お盆

勝利だギューちゃん

第1話

日本には、お盆と言う習慣がある。

毎年、お盆にはご先祖様が、あの世から帰ってくる。


そのために、きゅうりとなすを、飾るという風習がある。


きゅうりは、馬に見たてられていて、早く帰ってきてほしい。

なすは、牛に見たてられていて、ゆっくり帰ってきてほしい。


そういう意味があるらしい。


しかし、日本は仏教国。

輪廻転生という考えた方である。

なぜかというと、あの世の広さには限りがあり、

魂を補完しておけないためだ・・・


(キリスト教では、あの世は、魂のその分だけ広がるらしいが・・・)


もし、輪廻転生が本当なら、ご先祖様は生まれ変わっていて、

もうあの世はいない。


いないのなら、帰って来れない。


それなら、お盆の意味はないと思うが・・・


「細かいことは気にしないの。君がいるのはご先祖様の、おかげなんだからね」

「親が、巣立ちした子供に、実家に帰らせる時に、良く言うセリフだな」


だが、実際に夢を見る。

亡くなった、親父が良く出てくる。

そのたびに言われる・・・


【お前はまだ、こっちに来るな。ゆっくりこい】


「君はまだ、やり残した事があるでしょ?」

「ああ」

「じゃあ、まだ逝けないね」

「でも、途中で切れる場合もあるあけどな」


一生懸命に生きていても、神様は気まぐれなのか、残酷なのか・・・

途中で、人生をリタイアさせてくるが・・・


「だから、一日一日を大切しないと・・・」

「ああ」

「いつか、お父さんに胸を張って会おうね」

「ああ、いるのを楽しみにしているよ」


もし、親父がいるのなら、いつか酒を酌み交わそう。


その時は、いろいろと話したい。

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お盆 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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