第98話 へんせつ

小片詩 -かけらのうた-


-◇-



『へんせつ』



物事により道が曲がる


出来事により心が変わる


変わるもの


変わるときに節目ができる



時には柔らかくゆるやかな流れのように


時には硬く痛むしこりのように



変わることは止められない


変わることは仕方ない



怒りでなく


あきらめではなく


できるなら


静かな心で


それを見つめていたい



曲がり、節目のできた伸びゆく樹のごときもの


起きたこと、傷つくことなく受け止め


受けた光を浴び、素直に枝を伸ばしたい




まだ道半ば


いまは長き道程の途中



これからの先を見据え


歩みを止めず進んでゆく




いつか


いたみある変節も優しき想いに変わること


いつか


り固まる節目も懐かしき思い出に変えられること






ひそやかに祈りつづける






-◇-


次回、『ふゆのよぞら』

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