美人先輩と俺の恋愛ゲーム
やみやみ
先輩との恋愛ゲーム
夏の日のこと
僕は平塚実。歳は16才。容姿平凡、成績普通のどこにでもいそうな男の高校一年生。
突然だが僕の通う私立東陽高校にはマドンナがいるんだ。
名前は倉敷奏。
容姿端麗、清楚美人、生徒会長を努めている彼女は定期テストの成績も常に一位、こないだ全国模試が行われたさいにこちらでもまさかの一位を取りガヤガヤしていた。
容姿についてもこれまた綺麗でスラーーっと伸びた黒髪は見る目がない僕の目からも見ても手入れが行き届いており、スタイルもとても良く、どことは言わないが出るところは出て出ないところはキュッという擬音が聞こえるくらいにスラッとしている。
僕とはスペックがちがいすぎて一生手の届かない高嶺の花だ……と思っていた。
そろそろ自己紹介とこの学校のマドンナについての説明を終えるとしようか。
僕は目を開け、始業式が終わったのを確認してから僕は鞄をもち、靴を履き家に帰るため下足室に向かう。
下足箱に自分の学年と組、出席番号が書かれていることを確認してから箱を開けた。すると、開けた表紙に一枚の封筒が落ちてきた。
何だこれはと僕は膝を曲げ、その封筒を拾ってとりあえず中身を確認する。
中身は一枚の淡い桃色の便箋だった。まぁとりあえず読んでみるかと思い読んでみる。
「まっ…まじかよ……!」
便箋には、
「話したいことがあります。今日の放課後屋上でお待ちしております。」
と書いてあった。これってもしかして……
とりあえず僕は履き替えた靴をもう一度履き替え、上履きを履いてから屋上に向かった。
どんな人がこの手紙を僕に書いてくれたんだろうなどと考えながら屋上の前の扉まで歩いてきた。
少しだけ扉を開け、この手紙を書いてくれた本人は誰なのかと確認する。
「はぁっ!?」
心の中でそう思った。なぜかって?グラウンドの方を見ながら誰かを待っている倉敷奏先輩が屋上で一人で待っていたからだ。
ゆっくり扉を閉め深呼吸する。もう一度深呼吸する。緊張してもう一度深呼吸する。心拍数がどんどん上がっていく。
「なんで倉敷奏先輩が!?」
心の中でそう思った。それもそのはず、
僕には倉敷奏先輩とは話したことがなく面識がないし、放課後に屋上に呼ばれるようなことなんてしていないからだ、と僕が考えヤキモキしていると、
「もう来ているのでしょう平塚実くん?早く来てちょうだい?バレているわよ?」
扉の向こう側から透き通った声がした。僕は勇気をふりしぼって目の前の扉を開ける。
「うわっ!!」
扉を開けると倉敷先輩が目の前に立っていた。
「女の子を十分も待たせるなんてひどいわね。」
「すみません!ついさきほど気づいたもので…」
「今日だけは許してあげる。次からは気をつけてちょうだい。」
ん…?次から?やっぱりそういうことなのか?
「それで倉敷先輩は僕になんのようですか?」
その質問を聞いた倉敷先輩は一気に顔を赤らめ、顔を両手で隠している。たぶん本人は気づいていないが耳まで赤くなってる。やばい…先輩かわいい。本人には言えないけど。
「そうね、まだ言っていなかったわね。もうだいたい想像はついていると思うのだけれど」
僕は緊張して唾を飲んで先輩の言葉を待つ。
「私と…」
「私とゲームをしないかしら?」
「えっ…?」
倉敷先輩のゲームのお誘いを頂いたのは、
八月の下旬。夏休み終わりの始業式の
放課後のことだった。
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