第46話 怒りと猛省


目の前が真っ赤に染まる


熱く激しい

燃え上がるほどの怒り


泥のように疲れきった身体と心が、

憤怒の炎を受け、激しく燃え盛る


周りを傷つけ灼くほどの気炎を吐く

辺りに怒りを撒き散らす


疲れきった身体

怒りは収まらず


身を灼く浅き眠りと

矛先を探す怒りと怨嗟えんさの、夢見のとき微睡まどろ



  ◇



重苦しい目覚め


理由は解っている


相手の言葉を、

話の確証をとらず、鵜呑みにしたこと


判ったことにし、

忙しさにかまけて、手を抜いたからだ



怒りの矛先の正解は自分

相手ではないのだ



収まらない怒りというのは、

大抵、自分に向くべきことをごまかして、

怨みを相手へと向けることだ


無意識に解るからこそ、怒りが収まらず

怨嗟がくすぶり続けるのだ




矛先が変わる

相手から自分に


炎の如き怒り

赤々と燃え盛るものが

小さくなってゆき


渦巻く

重苦しい憤り



自らを責める、暗き炎の燠火おきびとなり、

それはくすぶり責めさいなむ焼けた引きつれとなり、

自らの心の奥を傷つけ続ける



心の内に暗くのしかかる鈍い痛み



しばらくは仕方ない



それで怒りが晴れるものならばと、

痛みを受け入れる




傷つけた心を秘め、

そっとため息をつき、美しき蒼空を見上げる

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