひとりですけど」
教頭「パソコンのつけっぱなしがあってな。消して回ってたんだ」
ことり「? 複数あったんですか?」
教頭「1台だけだ。私が詳しくないのか知らんが電源が切れんのだ。お前たちはパソコンわかるか?」
ことり「うーん、私もちょっと怪しいんですけど、見せてもらってもいいですか?」
教頭「ああ。何するかわからんから後ろの不審者共も来てくれ」
小菅沢「――失礼します……」
このは「お、おじゃまします~」
千場「ツカエナクナルワヨ」
ことり「みらの先輩は触っちゃダメです」
千場「電源ってここをポtー―」
ことり「ああもうだめですって!」
▶鳥江 電子工学
成功
▶パソコンやモニターの電源は切れているが、何故かモニターだけ光っています。青い悪鬼がモニターから溢れるように出ており、どうやらこれが光っている原因だと思います
謙二 「――これ、元の電源入ってないですよ」
教頭「そうなのか?警備員に連絡してくる。お前たちはそこを動くな。黙っていてやるから」
教頭「まったく……。昨日といい今日といい何なんだ……?学校は遊び場じゃないんだぞ……」
▶教頭はブツブツ言いながらパソコン室から出ていきました
ことり「先生それ絶対黙ってないやつですよねー!!!」
枯尾 「――怪異の仕業、でしょうね」
ことり「ちょっとモニターの線引っこ抜いてみる?」
彩音「どうせ無駄だからやめなさい……。準備しようか」
小菅沢 「好機です、今のうちに悪鬼の入り口から入って終わらせましょう」
謙二「まぁそうですよね、怪異の仕業ですよね。――はぁ……。しょうがない、行くか」
千場「なんだ意外とあっさり見つかったねー。今回はここか……。――さて、と」
彩音「カメラはなし、擬態も解いとこうかな」
千場「( ゚Д゚)ポカーン」
ことり 「と言うかじゃあこれこの間みたいなとこ行くのよねたぶん」
棗「よし、戻ってこないうちに済まそう」
ことり「私の危険が危ない……」
――――アイリスオンライン無印:決戦フィールドMAP――――
▶薄暗い塔の頂上で黒衣を纏った騎士が一人何をするでもなく佇んでいます。これこそが件のシズハナイトで間違いないですね。彼は君たちを一瞥するとおもむろに長めのサーベルを抜き、ネトゲ特有の重心を考えていない構えを取ります
シズハナイト「…………」
このは「ゲームの世界ですか。また楽しそうですね~」
ことり「そういえば私もこう、みんなみたいにバーン!って出来たりしないのかな」
ことり「物は試し」
千場「できるわよー新人ちゃん。みらの先輩が手本を見せてあげましょう!」
ことり 「おお!やっちゃってくだせえみらの先輩!」
▶みらのはハンドバッグから扇子を取り出すと共に、光が溢れだし服が変化していきます
ことり「お、おお。すごい」
彩音「実力は認めるけど、時代の移り変わりに適応できなくなったら唯の老害よね……」
枯尾「さあ、狩りの時間です」
▶何処からか白い蝶を模った、桜の柄の鞘から自分の丈と変わらない程の刀を取り出し、ゆっくりと抜きます
千場「ほれほれ、新人ちゃんもやってみやってみ」
千場「ヌヌヌヌヌヌ……えいや!」
▶そう言って、みらのは扇から水を出したり花びらを虚空から出したりするよ
千場「こう、イメージをしっかり思い描いて勢いで」
▶ことりの身体に青い光を纏わせつつ、少しずつ宙に浮くよ。その後、青いペンダントが首に出現します
ことり「おお、おお!案外いけた!」
ことり「人間やってみれば案外なんでもできるもんなのね!!」
彩音(律儀に待ってくれてるあたり、紳士的というかなんというか)
謙二「今日は調子良いといいな」
棗「さてと」
このは「この場所なら誰でもできますよ~。では、いざ!」
