もしも、自分に殺されて、

桜川 音夢

0:プロローグ

不思議への登校

 私はいつからかは覚えてないがいじめられている。


 なぜかなんて理由はきっと特に無いのだろう。


 なんかムカついたから。


 自分より下の存在が欲しかったから。


 周りがいじめてて面白そうだったから。


 何となく。


 そんな感じだろう。


 今日、私はいつもより早く目が覚めた。


 物音で目が覚めたのかと思って耳をすませてみたのだけれど、全く音がない。


 家族全員寝ているのだろう。


 ぼやけた思考をふわふわさせながらも頭の横のスマホを見る。


 4:04 26°/22° 23°


 と、スマホの上部に表示される。


 二度寝したら寝坊するだろう……。


 とりあえず、部屋を出て階段を上り、リビングの電気をつけて通り過ぎ、洗面所へ向かう。


 顔を洗い、やっと思考がすっきりとする。


 隣のキッチンの奥にあるウォークインクローゼットの奥の壁に制服が掛かっている。


 そこから取って着替え、淡々と登校の準備を済ませる。


 いつもよりゆっくりと準備をしたのにそれでも早かったらしい。


 家にずっと居ても暇だし、早めに家を出る事にした。


 荷物を持って一階に降り、母と妹を起こさないように静かに玄関へ向かう。


 鍵を開けて家を出た。


 外は明るかった。


 薄い灰色の雲の隙間からチラチラと蒼空が覗いている。


 スマホを見てみる。


 6:16 26°/22° 23°


 いつもよりバスは早くなりそうだ。


 ゆっくり歩いた先に到着したバス停でバスの窓際の席に座り、しばらく揺られて終点へ。


 サラリーマンやOLの方々と一緒にバスを降り、駅のNEWNIGHTSでお昼ご飯のパンと私の好きな飲み物のココナッツミルクをセルフレジに通した。


 そして、いつもより早めだけれどもいつも通りの一日の為に、冷たい雰囲気を纏ったぬるい空気とともに改札を入り、一本電車を見送ってから一番線の電車に乗った。

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