第1話 白椿姫

@riisa0207

第1話

昔々あるところに、美しいお姫様がいました。いつも十二単を着て、歌を読み舞をまっていました。

ある時の昼、お父さんから、

本日は佳き日だ。と言われます。

なんのことがわかりません。

侍女に尋ねると

夜にこのあたりの権力者が夜訪ねてくるから風呂に入れと言われました。



父親に結婚相手を決められてしまったことがわかりました。

しかし、白椿には、好きな男がいました。

「玉造の宮 狩野忠政」

以前、姫神様への奉納舞を舞った竜宮神社で、自らより先に先に水竜神の舞をもうひとりの男性と、二人で舞った、白椿よりすこし年上の男性です。


彼の舞も奏でる奉納の言葉も、淀みがなく好き通り、よく響きわたる、夏山の様な見目麗しい男性でした。


白椿の初恋でした。


侍女が言います。

夜訪れる男性には、何をされても決して声を上げてはいけません。後は身を任せたら良いのです、と。


ーその後夕方、白椿は、自分の宮を抜け出します。侍女の目を盗み、ただひたすら荷車に隠れて家を飛び出しました。

ゆくあてもなく、思うままに歩き始め、

あの舞を舞った神社の境内に向かいます。


するとそこに、先客がいました。狩野忠政様です。

しかし、声をかけようといたそのとき、

神社から黒い影が立ち込めました。

すっかり狩野様を取り込み

あっという間に、倒れています。


「きゃーーーー!」白椿は叫びます。

すると、その影がこちらに向かって襲い掛かります。

ところが、白椿自身が突然、白く光り輝きはじめたのです。


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