ネオンの金魚とアンドロイド
寺町 果子
0-0 includingな文章
何となく、夜は特に、空を見上げたくなる。
でも、見上げた先には輝く月も瞬く星々もないし、見たいと思って見上げた訳でもない。
ただ目の前に向き合い難い現実という、目に見えない、心で感じることもできない大樹が横たわっていそうな気がしただけだ。
「涙が出る訳でもないし」
彼女の冷たい唇からこぼれた。
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