何もかもが終わったあとの話し


うっすらと

光が見える

そいつに手を伸ばした

射殺されたのはおれの影だった

だから何も言わないで

そのまま続けろ

気付かぬふりして

読書を続けろ

相手を欺くことで

少しは先延ばしに出来るから

まるで味方みたいな

敵が

微笑みながら近付いて来る

一撃で仕留めろ

そうでなければ

次の瞬間、倒れているのはお前だ

心の容れ物が壊れても

廃人のようにして街を歩くことは可能

血塗れの花が咲いている

それを摘んで、集めて、束にして

きみに送ろう

きっと忘れた頃に届くと思う

おれの成分が空気中で薄れて無くなってしまった頃に


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