第10話 コジロウに会う方法
『なるほど、つまりあなたとネコさんは異世界の地球から来られたのだけど、一緒に来れなかったネコさんの弟さんのコジロウさんに会いたいということですね?』
「うん。そうそう」
「にゃあにゃあ」
オレ達は、AIのアイにこれまでの経緯を話していた。オレが話すと会話を自動的に読み取りディスプレイ上に文字が浮かび上がるのだ。
この世界のAIは非常に優れていて、まるで本物の人とチャットで話している錯覚さえ感じる。
『では、転移の魔導具を手に入れる必要があります。』
「転移の魔導具?」
なるほど、そんなマジックアイテムがあるのか
「それで、その魔導具はどこにあるんだ?アイ?」
『最後の洞窟です』
「最後の洞窟?」
『今、お見せします』
というと次の瞬間また
(ブゥン)
と音とともに、ディスプレイ上に日本地図が表示される。
「これは?」
『はい、ヒノモト国全体を表す地図です』
「ヒノモト国?」
形は日本と同じにしか見えない。
そこの真ん中付近に赤い矢印が表示される。
『ここが現在地、赤木が原です。』
「ふむふむ。オレ達で言うところの樹海か」
『はい。樹界です。』
あ、その字なのね
『そして、ココが最後の洞窟があるZAO山です。』
と、今度は東北の真ん中あたりに青い矢印が表示される。
「なるほど、大きなスキー場があるところだな」
『スキー?スキーとは?』
「あ、なんでもないこっちの話」
なるほど、距離的にはここから1500キロ程か。一日30キロ移動したとしても一か月半はかかるか。
「よし、じゃあソコに行くよ」
『イエ、お待ちください。』
「ん?なんで?」
ソコに行けば魔導具が手に入るんだろ?じゃあ、すぐにでも出発したいよ。
『この最後の洞窟には、この世界での超レアアイテム、転移の魔導具があることが公式に開示されています』
「うんうん。それで?」
『では、なぜ誰もそれを取りにいかないのでしょう?』
「必要ないから?」
『まあ、一般人には必要のある導具ではありませんが、売れば親子孫までの3代遊んで暮らせるだけのお金が手に入るのですよ』
「つまり?」
『手に入れられない、大きな理由が2つあります。』
やっぱりなー。そういう流れだよね。
「その2つの理由とは?」
『一つ目は、洞窟の複雑な内部構造のためです。どういう事かと言いますと・・・』
つまり、その洞窟自体が迷宮のようになっているそうだ。しかも定期的に内部構造が変化する上に、中に入ると方向感覚が狂ってしまうらしい。
「なるほど」
『二つ目の理由は、ガーディアンつまりその洞窟を守護する存在のためです。』
「ガーディアン?」
『はい。とても強い獣がそこを守っています』
「でも、オレ達はあの山グリズリーを倒したんだぜ。その獣も倒せるんじゃ?」
『これが、そのガーディアンの公式ステータスです。』
種別:9尾の銀狐
HP:780
MP:420
使用可能な魔法:上級土魔法
「!!!」
ラスボス感半端ねえ…
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