会えない日々も宝物?
冴えないオタク
第1話 会えないヒロイン
はぁー、やっと講義が終わった。
携帯を取り出し、サークルの連絡があるか確認するも、今日もまた連絡がない。
仕方がないってわかってる。でも、寂しいって気持ちは変わらない......
今は12月、今年こそ合格しようと張り切る倫也くんは、サークル活動を控え目にしていた。もちろん、倫也くんと同じ大学に通うことは私の願いでもあったし、その為に頑張ってくれてるのは嬉しく思ってる。でも去年までずっとサークル活動をしていた日々を思うと今年はなんだか物足りなくて、寂しく感じてしまうのだ。
付き合っているのだからサークルなんて関係なく会えばいいと、英梨々からも言われた。
ただ、倫也くんが頑張っているのに邪魔にならないのかとか、重い女になりたくないとか考えてしまう。
そんな訳で、もう五日も会ってない。
少しの○インならラインならいいかと自分を納得させてみる。
「ねえ、勉強はかどってる?」
「うーん、そこそこいい感じだぞ。この前の模試ではなんとかB判定だったし」
「なら、来年こそは一緒に大学に通えそう?」
「この調子ならなんとか」
「ふーん、楽しみにしてるね」
「勉強わからないところとかない?教えようか?」
「いや、今のところは大丈夫かな。授業はしっかり聞けば分かりやすい先生が多いし、隣の席がいい人で教えてくれるから。」
「その隣の人って、男?女?」
「もちろん男に決まってrだろ」
「その誤字ってなに?」
「そういえば、クリスマスどうするんだ?」
「えっと会えるの?その日も授業があるって話だったけど」
「この調子なら大丈夫じゃないかって先生に言われたからなんとか、いや絶対会える。」
「へぇー、先生と優しい隣の人に感謝だねー」
「ちょっと今日の恵、意地悪いぞ」
「怒ってる?」
「怒ってはないけど、もうちょっと褒めて欲しかったなって」
「それはクリスマスに取っておくね。」
「了解。楽しみにしときます。それじゃあおやすみ。」
「うん、おやすみ。」
結局、今日も会う約束なんて出来なかった。
でもクリスマスなれば絶対会える。フラグかもしれない“絶対”だけど、これが聞けただけで嬉しくなってしまう私はチョロインなんだろうか。
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