第3話 王子ムハンマドと美少年スター ③
イマージュに宮殿への招待メールを出してから、もうひと月になる。
それなのにイマージュからまったく返事が来ないのだ。
王子の忍耐はすでに限界を超えていた。
「王子である私の好意を踏みにじるとは、イマージュ、お前が何をしたのか思い知るが良い。お前は重罪を犯したのだ。私の心をもてあそぶなど、決して許されることではないのだ」
と云うと、ムハンマドは親衛隊長を呼びつけ、宣言した。
「法と正義の名において、その妖力で民を惑わせる悪魔の申し子イマージュに、終身刑を下す。あの小悪魔を捉え、収監せよ。急がずとも良いが、完璧に任務を遂行せよ。それからイマージュを収監する鳥かごもハーレムの奥に急いで作るように」
と命じた。
「良いか? イマージュの罪は、死に値する罪なのだ。だから誰にも怪しまれてはいけないが、誰もがイマージュの死を信じるように事態を運ばなければいけない。しかし私はイマージュに生まれ変るためのチャンスも与えるつもりだ。私の愛で罪を必ず悔いあらためさせる。そして私専用のカナリヤとして、ハーレムの奥で、歌い踊ることを許してやるつもりだ」
と言った。
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