連続殺人


なんとなく

連続殺人がしてみたくなった

なんとなくね

今日は雨も降っていることだし

お気に入りの長靴でも履いて

連続殺人をすることにした

「よーしやるぞっ」

自分自身に渇を入れた

「複数人やらなくては………そうしないと連続殺人にならない」

全く理に叶っている

あくまでも目的は連続殺人

この際、殺人なんてどうでも良かった

幼稚園の敷地に乗り込んだ

入口の門の前で佇んだ

「よし、話題の新感覚アクションゲームで高得点を狙うようにしてやってみよう」

懐から包丁を取り出した

逃げまどう園児と保母たちを次々と刺した

「うーん、思ったよりすばしっこいな」

ぜえぜえ過呼吸した

「喉が渇いた、スポーツ飲料がのみたい」

おれはここでようやく自らの犯した過ちに気が付いた

「しまったあ!」

これでは連続殺人ではなく大量殺人ではないか

同じ時間帯にやってしまってどうする

あちゃー

時が経たなくては連続殺人にならないのだった

おれはすぐさまその場から逃亡した

何処かへ隠れよう

適当な場所が思いつかず結局いつもの漫画喫茶へと身を寄せた

ネットの巨大掲示板に書き込みした

『さっき殺人をした』

何の反応も無かった

「うーん………こいつらを納得させるためにはどうしたらいいのだろうか?」

取り敢えず隣室の若い男の首を締めて殺した

「ぐえ」

これで連続殺人も達成だ

『また殺した』

やはりスルー

頭にきたのでタクシーに乗り込みその場を離れた

「行き先は何処にいたしましょう?」

「国会議事堂へと向かってくれ」

国家転覆を狙った

運転手は呑気に言った

「観光ですかあ?」


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