魂の売り方


頭上の雲を

引き摺り下ろして

少しちぎって

再び空に浮かべた

そんなことは

わたしには簡単なことだった

わたしの利き腕は

思っていたよりずっと凄い

そして

これは詩で

ここから先の展開が全く思い浮かばなかった

さてどうしたものか

おれは詩人だ

だから詩を書かなくてはならなかった

多分な

詩を書かない詩人もいたが

おれはそういった連中を心底、軽蔑していた

おれは詩人だ

生粋のな

大学で詩を学んで来たような奴らに負けるわけにはいかなかった

おれは今、書いた詩を読み返した

その先がどうしても思い浮かばなかった

叶わない夢は無い

そのようなありきたりな結論で締め括ることにしろよ

心のどっかが囁いた

「ああ」

おれは返答をする

魂の売り方についてずっと考えている

おそらく気持ち良くなければそれでいいのだろう


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