狂った世界を生きる君

姫亜樹(きあき)

狂った世界を生きる君

生き急ぐ君を追い越すように

桜の花が4月を待たずに

咲き乱れている


薄く白くなった桜の花の下で

大人たちは

早く訪れた花の季節に

慌てて宴を繰り広げる

君は携帯を握りしめ

友達と春休みの予定を

話している


都会にはインコの群れが飛び

見たことのない花々が

年々増えてくる

狂い出したこの世界は

まるで現実感のない

フィクションのようで

揺らめく不安は日常の中に

埋もれていってしまう


春の新色のルージュをつけて

君は街を歩く

ゲームのように友達をつくるのに

悩みを話せる本当の友だちはいない

表面だけを覆う

薄っぺらな日常を過ごしていく


狂っていく世界と君

いつか君に出会えたら

ぼくは君に

何をしてあげられるんだろう

何を伝えられるんだろう

この狂った世界の中を生きる

ぼくから君へ

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狂った世界を生きる君 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

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