おしゃまな天使がやってきた

勝利だギューちゃん

第1話

「突然ですが、私は天使です」

「まあ、悪魔には見えないね」

「信じてないね」

「はい」

いきなり天使と言われて、信じる人はいない。


背中から羽が生えていて、頭の上には輪っか。

白い服を着た女の子。


あからさま・・・


「繰り返しますが、私は天使です」

「その天使さんが、何の御用ですか?」

「天使が来るなんて、理由はひとつ」

「お迎えですか?」

「話が早いね」

最近の、どっきりは手がこんでるな。


ていうか、犯罪だろ?


「じゃあ、証拠を見せるね」

天使と名乗る女の子は、服を脱いだ。


「・・・何を・・・」

「だって、君が信じてくれないんだもん」

服を脱いだ。

胸は、かなり大きい。


「どこを見てるの?背中を見て」

「背中?」

羽が動いている。


「ねっ、地肌に直接ついているでしょ?」

「よく思春期の男子の前で平気ですね」

「君は、犬や猫の裸見て興奮する?」

「しない」

「そういうことだよ」

種族が違うのか・・・


「でも、服を着たり脱ぐのが大変ですね」

「この服特殊だから・・・」

ご都合主義・・・


「で、僕は死ぬんですね」

「うん」

「いつですか?」

「明日。その前に君の願いをひとつだけ叶えます」

「ひとつ?」

「まあ、願いはわかってます。」

「答えてみ」

「かわいい女の子の私と、デートがしたいでしょ?ほら正解。

そうと決まれば、さあ行こう。

映画でも、動物園でも、遊園地でも、どこでもOK!

でも、いかがわしい事しちゃだめよ。私は天使なんだから・・・」

勝手にしゃべってる。


せわしない人だ・・・、


「わかりました。それでいいです」

「てれない、てれない」

楽しんでるな・・・この人・・・


「でも、その格好でですか?」

「いけない?」

「ええ」

「どんな格好がいいの?」

「女子高生。下着は白。髪はポニーテール」

「注文うるさいね」

「最後の願いは、利いてくれるんでしょ?」

「しょうがないな・・・」

天使は、女子高生の姿になった。


「羽は消えないんですね」

「うん。」

「輪っかは、消えるんですね」

「うん」

「ややこしいですね」

「うん・・・って、いちいちうるさいよ」

あなたも、そうですから・・・


「で、どこへ連れて行ってくれるの?彼氏さん」

「連れて行った場所で、文句いいません?」

「言わない」

「じゃあ、お願いします」

「了解、彼氏くん」


こうして、付き添わされた・・・


「時に天使さん、お名前は?僕のは知ってるんでしょ?」

「うん。田辺隆雄くんでしょ?私は、メル、よろしくね」

「ああ、メルさん」

「彼女なんだから、メルと呼んで」

「へいへい。」


そういや、死因は訊いてないな・・・

まっ、いいや。


最後の一日は、楽しめそうだ。


サヨナラ現世。

また会う日まで・・・


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おしゃまな天使がやってきた 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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