門番の仕事
にぃつな
第1話 父と兄の仕事
兄の謎の怪我、父の毎日の謎の夜の仕事…。
入ってはいけない扉を通った先で仕事をしていた。
ある日、父が「俺は引退する」と言い出し、ぼくに夜の仕事を教えてくれるようになった。
その仕事とは、異世界からやってくる亜人、アンデットたちをこちら側へ来るのを阻止する仕事だった。
中世時代から何世代にもわたり引き継がれ今日まで、一族の誇りと使命のとして引き継がれてきた。
お金や異能力もそこで手に入れていたという。
そんな話を聞かされ、冗談半分な気持ちで父の後を追い、父が扉を開いた先には現実とは異なる世界が広がっていた。
ただ広い荒野が続き、遠いものが小さく見えるほど広大さは身に染みた。
扉は荒野にはふさわしくないいほど小綺麗に存在していた。
扉の裏にはまた、荒野が続くばかりで遠い場所に緑が見える程度だった。
父から戦い方を教わり、この世界の生きる術を身に着け夜な夜な襲ってくるアンデットの群れを返り討ちにする毎日を過ごす。
兄の怪我の理由、父の引退の理由、扉の存在の理由。
父と兄、祖先たちが隠し守ってきたこの事実は、きっと現実に生きる人たちには何も知らない真実の扉なのだろう。
社会ではニート呼ばりされ、お金をどこから稼いでいるなど黒い噂が絶えなかった。
姉や妹、弟はこの事実を知らず、家から出て行ってしまった。
武器を手に、扉の世界のことを知ることからすべての始まりなのだと理解した。
――今日も、アンデットの群れは扉に向かって迫ってくる。
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