遠田さきな

モノローグ

人は誰もが幸せになる権利を持っている。

いつかの授業で社会科の教師がつまらなそうに話していたことを思い出す。

こんなときに思い出すことがこれほどつまらないことだなんて。所詮、これが僕の人生だ。自分でも呆れてしまう。

あぁ。遠くの方で僕を呼ぶ声が聞こえる。

泣き叫ぶような甲高い声を脳内で反響させながら、果たして僕は幸せだったのだろうか?なんて柄にもないことを考える。

ただ、僕が過ごしたこの3か月間は 人の一生分の出来事が入りきらない程に詰まったものであるだろう。

薄れていく意識のなかで、自分でも驚くほどに事態を冷静に受け止めていることに感心する。

このような結末になることを、心のどこかで僕は 予測していたのかもしれない。

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