第22話 なみだ

めざめてはじめて、


泣いていることに気づいた



頬が濡れていた




なんで泣いたのかは覚えていない


なにがかなしかったのか、


それもわからない




でもあのことだろう




顔も、


声も、


何も無い




なにも出てこない





それでもなにか、


想いがあふれたのだろう




一歩進み、消えてゆく思い出


歩みながら、積み重なる想い




足取りは重く、


縋る気持ちは不確かで、


でも求める心は強く強く、


その求めるものへと手を伸ばす




記憶はなくても、




でも、


想いだけを支えに進む



歩き続ける






いつか











いつか

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