瓦解


壊れていった

次々と

わたしはそれをただ見ていた

傍観者だった

その姿は

電柱と酷似していた

そして

わたしの視界の隅で

次々と壊れていった

観客はいてもいなくても同じようだった

自動運転に切り替わったようだ

何処までも勝手に行くつもりだった

わたしは

ただ立ち尽くしていた

希望なんてもう残されていないという同意者に

記す他なかった

こんなとき

涙が流れれば少しは楽なのに

わたしはもう涙の流し方を忘れてしまった


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