枯尾「僕は変身なんてしたことないんですけどね」
▶鳥江 武器罠
失敗
▶小菅沢 絆引き上げ 千場
▶千場 足場
▶小菅沢 迫撃砲
謙二「おっと?」
小菅沢「みらのさん!お願いします!」
千場「おおー天狗ショタくん!これはありがたいーやっぱりこの(ry」
千場「いいとこ見せないとねー。新人ちゃんたち?戦いはこうするのよ!!」
千場「我らが道は我らが示す。その道は誰にも妨げられない![ヒット・キー]!」
小菅沢「僕の剣も使ってください!このはさん!みらのさん!」
千場「おーいいねいいね!」
棗「よし、なら攻めるか」
▶棗 通常攻撃
成功 13ダメージ
棗「ファイアッ」
▶シズハナイト ブレスヒール(補助。生命4d7回復)通常攻撃
▶小菅沢 回避判定
10回復
成功
▶ポーションを飲んでガッツポーズした後、大きく横薙ぎに振り払ってきます
小菅沢「ホッ!大ぶりな剣ですね……。当たると痛そうです」
▶秋月 通常攻撃
成功 7ダメージ[迫撃砲]8ダメージ
成功 9ダメージ[迫撃砲]9ダメージ
▶水上 スロウ
▶枯尾 通常攻撃
成功 24ダメージ[迫撃砲]6ダメージ
水上「時よ、彼の者の動きはあまりに速し。我らも追いつき、また追い抜こう。――あまり早く動かないでよね!」
秋月「今度こそ……いきます!はぁっ!」
枯尾 「……この刀、元々はよく切れる桜の花びらなんです。嘘です。記憶喪失なので分かりません。――ふふふ、いいですね。やはり斬るのは怪異に限ります」
棗「物騒だよなぁ、ったく」
ことり「こう、バーンができたんだからこうやってキューンすればそいやっていけるでしょ!」
▶綾瀬 ソニックブーム
7ダメージ
▶鳥江 武器罠
成功
▶小菅沢 通常攻撃
ファンブル[近くの味方に通常攻撃]
▶このは枯尾 回避判定
成功
失敗 16ダメージ
綾瀬 「お、おおお……!自分でやっておいてあれだけど、人間案外やればできるもんなのね……」
謙二「まあこんなもんですか。後詰後詰っと……」
小菅沢「ェアアア!!っとぁああ!」
▶コケながら一回転して後ろに斬りつけます
このは「ひゃ~!危ないですっ、小菅沢さんどこを狙って」
枯尾「僕に……何か……恨みで……、も……?」
小菅沢「すみません!!!大丈夫ですか!?ああああ!!!なんてことだ!!」
彩音(前の方で命かけた漫才やってるけどなーにあれ)
棗「ちっ、なにやってんだ」
枯尾 「げひゅっ……ふー……。怪異相手ならまだしも、味方に殺されたくはないですね」
小菅沢 「すみません!すみません!すみません!」
▶棗 回復薬 枯尾
▶秋月 通常攻撃
成功 8ダメージ[迫撃砲]6ダメージ
成功 12ダメージ[迫撃砲]10ダメージ
▶水上 時の刃
4ダメージ
枯尾 「――何とか持ち直しましたね……」
秋月「なかなかタフですね……倒しきってみせます!」
水上 「――魔法の当たり所が悪いって、なんていうんだろう」
▶シズハナイト
ファイアボルト(補助。ファイアの効果)
通常攻撃[薙ぎ払い]
▶このは小菅沢 回避判定
9ダメージ
成功
[武器罠]3ダメージ[迫撃砲]8ダメージ
ことり 「あっつ!あっつい!って言うかシャレになってないこれ!!!!」
ことり 「やっぱこれ私来ていいところじゃないよね!?!?」
棗「順調に一般人を辞めてきてるようでなによりだ」
ことり「熱いで済んでないです!!!!!!!!!!」
千場 「気合でなんとかする!」
このは「見えてます、当たりませんっ!」
小菅沢「このはさん、さっきもそうでしたが、身軽ですね」
謙二 「うん、ちゃんと動作確認出来たっと」
▶千場 通常攻撃
成功 29+6ダメージ[迫撃砲]10ダメージ
