数字

Akira@ショートショーター

第1話

男の好物はカレーだ

毎朝の楽しみであるカレーを食べようとすると、カレーの上に数字があることに気づいた

「なんだこの数字は」

男はいぶかしみ、カレーをどけてみた

しかし、カレーは数字の上を一緒について回る

ならばと、数字をつかんでみる

しかしこれも効果がない

「ああ、うっとうしい。

本当になんなんだこれは」

男は数字を無視してカレーを食べた

不思議なことに、カレーを完食すると数字は消えた

「数字が消えたぞ

きっと仕事のし過ぎで疲れていたんだろう」

過労を自覚しながらも男は出勤するため家を出た

駅のホームについた時またしても数字が表れた

今度はホームの線路上にである

しかも、こころなしか数値が上がっている

「また出やがったな

しかしこれは自然に消える

気にすることはない」

男の言う通り、電車に乗ると数字は消えた

会社についてからも数字は出ることなく、おかげで仕事に集中することができた

雀の涙ほどの休憩時間を堪能するため、男はビルの屋上にでる

するとまた数字がでてきた

しかし、今度のはカレーと同じぐらいだ

「駅のホーム>カレー=屋上、これはいったい何を表しているのだ」

男は困惑するばかりだった

会社からの帰り道男はナイフを持った暴漢に襲われた

「おい、お前金をだせ

さもないと殺すぞ」

よく見ると暴漢の上に数字がある

男はとっさのことで困惑して言う

「1億か?流石にそんな大金は持っていない」

「誰も1億もよせとは言ってはいないが、俺の話を無視するなら仕方ない

死んでもらうぞ」

男は刺された

薄れゆく意識の中、男は呟いた

「数字の意味が分かったぞ

あの数字は身の危険の度合いを表していたんだ

カレーは食中毒、ホームは人身事故、屋上は落下、そして暴漢は死亡

それにしてもホームなんてたった600だったのに、暴漢で何故いきなり1億に跳ね上がるのだ

あそこで死ぬ運命だとしてもひどすぎないか

警告の意味をなさないではないか...」

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数字 Akira@ショートショーター @akira_novelist

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