電車で帰る時に読む話
僕の仕事はシフト制だ。
遅番の時は基本、終電で帰る。
始発駅に近いため絶対に座れるから、帰りは基本的に寝てしまう。
今日も僕は遅番の仕事を終えて終電に乗る。
電車の心地よい揺れと多少の疲労感で良い感じの睡眠が取れそうだ。
いつも通り、駅のホームには多少の顔なじみもいた。
彼女はいつも同じ車両で僕が乗るドアと一番遠いドアから乗る。
綺麗な人だなって、初めて会った時に感じてから見かける度に目で追ってる自分がいた。
そんな彼女が今日は、何故か僕の方を見ていた。そして、何かの言葉を発しているようだった。
僕は見てる事を知られたバツの悪さから、すぐに目をそらして寝たふりをしたんだ。
20分くらい経った頃だろうか。
僕は彼女が気になり、目を開けると彼女は最初に座ってる席にいなかった。
もう降りたのか。
僕は安堵と若干の悲しさを感じながら再び目を閉じた。
そして眠りについた。
僕が次に目を覚ましたのは自分の最寄駅の一つ前だった。
アナウンスで起きたというよりは、誰かに肩を叩かれたような感覚で起きた感じだった。
なんだよ。
そう思った僕が隣を見ると、彼女が座ってた。
そして、一言。
あなた、ずっと私を見てて気持ち悪い。
だから消えて。。。
最後の方は何を言ってるか聞こえなかった。
なぜかって。
僕は彼女に突然刺されていたから。
消えゆく意識の中で、彼女が最初、僕に向けて発してた言葉が分かった。
そこ動かないでね
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