女装系男子の恋愛模様

にょーん

プロローグ 告白と決断

 桜の木がつぼみを付け始める別れの季節。

 僕は隣にやってきた男装系女子に言った。

「皆のところに行かなくていいの?」

「うん、後でまた行くから」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「どうしたの、優羽ゆう? 何か用事?」

「うん」

 優羽はとん、と僕の方を向く。

 僕はつられて手元のライトノベルから視線を優羽に向ける。

「わたし、旭陽の事が好き」

「え・・・・・・」

 生ぬるい風が二人の間を吹き抜けて、つぼみを付けた桜の枝が揺れる。


 僕は女装をすることにした。

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