▶シズハナイトが膝から崩れ落ち、そのまま前から倒れます。そのまま粒子のように消えていきました。外壁からジグソーパズルを剥がすかのように空間が壊れていきます
千場「みんな!だいじょうぶ!?」
枯尾 「――やりましたか」
小菅沢「長くは居られません、キノを使って戻りましょう」
このは「ふぅ、今回はやりきりました~」
謙二「やっと帰れるよー」
千場「花ちゃんだいじょぶ?肩貸すよ……」
枯尾「傷、残らないといいんですけど」
小菅沢「ヴッ……ごめんなさい…………。」
彩音「――さーて、反省会は帰ってから」
棗「みたいだな。帰るか」
▶崩れ行くフィールドを端目に捉えつつ、本を開いて煌めく光を纏い、空間から脱出します
――朱鷺森市 朱鷺森高校:パソコン室 PM22:00――
枯尾「――僕も次回は用意してから来た方が良さそうですね……」
教頭「おーおとなしくしてたようだな。担任に無理言って来てもらったぞ」
千場「えあーあーそうねー」
▶みらのは傷だらけの花ちゃんを自分の後ろに隠します
彩音「あらら、これはどうも……」
ことり「結局原因は誰だったんでしょう?」
担任「あらぁ~ごめんなさいねことりちゃんに彩音ちゃん。私はお休みしてたからわからないけれど、どういうことか後で教えてもらえる?今日はお友達と一緒に帰ってね」
彩音「あっはい、わかりました……。教頭、とりあえず、パソコンの原因不明の状態は無くなったので、問題はないかと思われます」
ことり「無理してきてもらったのに今日聞いてくれるわけじゃないんですか!」
担任「もう夜中なのよ!女の子に夜はお肌に悪いの!今日のところは帰って、ゆっくりお風呂に入って寝るのが一番!」
彩音「アッハイ、ソウデスネ……。では皆さん、帰りましょうか」
ことり「おっしゃる通りで」
枯尾「――お言葉に甘えて帰るとしましょうか……」
千場 「真貴さん帰ったら飲もう!」
棗「断る。帰って寝る」
ことり「と言うか先生本当に私達をかえすために来てくれたんですか……。なんかすごい申し訳ないです……」
担任「気にしないでいいのよ~」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM22:30――
彩音「帰ったよー、マスター報酬の話……って、いないじゃん」
棗「はぁ?もしかしてもう寝たのか?」
彩音「――タダ働きだったら容赦しないから……。まあいいわ、 棗さん……だったよね、今回もありがとう、助かった」
棗「流石にここが拠点となっている以上、そうはならないだろうけどな。おっと、それはこっちの台詞でもある。感謝してるさ」
彩音「動きを遅らせたぐらいしか主な働きしてないし……。――まだまだ、誰かの役に立つには未熟なままよ」
棗「十分な動きだと思うんだがな。少なくとも、あの人間2人を生き延びらせる程度にはな」
彩音「――――でも、たったそれだけでしかないの。まだ、私は力不足なの」
棗「そうか。お前がどこを目指しているのかは俺には預かり知らんことだ。力不足だと嘆くのも自由だ、好きなとこを目指すといいさ」
彩音「そのくらいの距離感が丁度いいわ、一番気楽でいられる……。じゃ、私は帰って寝るわ。みんな普通に生きていきましょうね」
棗「そう言ってもらえるなら何よりだ。ただ誰かの役に立つなんて目標も、高すぎると足元を見失うぞ。今日は軽めですんだし俺も帰って寝るさ、じゃあな」
彩音 「ええ、じゃあね………。また、ここで」
ジーーー
もみじ「たまたまゲームの整備してたら面白いものを聞いちゃった★録音もバッチリだし明日の強請りのネタにするんだぜ★」
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