愛別離苦


もう一度やり直すことは

出来ないかな

今までと違ったようには

出来ないかな

希望のような

そんなふわふわとしたものにでもすがりつきたかった

可能性がまだ残されていると信じたかった

おれは口を開いた

「なあ、もう一度、やり直さないか?」

きみは嬉しそうに笑い言った

「もう終わったのよ」

そして部屋から出て行った

背中を見つめることしか出来なかった

一度も振り返ることはなかった

「ククレカレーでも食うか………」

腹が減って来た

ククレカレーを食べるべきですっと庭の犬が吠えた

黙れよ

涙が邪魔してカレーがうまく食えねえ


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