死ぬまで生きればいいのかな?


頭蓋骨は柔らか

おれの脳みそを守る気が無かった

自費出版した詩集の在庫が部屋に山積みだった

重みで家の床が軋んだ

市場は二極化

人工ハムと無果汁メロンソーダ

つまみは陰毛

「もう贈呈するのは止めろよ」

そんな友人の忠告も無視して詩集を贈呈しまくった

赤信号は無視した

手首ごと持っていかれた

おいっ

そこのきみ

「おれか?」

おれではなかった

誰もおれには用が無かった

廊下で爆死している場合ではなかった

直ちに自分自身って奴を取り戻しに行かなくては

神様と

ぶっ壊れた受話器で電話した

「もしもし、おれですけど?」

翌日、神様に詩集を郵送したらおれの頭部が禿げ始めた

そんなおれを社会は屑認定した

多様化を奪う社会

賞状を貰う

文面を読む

『あなたは屑です』

死ぬまで生きればいいのかな?


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